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プロローグ

東京都千代田区神田神保町。

ここには世界一とも言われる古書店街がある。

その一角に十年前に突然現れたその建物。

窓が極端に少ないことを除けばごくありふれた建物に見えるそれだが、実はある目的のためだけに特別に設えたものである。

その目的。

それは本の収納。

そして、この建物の主が天野川夜見子。


天野川夜見子。

彼女が暮らすこの建物を埋め尽くしている本が二千万冊とも三千万冊とも言われる彼女の蔵書のほんのわずかであるという有名なビブリオフィリアである。


彼女が使う膨大な本の購入資金は、古今東西あらゆる言語を読み解ける彼女の異才に目をつけスポンサーとなった橘花グループのオーナーで世界を闇から支配する四大氏族のひとつ立花家から得ているものである。


だが、たとえどれだけ潤沢な資金があろうとも、それだけでは他人の本棚にある貴重な本が手に入るわけではない。


しかし、彼女にはその手段があった。


日本人のごく一部だけ手にする「触れたもののつくられた年代がわかる」という異能の持ち主であり、天野川夜見子の望むものを手に入れるために粘り強くそれをおこなう優秀な交渉人。

一方でどのような好条件を提示しても首を縦に振らない蔵書家はためらいなく殺して目的の本を強奪するという裏の顔を持つ人間。

それが彼女の持つ手段。

蒐書官なのである。


「……私には世界中から本を集め、それを読むという崇高な使命があるのです。そして、そのために日夜命がけで働いている者たち。それが蒐書官なのです」

                               天野川夜見子

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