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すれ違い実行委員会  作者: ステルススター
第二章-鉢合わせ-
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-part25-母親との仲

 紗江さんは母とは正反対の内気で弱い性格の人だった。

 俺だって、ただ逃げた訳ではない。初めは努力した。

 紗江さんの連れ子であった、美穂とも仲良くなって、紗江さんを母さんと呼ぶように心がけた。

 ・・・でも、耐えられなくなった。

 母の死を引きつづり続ける俺は、家族の中で浮いているような気がしたんだ。


 「・・・呼びにくかったら、無理に母さんって呼ばなくていいよ」


 「・・・・」


 これだ。

 また、紗江さんに気を遣わしてしまっている。

 紗江さんの優しさかもしれないが、俺にとっては窮屈でしかない。

 

 「何言ってるんだよ。俺の母親なんだから、母さんって俺は呼ぶよ」

 

 「・・・ありがとう」


 多分、お互い分かってる。

 互いに気を遣いあっていることに。

 この気遣いは、家族の気遣いではなく、他人だからの気遣いであると。


 「きょ、今日は、晩御飯一緒にどう?」

 

 「わ、分かった」

 

 必要最低限の会話しか出来ない。


 「もう少し、墓参りするから、先に家に帰ってもいいよ」


 「・・・そう。じゃあ、先に家に帰って、晩御飯用意しているから」

 

 一緒に家まで帰っても、話す事がなく気まずい空気になってしまうのが分かっていたから、先に帰ってもらった。

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