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すれ違い実行委員会  作者: ステルススター
第二章-鉢合わせ-
21/29

-part19-もっと

 「ちょっと、私もトイレ行きたい。紘一借りるね」


 「あぁ。そこの角だから」


 「分かった。ありがとう」

 

 奈菜がトイレで席を立った後に、美穂に向かって言う。


 「おい、美穂。さっきのはなんだ?」


 「兄貴。ごめん言い過ぎた」


 俺から、怒られるのが分かっていたからか、美穂はすぐに謝ってきた。 

 

 「知ってるだろ。奈菜が上がり症だって」


 俺が奈菜と仲良くなってから、別にみんなと距離を取りたくて取っていた訳ではない。自身が極度のあがり症であるから打ち明けてくれた。それからは、俺が間に入り友達みんなとの仲を取り持つようにして、徐々にみんなと馴染める様になっていったのだ。


 「でも、明らかに、奈菜は兄貴に依存・・・」


 「なんの話?紘一。早くゲームの続きやろ」


 奈菜がトイレから戻って来た。


 「・・・兄貴、何か飲み物貰ってもいい?」


 「飲み物?冷蔵庫から好きな奴取っていいぞ」


 「やったー。って、お茶しかないじゃん」


 嬉々として、冷蔵庫の扉を開けた美穂だったがジュースは品切れ状態。


 「二人だけ、ジュースずるい」


 「お茶で我慢しろよ」


 駄々をこねて、ジュースを買いに行かせようという作戦だろが、俺には通用しないぞ。


 「これ、さっきの撮った写真なんだけど」

 

 「どのジュースが要るんだい。可愛い妹よ」

    *    *    *    *

 「私もジュース買いに行くよ」


 「いいよ。コンビニまで行かないと行けないだし。なんで、2リットルサイズで頼むんだよ」

 

 紘一は、私と美穂ちゃんを置いて、ジュースを買いに行ってしまった。


 「兄貴にべったりですねぇ~」


 「それは、美穂ちゃんもでしょ。どうせ、私の邪魔をしに来たんでしょ」

 

 「・・・相変わらず、兄貴の事になると上がり症を疑う素振りになるね・・・」

 

 ・・・いつもなら、人にどう思われるているかで、胸がいっぱいになって不安でどうしようもなくる。だから、昔は人と関わらないようにしてきた。

 けど、紘一の前では、どう思われてるなんて心配より別の感情でいっぱいになる。

 もっと。話がしたい。

 もっと。私を見て欲しい。

 もっと。もっと。もっと・・・。


 「———ちょっと。聞いてる?」


 「ごめん、美穂ちゃん。聞いてなかった」

 

 紘一の事で頭がいっぱいになってしまっていた。


 「だから、ちゃんを付けを辞めてよ。私は奈菜の事を《《ライバル》》だと思って、下の名前で呼んでるんだから」

 

 「・・・・さっき撮った写真くれるなら、呼び捨てにする」

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