-part16-新作ゲーム
日曜日。
インターホンが鳴り、部屋を出ると。
「きたよー!」と、ジュースやお菓子を詰め込んだ、レジ袋を右手に部屋へ来たのは奈菜。
「そんなに、お菓子を買ってきたのか?」
「えへへ。だって今日は一日中ゲームするんだもん。これくらい必要だよね」
「・・・太るぞ」
「うっさい!」
「イテッ」
殴れた。
「ここが紘一の部屋か」
奈菜は、俺の部屋を見回す。
「・・・言っておくがエロ本とかないからな」
「探さしてないよ!」
今日は、奈菜との約束を守って予定を空けていた日。
何をするのかと思えば、新作ゲームを一日中しようとの事。
机にお菓子とジュースを広げ、準備万端の状態にして、ゲームを起動させた。
初めのうちは、やる事も多くて忙しくゲームをプレイしていたが、あるレア素材がなかなか手に入らず、周回作業が始まってしまった。
「「・・・・」」
もう同じ敵を10回以上倒している。
同じ作業をやり続け、次第と会話が少なくなってしまった。
「・・・ねぇ。紘一。この前は聞かなかったんだけど。あの狐の仮面を被った女子って誰?」
突然、奈菜が俺に質問してきた。
「(見られてたのか?どうしよう。正直に話す事も出来ないし)」
俺がどうやって、誤魔化そうかと頭を悩ませていると。
「もしかして、彼女?」
「ち、違う。あの人はそういう仲の人じゃなくて・・・」
「分かった。それだけ、聞きたかった。紘一が聞かれたくないなら、私はもう聞かないでおくから」
・・・副会長が、俺の彼女じゃないかを確認したかった?
それって、気があるから心配で聞いてきたのではないのか?
いや、待て。勝手な勘違いして、また同じミスを犯すのは良くない。
「「・・・・」」
また、沈黙。
「・・・ちょっとトイレに・・・いててて」
「きゃっ!」
いったん冷静になる為にトイレに行こうとしたが。長時間、体制を変えずにゲームをしていたせいで、足が痺れてしまっていた。そして、立ち上がるのに失敗し、よろけて、奈菜を押し倒してしまった。
目の前には、耳まで真っ赤になった、奈菜の顔。
「ごめん。すぐに・・・」
「ぅぅーん!」
避けようとしたのに、それを阻止するかの様に、奈菜が俺の腕をつかみ。目を閉じた。
これって。もしかして、さささ、誘ってる?
誘われてるんだよね、俺?
ドクドクと自分の心臓音が聞こえる。
俺も目を閉じて・・・。
「・・・兄貴。何してるの?」
「「えっ?」」
奈菜と二人して、声のした方に顔を向けると、美穂がいた。




