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-part27-話をする
いい匂いがする。
今、俺の部屋で静紀が晩御飯を作ってくれている。
「どうせなら、晩御飯を食べながら話をしましょ」
そう静紀は提案し、俺の部屋で晩御飯を作り始めたのだ。
「冷蔵庫に何も入ってなかったはず、なんだけど?」
「大丈夫です。さっき、買ってきましたので」
買った?!
いつの間に?
驚いている間に、晩御飯は完成し、更に盛り付け終わっていた。
「簡単なものですが。どうぞ」
「い、いただきます。・・・うまい!」
「ふふ。喜んでいただけて、幸いです」
「後で材料費払うよ」
「いえ。いいですよ。いきなり、無理を言って部屋にお邪魔しましたのは私ですから。それより、紘一の悩み事。お話お願いします」
「・・・あまり、良い話じゃないぞ」




