表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
すれ違い実行委員会  作者: ステルススター
第二章-鉢合わせ-
25/29

-part23-命日

 「最近、女を連れ込んでいるそうじゃないか」


 「ぶー!!」

 

 「汚いぞ。どうして、いつもお前は味噌汁を吹くんだ?」


 「父さんが、味噌汁を飲むタイミングで変な事を言うからだろ!」


 吹き出した味噌汁をティッシュで拭く。

 最近、朝、来なくなっていた父が久しぶりに朝食を作りに来た。

 

 「部屋に女を連れ込んでいるって美穂から聞いたから、わざわざ、休みの日は来ないようにしてやったんだ。それでどうだ。進展はあったのか?」


 「そんな仲じゃないから。後、もし、そうだったとしても話す訳がないだろ!」


 これが理由で着てなかったのか。


 「・・・明日は来るのか?」

 

 さっきまでの茶化す言い方ではなく、父は重々しく訪ねて来た。


 「父さんたちは?」


 「午前中に行こうと思ってるんだ。良かったら、紘一も・・・」


 「いや、学校今日は大事なテストがあるんだ。だから放課後行くよ」


 「そうか。分かった」

 

 大事なテストなど、嘘である。

 俺は逃げているんだ。

 

 「父さん。もう行くからな。これからは平日だけ作りに来るようにするから」


 「分かった」


 「避妊はしろよ」


 「やっぱり、二度と来ないでくれ」

 

 最後に茶化しを入れ、父は帰って行った。

 今日は、母の命日である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ