124話
その頃、凛はと言うと。
「アルビオン公爵ではないか。あまり王都から離れたがらない奴がどうしてまた…そうか。ここは美人が多いで評判だからな。流石は『色狂い公』と言うところか。」
管制室に戻り、ミゲルとモニター観察を再開。
彼らが現在見ているのはサルーンの北西門前。
それは数あるモニターの中から1つがピックアップされ、画面全部を占める様になったもの。
何やら先頭の兵士と門番とで押し問答を繰り広げる様子が映されており、そこから自動的に角度がズレ、後方がズームアップ。
そこで貴族と思われる老年男性が、如何にも趣味の悪そうな。
それでいて成金を思わせる様なゴテゴテに着飾られた馬車から身を乗り出し、拳を斜め上方向に突き出しながら叫ぶに切り替わる。
ミゲルはその人物に心当たりがあるらしく、少々意外そうな顔で呟く。
喚き散らす男性ことカストロ・フォン・アルビオン公爵は今年で48歳。
しかしこれまでの不摂生や爛れた生活が積み重なり、実年齢よりも5歳は老け込んで見える。
そんなカストロは実益も兼ねた女性収集が趣味で、平民を中心に見目麗しい少女や女性ばかりを集めて来た。
その数は100人とも200人とも言われ、そう思わせるだけの被害や実害が遭った事が窺える。
「手前で騒いでるのはトリオか。そこにカストロも加わる…と。相変わらずだな。」
「? 王都では有名な人達なの?」
「悪い意味でな。権力を笠に、女を食い物にすると専らの噂だ。で、門番に対して騒ぎ立てる3人が奴…カストロの取り巻きでバーガン、アッホス、マヌーカと言う。」
「バ、バーガン?」
「酷い名前だろう?まぁ尤も、名前以上に本人達の性格の方が酷いんだが…ともあれ、こいつらは色んな所から恨みを買っててな。
裏でカス・バカ・アホ・マヌケと揶揄され、バーガン達3人は行動を大体共にするからトリオ。そこにカストロを含めたそれぞれの頭文字から『カバアマカルテット』なんて呼ばれてるな。」
ミゲルの説明に、凛と美羽はへーと相槌を打つ。
また他に、『悪辣4人衆』だとか、単純に省略されて『カルテット』とも。
「しかし防犯カメラと言ったか、物凄い技術だな。相手の動きは丸わかりだし、顔もくっきり映ってるではないか…我々が脅威どころか子供扱いされる訳だ。」
基本的に、何か問題を起こすか犯罪の幇助でもしない限り、凛達側が動く事はない。
むしろ積極的に間者達を泳がせ、そこから(録画した映像を逆再生する等して)依頼主へ辿り着き、有事や交渉の際に役立てる程だ。
それは先程当事者となったミゲルも同じ。
今もどこかでこそこそと動いている者に哀れみの感情を抱き、吐露へと繋がったのだろう。
(アレックス殿下達が堂々と動き回れるのも、これによる安全性が確率されてるが所以…か。成程な)
それと、バーガン達がピックアップされる前。
モニターの1つにアレックスとアリス、それとお供と思われる2人が映っているのをミゲルは見逃さなかった様だ。
目を閉じ、彼女なりに納得したのか再びモニターに意識を移す。
30分後
「ええい!いつまで我らを待たせる気だ!それといい加減、あの変なモノをこちらに向けるのを止めろ!そもそもだ、他の者達は次々と中へ入っているのに何故我らだけが━━━」
「おーおー、元気だねぇ。」
バーガンが声高に叫び、その様子をトーマスが見下ろしながら呟く。
トーマスがいるのは、凛が強化を施したサルーンの外壁の天辺部分。
15メートル程の高さで、2車線分の広さがある。
彼の近くにはバリスタが等間隔で設置され、少し離れた場所にはガトリング砲と思しきものまで。
バーガンの口から出た変なモノとはこの2つの事を差し、バリスタから放たれる矢は装甲車を易々と貫く。
ガトリング砲自体は地球のと同じ大きさだが、発射されるのは弾丸ではなく、1発1発が中級魔法の威力を持った魔力弾。
これらは先日凛が外壁を改修しに訪れた際、牽制と防衛力の保持をアピールする目的で設けたものだ。
5メートル、10メートルの高さの所にも同じものが用意され、壁の内側と台座が一体化する形でくっ付いている。
普段はオブジェや普通の外壁として扱われ、戦闘態勢に入るとバリスタやガトリング砲周辺だけが前に倒れ、その部分の壁がそのまま砲台に切り替わると言うシステム。
そんな過剰戦力とも呼べるもの達だが、幸いにして今のところ実際に使用した例はない。
と言っても、貴族や商人が兵士や取り巻きを連れ、ガイウスに対して圧力を掛けようとか。
田舎者が調子に乗るな、自分の方が立場や財力は上との意味を込めての誇示だったり、恣意的行為を示さなかった訳ではない。
全員が外壁の頂上に並ぶ物々しい武装を見て肝を冷やし、結果的に争いへと発展しなかっただけの話。
実際、戦力を率いた者もいたがせいぜい10人や20人かそこいら。
カストロみたく、80近くの兵士(その外を含めると100人オーバー)と一緒に来たのは今回が初めてとなる。
ついでに、天辺以外の武装のお披露目はこれが初めて。
しかもカストロ達を煽り、怒らせる為にわざとこの様な真似をした流れとなる。
「トーマスさん。またサボりですか…。」
そんな感じで黄昏るトーマスの元に、ミゲルを伴った凛がやって来た。
美羽は雫に呼ばれたとかで席を外し、代わりに指名を受けた闢が凛の影に潜む形で控えている。
闢はディシーバーズのリーダーながら、美羽を含めた一部の者から『ビャッ君』と呼ばれ、親しまれている。(本人は照れ隠しで顔を逸らす事が多いが)
それと双葉が闢を押し退ける形来たがっていたものの、仲間になったとは言えミゲルが身構えるだろうとの理由で彼に。
「凛様か。つかサボりじゃねぇ、偵察だよてーいーさーつ。門の前で騒ぐ輩がいるってんで見に来たんだよ。一応こんなんでも上の立場にいるからな、俺。」
若干不満を漏らしつつ、トーマスは凛からミゲルに時点をずらす。
カストロ一行が喚き散らす様は結構な騒ぎとなり、既に大勢の野次馬が。
その中に一般人を装ったディシーバーズやねこ忍隊も紛れ込み、いざとなればすぐにでも動ける体制を取っている。
双方共にメンバーは4桁を越え、その内の大部分が警備等の名目でサルーンとクリアフォレストに集約。
今も日を重ねる毎に戦力は増え、それが治安だったり住民の平穏へと繋がる。
「朝に見掛けはしたが、実際に話すのは初めてだよな。トーマスだ。商品開発部の部長兼、商店の総括もしてる。」
「ミゲルだ。今日から世話になる。」
トーマスが右手を差し出し、ミゲルが握り返す。
彼は今、雫がトップを務める(装飾品や魔道具を含めた)家庭用品・日用雑貨の内の日用雑貨部門を取り仕切る立場に。
それでいて、最初にオープンした商店の店長経験からそちらも兼務。
と言っても顧問や相談役みたいな扱いで、後者の出番はほぼないに等しい。
「こうして一緒にいるって事は、何か要職にでも就かせるのか?」
「うん。警備隊長をお願いしようと思って。」
「警備隊長ねぇ。あそこにいるアルフォンスさんはサルーンの警備隊長だが…最近は貴族ばかりが相手とかで気苦労が絶えないらしいぞ?」
「…凛様?」
トーマスの言葉にミゲルが疑いの視線を向け、凛は明後日の方を向く。
「あ、お2人共。ダニエルさんとシルヴィアさんがあちらへ向かうみたいですよ。」
「露骨に話を逸らしたな。」
「だな。全く、酷い上司がいたものだ。」
明らかな話題転換によりトーマスがジト目となり、ミゲルも同意とばかりに頷く。
「どちらも興味がない様ですね。なら代わりに僕1人で見届け━━━」
「いやいや、そこまでは言ってない。むしろこれから面白くなるってのに見ないなんて選択肢は有り得ないだろ。」
「釈然としない…が、命令とあれば仕方ないよな。うん。」
なんだかんだ言いながらも、ダニエル達の動向が気になるのかキビキビと動く2人。
凛の両側に立ち、バーガンの元に向かうダニエルに注視し始める。
「失礼。バーガン様、少々お時間宜しいでしょうか?」
「何だ貴様は?」
「何度かお会いした事があるのですが…残念ながら覚えてらっしゃらない様ですね。」
ダニエルは怪訝そうにするバーガンに恐縮しつつ、懐から名刺を取り出した。
「申し遅れました。私、こう言う者です。」
「(これは紙か?この者が着ている服と言い、やけに質の良いものを使っているな)…ダニエルぅ?どこかで聞いた名だな。」
「はい。以前は王都の商業ギルドに務めておりました。現在の職業は名前の上に明記してございます。」
「何々…ホズミ商会代表取締役会長…会長!?」
「はい、左様でございます。」
名刺を凝視し、寝耳に水とばかりに驚くバーガン。
笑顔で首肯するダニエルに周りがざわつき、離れた場所から「嘘…」と女性らしき声も。
「ホズミ商会と言えば、新興ながら既に押しも押されもせぬ商会として有名なところではないか!」
「はい。我が商会は、かの商業国家ミョルソドそのものと協力体制を築いてございます。私の後ろにいる秘書長シルヴィアは、漁業都市アゼルを統べるオルネスト家の3女。他にも商業ギルド本部の方々を始め、各国のご令息やご令嬢も多く在籍しております。むしろ、我々からすれば当然の帰結かと。」
本来は商国の方が立場が下。
令息や令嬢の件も、奴隷落ち後に性格に問題なさそうな人物を買い上げた為に『元』が付く。
故にダニエルは虚偽の発言をした事になる訳なのだが、それを訂正する必要はないし、真実を告げる必要もない。
さも当たり前の様に言い放つダニエルに周りが更に騒然とし、バーガンは「うむむむ…」と唸るだけで二の句が継げずにいる。
「それと今は商都だけですが、いずれは王都、帝都、聖都の各国首都にも手を広げていきたいと思っております。」
「…平民上がりが偉くなったものだな。」
「恐縮です。僭越ながら、能力は高いとの自負がございますれば。」
「ふん。それで?我々に何の用だ?」
「おお、そうでした!カストロ閣下に私達のお目通りをお願いしたく…。」
「成程…私『達』?お前達2人以外にもまだいると申すのか?」
「はい。閣下には是非、私を拾って下さったご主人様とも面識を持って頂きたく。まず間違いなく気に入ると思いますよ。」
「それはどう言う…。」
バーガンが眉を顰めながら問おうとしたところ、「初めまして」と言いながらスッと凛が姿を現した。
「凛 八月朔日と申します。本日は宜しくお願いします。」
「いきなり驚かせるな…寿命が縮んだかと思ったぞ。」
この場合の驚くとは、自身の近くに音もなく現れた事。
それに加え、格好こそ男物だが目の覚める様な美少女なのが挙げられる。
また、斜め後方から「うぉっ、いつの間に!」とか「…油断も隙もないな」とか聞こえたが、凛達3人は敢えて無視する事にした。
「おい、『女神姫』だ!」
「本当!でも『妖精姫』は?今日はいないのかしら。」
「確かに。いつも一緒ってイメージあるよな。どちらか一方でも華があるが、やはり揃ってこそだろ。」
(その2つ名、止めて欲しいんだけどなぁ)
それと周りからひそひそ話も聞こえ、内心辟易しつつこちらも無視する。
女神姫は凛、妖精姫は美羽を指した2つ名だ。
凛の方はこれまで何回か行った治療で受け手側が後光が差した(風に見えた)のが切っ掛けで、美羽のは時折凛の前に立ってクルッと翻る様から来ているとか。
それ以外として、運動場で指南した経験を持つ者の一部にも通り名が。
火燐は武器の種類を問わず相手を叩きのめす様から『武神』。
雫はふわふわと空中を漂い、様々な魔法を駆使するから『奇術師』。
翡翠も同じく空中を得意とし、圧巻の弓捌きから『蒼穹』。
楓に至っては、常に儚げに微笑むから『微笑』。
暁が『紅蓮王子』でアーサーは『絶氷の貴公子』、渚は『破天荒』、ミラの『撲殺天使』にエラの『ド天然』なんてのも。
渚の破天荒はまだ分かるとして、楓とエラの『微笑』と『ド天然』はただの仕草や悪口では?とすら思える。
「しかし凛と言ったか。確かに、これ程の器量ならお館様も喜ぶだろう。(シルヴィアとやらもかなりの上物だし、その後は…ぐふふ)」
「ありがとうございます。」
バーガンが気持ち悪い笑みを浮かべ、後ろに控えるアッホスとマヌーカも同様。
凛達は笑顔で返し、バーガン達に連れられる形で移動を開始する。
(ようやく、ようやくここまで来た)
カストロのいる馬車へ向かう道中。
ダニエルはバーガン達がデレデレとしながら凛とシルヴィアと話すのを後ろから見つつ、そんな事を思っていた。
少年期、彼と将来を約束し合った幼馴染一家を強引な手で陥れた人物…それはカストロだった。
カストロは公爵の身分、或いは商業ギルドとの癒着だったりで互いに利用し合う等し、これまでに数々の犯罪に手を染めて来た。
ダニエルはそれが許せず、いずれカストロと対峙するとの想いを胸にひたすら頑張った。
その甲斐もあり、これからバーガンを通じてカストロに会う…つまり仕上げに入る前の最終段階へと移行。
サルーンが新しく生まれ変わったのと同時期に「彼の地には美男美女が多い」との噂を流し、それとなくカストロ達が王都から出るよう促した。
出発後は逐一動向を探っていた事から、これまでの苦労が一気に込み上げ、感慨深くなったのだろう。
ついでに、先程各国首都云々の話が出たが、商業ギルドは本部や上層部に近ければ近い程、汚職に手を染める可能性が高い。
そう言った者に限って身分や階級に拘り、ただただ自分を高く見せようとする。
ホズミ商会にとってそんなものはどうでも良く、銅貨1枚の価値すら見出だせないゴミ以下。
いずれ行われる大掃除によって弾かれ、商業ギルド内の風通りがスッキリとする事だろう。
(もう少しだ。もう少しで長年の目的が達成━━)
「ダニエル…君。」
ダニエルの顔が引き締まり、決意を新たにする中。
1人の女性から声を掛けられた。
「ミィ…ミレニア。」
彼の想い人。
幼馴染で将来を誓い合った仲でもある女性━━━ミレニアその人だった。
若干ウエーブがかったブロンドの髪を上で纏め、(いなくなってから10年以上が経っているから当然ではあるが)少女ではなくすっかり大人びた姿となっていた。
「その呼び名…覚えててくれたんだ。」
「当然だよ。僕と君との仲じゃないか。」
「このやり取りも久しぶりね…とにかく、まずは元気そうで何よりだわ。」
「ミレニアも…その…綺麗になった。」
「うふふ、ありがとう。商会の会長になったんですってね?おめでとう。」
「ありがとう。君にそう言って貰えると嬉しいよ。」
「本当に良かった…。王都からここまで長い道のりだったけど、まさかエル君に会えるなんて思いもしなかったわ。」
昔みたく、ダニエルを「エル君」と呼んでくれるミレニア。
その彼女の悲しげな笑顔に、ダニエルは胸を締め付けられる思いでいっぱいになる。
「ミィ…良ければ僕と。」
「ダメよ。いくら貴方が会長だろうと、相手は公爵様。相手が悪過ぎるわ。それに、どうせ私達はもうすぐ捨てられるもの…。」
ミレニア、それに姉2人と母を加えた4人はカストロのお気に入りだ。
その中でも上位に入るのだが、10年以上も経てばどうしても飽きると言うもの。
新しい女性がひっきりなしに加えられるのも相まって、彼女達に対する扱いは段々と酷いものに。
表面上では分からないものの、散々痛め付けられたり暴行の跡がミレニアの体の至る箇所に刻まれている。
最近になって何故か男性達が昏睡状態に入る等して負担は一気に減りはしたが、それはこの旅が終わるまでの話。
カストロ達はサルーンで新しい女性を沢山仕入れ、その分楽しみ尽くすのだと息巻く。
そんな彼らの為人を長年見ている彼女達からすれば、自分達は長く持った方。
最後だからとボロクズになるまで弄ばれ、纏めてその辺に捨てられるだろうと諦めている。
「私はあまりにも汚れ過ぎた…とてもエル君に見せられる体じゃないわ。」
「君はあの頃と変わらない。むしろ綺麗だと思える位だ。」
「そんな…そんな事…。」
「本当だよ。それと安心して。君も、君のお姉さん達も僕が…僕達が助ける。もう2度と君達家族を不幸な目になんて遭わせない。」
「ああ…ありがとう。エル君、大好き。」
「僕もだ。」
ミレニアは涙を流しながら、ダニエルも目尻に涙を溜めた状態で人目も憚らずに抱き合う。
そのままミレニアは彼の胸で嗚咽を漏らし、ダニエルが背中を擦る等して宥める。
「…一時はどうなるかと思いましたが、どうやら上手く纏まったみたいですね。」
そこへ、前方にいるはずのシルヴィアから話し掛けられた。
先程バーガンは大声でダニエルがホズミ商会会長だと叫ぶのに対し、ダニエルは普通のトーンで答えた。
故にミレニアは聞こえておらず、「どちら様?」と言いたげな視線をシルヴィアに向ける。
「どうにか…ですけどね。シルヴィア君、あちらのお相手は宜しいのですか?」
「(念話で)凛様からこちらへ向かうよう言われまして。」
「成程。毎度の事ながら、凛様には頭が上がりませんね。」
「流石は私達の主とも取れますけどね。」
バーガン達を手玉に取る凛を見たダニエルが困った笑みを浮かべ、シルヴィアはくすりと笑う。
次に目線をミレニアに合わせ、真面目な顔の後に軽く微笑んだ。
「ミレニア様、初めまして。シルヴィア・エルネストと申します。」
「エルネスト…って、アゼル領主に連なる方ではないですか!」
「ご存知でしたか。…ご職業柄、と言ったところでしょうか?」
「はい。以前、父が最高級の海産物として取り扱った覚えがあります。」
「そうでしたか。その節はありがとうございます。」
「シルヴィア様はエル君…ダニエルさんとどの様なご関係で?」
「彼女は僕の秘書長だよ。」
「それと、彼を公私共に支えるパートナーでもあります。」
「パ、パートナー。そうだよね。私みたいなおばさんより、若くて綺麗で血筋もしっかりしたお嬢様の方が良いに決まってる…。」
シルヴィアの発言にミレニアは打ちのめされ、見るからに落ち込んでしまう。
そんな彼女の右手にそっと手をやり、両手で優しく包む。
「何か勘違いされてるみたいですね。ダニエル様が仰られるのはいつも貴方の話ばかり。私の方こそ羨ましいと思うばかりですわ。」
シルヴィアはダニエルの彼女ながら、これまで食事や買い物以上の経験はない。
キスすらまだで、幼少期に行ったミレニアの方が関係的には先を行く形となる。
「私が?そ、そうなんだ…。」
ミレニアは嬉しさのあまり口がニマニマし、それを誤魔化す様にして下を向いた。
それから、凛とダニエルはカストロと会うも激怒され、そこから決闘騒ぎに。
その後少ししてからクリアフォレストにいる朔夜から、「すまぬ、少々やり過ぎてしまったのじゃ」と念話が入り、凛を困らせるのだった。
書き切れなかった(苦笑)
カストロは最初カストゥールの予定でしたが、響きがハストゥールっぽいので却下に。
ミラの2つ名にあの天使を思い浮かべる人もいるはず。
そこからあの武器に繋がりますw
それとミレニアは八○のア○ーリエ姉さんみたいな感じに思って頂ければ。




