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古書店街の魔女  作者: 田丸 彬禰


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 After story Ⅳ 魔女への恋文 

「前方後円墳の設計図」の後日談的話となります

 東京都千代田区神田神保町。

「古墳の設計図」を巡る一連の騒動が収束してから三日後の午後。

 この地にある有名な古書店街の一角に建つビルディングの一室は少し前から異様な空気が充満していた。

「何ですか?これは」

「ラブレター兼デートの誘いでしょう。私にはそれ以外には見えないのですが、美奈子さんにはこれが別のものに見えるのですか?」

 自らの言葉に皮肉で応じた男を彼女は怒りに満ちた表情で睨む。

「書かれた内容を見れば、そのようなことは小学生でもわかります。私が言っているのは、この男にどのような意図があるのかということです。それ以上つまらぬことを口にしたら殺しますよ。鮎原」

 ふたりの口論の原因。

 それは彼らの主である天野川夜見子に届いた一通の手紙だった。

 そして、その問題の恋文は内容だけをいえば、四十歳手前の男が一目ぼれした女性に対する熱烈なラブコールを綴ったものであり、嘲りを込めて笑われ、その後ゴミ箱に直行する類のものであった。

 だが、実際にはどうかといえば、それは笑われるどころか口論の火種となっていたわけである。

 それはなぜか?

 言うまでもない。

 問題となっていたのは、歯が浮くような言葉が延々と続くその恋文そのものではなく、その送り主だったからである。

 そして、その送り主が誰かといえば……。

 桐花武臣。

 先日彼女が会談した彼女の雇い主立花家とはライバル関係にある桐花家の当主であるあの男だった。


 その三日前、つまり蒐書官による九尾家襲撃がおこなわれていた日。

 間接的にそれに関わった被害者九尾司が属する一族の長であるその男は一通の書をしたためていた。

「これは?」

 不審に思った補佐役の執事が訊ねると、男はニヤリと笑う。

「ラブレターだ。ほら」

 そう言って男が執事にそれを差し出してから数分後。

「……これは何ですか?しかも、天野川夜見子というのはあの女と同じ名前ではありませんか?」

 二度にわたって読み直した執事が思わず発した言葉は、まさに数日後に相手の側近が口にしたものと同じものだった。

「一応言っておくが……」

 執事の反応を予想していた男は少しだけ黒さが加わった笑みを浮かべる。

「同じ名前の人物ではなく、同一人物だ」

「……つまり、これはあの天野川夜見子に対する恋文ということですか?」

「事実だけをいえばそうなるな」

「……ご冗談を」

 絞り出すようにその言葉を口にした執事。

 それはまさに当然の反応だといえる。

 なにしろ彼が仕える男の一族と恋文の相手である天野川夜見子が所属する組織を支配する一族は明確ではないものの、対立関係にある。

 その一方の頂点に立つ者が敵方に属する者に恋文を出すなど彼でなくてもありえないと考えるであろう。

 もちろん、執事の反応は男にとっても当然とまではいえなくても必然とはいえるものであり、抜かりないその男がそれに対する準備を怠っているはずもなく、さっそく用意されたその言葉を口にする。

「さして驚くべきことではないだろう」

「とおっしゃいますと?」

「いずれ私も結婚しなければならない。その相手があの一族に属する者ということはそれほど悪い話ではないと言っている」

「そうでしょうか?私にはそう思えませんが」

「よく考えろ。これによって我が一族はさらに強化されることになり、結果的に我々に利益をもたらす。これを良いことではないのなら何を良いことだというのだ」

「なるほど。つまり、あの女と付き合いたいという言葉は純粋な恋愛感情からのものではわけでなく、あくまで桐花家当主としての責務を果たすためであるということですか?」

「当然だ。そして、これが実現すればあの女の財産は私のものと同じ。すなわちくれてやった『枕草子』も取り返したことになるうえに、やつらを飲み込む足がかりもできる」

「それはすばらしい。ですが、その論理でいけば、逆も成り立つことになりますが」

「心配するな。それはない」

 男は自信たっぷりにそう言い放った。

 だが、男との長い付き合いである執事は男が隠している感情を読み解き、それを確かめるために小さく咳払いをするとある提案をする。

「そういう目的であれば結婚相手は配下の者などではなく次期当主とすべきでしょう。その方が桐花家は遥かに大きな利益を得られます」


 ……やはり、そうなるか。


 言葉にしながら自身もそれに気づいていた彼は心の中で大きな舌打ちをした。

 確かに自分が口にした言葉が本当ならば執事の言葉は正しい。

 悪くないと言いたいところだったが、それには色々と問題があった。

 彼はそのうち彼自身の名誉にとってもっとも問題になるあのことを口にした。

「一応確認するが、立花家の次期当主というのは、もしかしなくても……」

「立花博子。現当主の孫娘です」

「……本気か?」

「本気です」

「おまえは私を変態に仕立て上げるつもりか?」

 そう。

 冷や汗をかきながら薄ら笑いを浮かべる男はもう少しで四十歳に届く年齢である。

 一方の執事が口にした立花家次期当主とは三年前に父親を飛び越して次期当主に指名されたことから歴代当主を遥かに超える驚くべき能力を持つと噂されているだけはなく、その外見も中身と同じくらいに年齢不相応に成熟している少女のことである。

 とはいえ、実年齢は十五歳。

 当然ながら執事の言葉を実行に移し男が立花家次期当主にその恋文を差し出すことになれば、敵陣営からロリコン認定された男は憎悪の対象から嘲笑され卑下される存在に格下げされることは避けられず、それを回避したい男が焦るのは当然といえば当然のことである。

 だが、執事の言葉は止まらない。

「これもすべて桐花家のためであり、当主の務めです」

 笑いを押し殺すように口にしたそれに男は観念した。

 そして、この執事の前以外では絶対に見せない項垂れた哀れな姿のままでそれを口にする。

「……わかった。私が悪かった。言い直す。彼女とつきあいたいと思ったのはあくまで気に入ったからだ。我が一族の繁栄はまったく関係ない」

 主人の照れ隠しを見事に看破した執事は笑顔を浮かべるが、それはほんの一瞬のことであり、すぐにいつもの堅苦しい表情に戻る。

「……結構です。それで、彼女のどの辺が気に入ったのかをお伺いしてよろしいですか?」

「かわいく見えなかったか?」

「標準以上の美人ではあります。ですが、私の目には最高に甘く評価しても上の中というところにしか見えませんでした。今までお話があった方には彼女より美しい方は数多くいました」

「かもしれない。だが、全然響かなかった。外見を除けば家柄と財産だけが取り柄の女には興味を持てない」

「中身が重要だということですね。では、『枕草子』の鑑定に来た北浦女史などはいかがですか?彼女は天野川夜見子嬢よりも女性の魅力という点ですべてが上であり博識。そのうえ年齢も武臣様に近いように見えました。しかも、部外者。いかがですか?」

「北浦?……あれか」

 執事が口にしたその名を聞いた男は表情を顰める。

 もちろん彼は知っている。

 彼女が何者であるかということを。

 そして、この執事のすすめによって彼女を招いたことがきっかけとなって「枕草子」が奪われたことも。

 だが、彼の小さな気配りによってそれを知らされていなかった執事は主の表情を見て大いなる勘違いを犯す。

「彼女は薹が立ちすぎていると武臣様は言いたいのですか?」

 確かにその女はアラフォーといえる年齢ではある。

 だが、その言葉は北浦美奈子本人がそれを聞いたら無礼者という言葉とともに即刻処刑されるくらいに大変失礼なものでもあったため、男は少しだけ苦笑いを浮かべたものの、この話題から彼女を遠ざけるには都合がいい理由でもあった。

「あ、ああ。そうだな。そのとおりだ。できればもう少し若いほうがいい。も、もちろん若すぎるのも問題だが……」

 先ほどのダメージが残りしどろもどろになりながらも、これ幸いとばかりに彼は大きく頷き、執事の勘違いは続行される。

「なるほど。たしかにそのとおりですね。ということは天野川夜見子嬢はすべての点で武臣様の理想ということなのですか?」

 窮地を脱した彼は安堵するように再び頷く。

「そういうことだ。それに敵地にひとりで乗り込んできて、堂々と自らの主張を述べ、要求する。あれだけでもすばらしい女性だとは思わないか。なにしろどこかの国の宰相など私と目が合ったとたんに泣きながら土下座をしたのだぞ」

「金儲けのために今の座に就いた牟田口首相と比べられるのは彼女にとってはさぞ不本意でしょう。ですが、彼女がそれをおこなえたのは立花家という後ろ盾があるからだと思いますが」

「それでもだ。それに……」

 男は冷めたコーヒーを口に含む。

「見ただろう。我が屋敷周辺を取り囲んだ兵の数を」

「はい」

「あれは彼女に手出ししたら我々を皆殺しにするという示威行動だった。さらにいえば、配備されていたのは彼女配下の蒐書官ではなく本家が直接抱えているエリート傭兵たちだった。しかも、最前線で指揮をとっていたのは奴の息子だ」

「つまり、あれを指示したのは立花家当主であり、それだけの価値が彼女にはあると言いたいのですか?」

「そのとおり。あの能力主義者があれだけ大事にするのだ。奴がそれだけ執着する彼女の能力を見たいではないか」

「なるほど。とにかく武臣様の気持ちはわかりました。まあ、あとは相手の気持ちということになりますが、残念ながらそれについては厳しいと言わざるをえません」

「……そうだな。だが、歩み出さなければ何も始まらない。この手紙を立花家当主に届けてくれ」

「本人ではなく当主に、ですか?」

「さすがに相手のことを考えたら、面倒でもそうせざるを得ない。頼む」


 そして、その翌日。

 とても都心にあるとは思えない木々に覆われた広大な敷地に建つ黒レンガ造りの洋館。

 その日の深夜、千葉からやってきたその少女が招かれたのは、彼女の祖父と父が待つ小さな応接間だった。

 そこはその一族が重要な打ち合わせにするときに使用する特別な部屋だった。

「悪いな。博子。どうしても相談したいことがあったもので呼び出してしまった」

 彼女の祖父の謝罪に少女は笑顔で応える。

「構いません。それで、深夜に呼び出すその急用とは?」

「これだ」

 祖父が少女に差し出したのは、例の恋文だった。

「どう思う?」

 祖父にあたる男から手渡されたその手紙を眺めた少女は軽く微笑む。

「他人へのラブレターを本人よりも先に盗み見るというのは背徳感があってぞくぞくします」

「だが、相手もそのつもりだから本人に直接ではなく我々に届けたのだろう。それで、中身については?」

「年齢を考えなければ名文です。加えて達筆でもあります」

「親父が聞いているのはそこではない」

 少女の答えに男のひとりが声を荒立てるが、一番の年長者がそれを制する。

「博子もそれくらいわかっている。それでそちらについてはどう思う?」

 続いて口にした老人の問いに少女は幼さが残るその顔に少しだけ思案をする表情を浮かべる。

「ちなみに、当主様たちはどう思っていらっしゃるのですか?」

「言うまでもない。罠だ」

 彼女の問いにまず答えたのは彼女の父親にあたる男だった。

「罠?」

「罠というか、夜見子を取り込み橘花に楔を打ち込み、最終的には立花家を飲み込むつもりなのだろう」

「そうでしょうか」

 この国の最高学府出身者とは思えぬ武闘派という肩書を持つ先ほどの男の言葉に少女ははっきりとわかる疑問の言葉を口にする。

「そう言うところを見ると、おまえは別の考えを持っているということか?」

「はい。ここでハッキリ言えるのは桐花武臣が自らの権力強化のために先生に近づいたのではないということです」

 つまり、それは父の言葉をすべて否定するということである。

「なぜ、そこまで言い切れる?」

「本当にそのつもりなら、彼のターゲットは先生ではなく別の人物になったはずですから」

「別の人物?誰だ?それは」

「私です」

「おまえ?」

「そうです。噂によれば桐花武臣は稀代のマキャベリストとのことです。その彼が恋愛感情ではなくあくまで立花家を乗っ取るつもりで交際を申し込むならば、その相手は次期当主である私以外にないということです」

「……なるほど」

 少女の言葉は正確に的を射ていた。

 だが、その正確な指摘はすぐに別の方向に悪影響を及ぼすことになった。

 その言葉とともに少女の父親にあたる男の纏う空気が一変したのだ。

「……殺す。もちろんただ殺すのではない。一枚ずつ爪を剥ぎ、目玉に濃硫酸を垂らし、最後に熱したコンクリートを喉から流し込み痛覚の極限まで痛みを伴った殺し方をしてやる」

「落ち着かんか。奴は何も言っておらん。博子、続けろ」

 その場で一番の年長者は自らの遺伝子を孫に届けた男の娘に対する異常なくらいの溺愛ぶりに苦笑しながら少女に言葉を続けるように促し、同じく苦笑いを浮かべる少女はそれに従う。

「さらに言えば、たとえターゲットを先生に絞ったとしても、彼が立花家に食い込むためにそのようなことを考えていたのなら、不合理な点があります」

「どういうことだ?」

「用意周到なマキャベリストがそのつもりであるのならば、その言葉によって会話した相手を自らの意向に従わせるかの者の能力『神の見えざる手』を使い先生を操っていたはずですし、たとえ重武装の兵に囲まれていたためにその能力を使うことができなくても『枕草子』の一件を持ち出したときにその件を主題として話したはずです。それを拒否される可能性が高くなるミッションが終わってから、しかもこのような形でおこなうというのはどう考えてもおかしいではありませんか。ですから、今回の件は単純に彼が会談した先生を気に入ったからと思ったほうがいいのではないでしょうか?」

「一理ある。だが、そうであっても、やはりあの男が恋愛感情に流されるなどあり得ん」

「あり得んのは、おまえの馬鹿さ加減だ。これだけでも、単細胞のおまえと私が次期当主に指名した博子の頭の構造が違うのはあきらかだな」

「つまり、親父も博子と同じ考えなのか?」

「当然だ。もちろん立花家を乗っ取りたいという気持ちはゼロではないだろうが、今回の恋文の主成分はそれではないと私も考える。理由は博子が言ったとおりだ」

 それでも怒りが収まらない男だったが、ふたりと自分の洞察力の差が大きいことは承知している。

 自らを落ち着かせるように大きく息を吐きだすとソファにもたれ込む。

「わかった。ふたりがそう言うのならそうなのだろう。それで、どうする?後腐れがないようにここでこれを焼き払うか?」

「いや。ことが男女の恋愛ということであれば、相手が誰であろうとこの件は夜見子本人に任せるべきだと私は思うのだが、博子はどう思う?」

「私も同じ意見です。それにしても……」

 言葉を切った少女が思い浮かべたのは、ある有名な悲劇のことだった。

「敵同士の恋物語。そのようなことが本当にあるのですね。素敵です。もっとも、こちらの場合は片想いで終わりそうですが……」


「当主様。そうは言っても何事も可能性はゼロではありません。私自身の目で確かめておきたいのでその手紙を届ける役を私に命じてください」

「確かめる?……それについてはすでに鮎原から問題なしと報告が上がっているが」

「念のためです」

「……承知した。では、万が一のときに処理をおこなう際のサポート役として由紀子を連れていけ」


 話を最初の場面に戻そう。

 自らその役を買って出た次期当主によってもたらされた問題のラブレターへの返答は当然のごとく「NO」で決着したのだが、終わったはずのその話に新たな波紋を起こしたのは、少女の護衛役も務める少女が通う高校の体育教師のひとことだった。

「ところで、夜見子。あなたに恥ずかしいラブレターを送りつけたその桐花武臣とやらは、どんな男だったの?」

 それはあきらかに男を品定めする意味が込められた言葉だった。

「はあ?」

 あまりにもその場の雰囲気に相応しくない問いに、間の抜けた声を上げた彼女だけではなく少女を除く者すべてが少しだけ顔を顰める。

 だが、その女性がこの程度の視線で臆するはずもなく、より直接的な表現に変えた言葉で再び彼女に問う。

「引きこもって本ばかり読んでいる魅力度ゼロのあなたに恋心を抱く四十男とはどのような輩なのか女性としてのまともな感性を持つ私が興味を持つのは当然でしょう。それで、どうなの?あなたの目にはいい男に見えたの?その桐花武臣は」

「う~ん」

 問い詰められるように訊ねられた彼女は唸る以外になかった。

 確かに客観的に見れば、とても四十歳目前とは思えぬ若々しさに知性と教養を身に着けた彼は魅力的な男に違いない。

 だが、それはあくまで彼が持つ肩書を除いた場合の話だ。

 彼はどこまでも彼女が所属する組織の対極にある存在。

 そのような男に高評価を与えたくはない。

 そもそも彼女は異性というものに興味がないので、自らが下したその評価が本当に正しいものかがわからない。


 ……だから、思ったままのことを口にして由紀子に笑われ、さらに晶を含めた次の食事会で酒の肴として面白おかしく語られるのは間違いない。

 ……そのようなことは御免被る。

 だが、相手が相手だけに無難なだけが取り柄のお茶の濁すようなコメントをしてこの窮地が脱せられるはずがない。

 ……さて、どうしたものか?

 ……そうだ。


 この部屋にいる十歳以上若い彼女の唯一の恋愛対象者にちらりと目をやってから彼女はおもむろに口を開く。

「……そういえば、美奈子も彼に会っているわね。あなたはどう思う?」

 彼女の選択。

 それは見事なまでも丸投げである。

 ……これでなんとか逃げ切れる。

 だが、彼女のその考えは甘かった。

「あのような俗物など評価するにも値しません。そもそもあれは男ではありませんか。私に男について聞かれたら答えはひとつしかありません。くだらぬ生き物。それだけです」

 きっぱりと言い放ってから、女はこの部屋で唯一の男に冷たい視線を向ける。

 そう。

 その女北浦美奈子は自他とも認める彼女と同じ側の人間であり、さらにその熱い視線が自らの主に向けられていることも多くの者が知るところであった。

「……そうだったわね。あなたにこのようなことを訊ねた私が馬鹿だった」

 苦し紛れとはいえ助け船を求めた相手にも見捨てられた彼女はいよいよ追い詰められる。

「……では、私もお嬢様一筋なので……」

「二番煎じなど聞きたくはない。却下だ」


 そして、その二日後。

 桐花家に届けられた彼女の返信にはこう書かれていた。


「桐花武臣。あなたが私に不幸の手紙を送りつけたばかりに私はたいへんひどい目に遭いました。この恨みは絶対に忘れません」

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