-part21-優先順位
二人を家へと送っている道中。
「紘一。こんばんは」
「あ、静紀。こんばんは」
ジャージ姿の静紀と出会った。
「・・・・・」
「どうしました?私の服に・・・あー。ランニング中でして。美容は努力からくるものなんですよ」
普段、ビシッと制服を着ている静紀のジャージ姿に違和感を感じていたら、丁寧に説明してくれた。
「あ、あの。私、兄貴――じゃなくて、紘一の妹です。名前を坂上美穂って言います」
美穂が、俺と静紀の間に入って挨拶をした。
「・・・いきなりどうした?」
「せっかく、兄貴の学園で一番の美少女と言わる日向さんとお近づきになれるだよ。しっかりアピールしとかないと」
・・・本人を前にお近づきになろうとしているのを言ってもいいものなのか?
そんな風に考えている中、挨拶をした美穂を差し置いて、静紀は奈菜に話しかけた。
「えっと・・・。隣のクラスの斎藤奈菜さんで合ってたかしら。間違っていたらごめんなさい」
「は、はい。合ってます」
「良かったわ。私の名前は日向静紀。静紀って下の名前で呼んでいいから。私も斎藤さんの事を奈菜さんって下の名前で呼んでいい?」
「私は全然構わないんですけど、下の名前で呼んでもいいですか?」
「えぇ、もちろん。後、敬語も出来れば辞めてくれると嬉しいわ」
「分かりま・・・分かった」
珍しいな。
普段、静紀は苗字にさん付けで人を呼んでいるのに、よっぽど、奈菜が気に入ったのかな。
「兄貴。私、のけ者にされた?」
美穂の一発目の挨拶。無視されたな。
「美穂ちゃん。ごめんなさい。先に奈菜と挨拶をしておきたかったの。以前から話をしたいと思っていたから」
静紀は、美穂に頭を下げた。




