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Let's God ~シキガミ・オンライン~  作者: 外海響絶(げかいきょうぜつ)
7/8

ランキング上げは鬼神と共に

Let's God


 「龍神剣!」

 オーラを纏い巨大化した剣がボスモンスター『ゴールデンシープ』の体を両断した。たった一撃の攻撃しか与えていないはずなのにゴールデンシープはそのまま光の粒子となり消えていく。

 「やっぱり龍神剣の火力はチートだな」

 どうして俺がボスモンスターと対戦しているかというとその理由は十日前のある出来事がきっかけだった……。


 ****


 「運営からプレイヤーランキングが発表されたぞ」

 ゴールデンシープと戦う十日前、俺は雷鬼の家でシキガミ・オンラインの運営から発表されるプレイヤーランキングを確認していた。

 プレイヤーランキングはそれまでの間に討伐したモンスターやPK数によってポイントが与えられることで判断され、モンスターのポイントは討伐した敵によって与えられるポイントが変わってくる。

 「一位はやっぱりクラスアッププレイヤーか」

 クラスアッププレイヤー、それはこのゲームの中でも絶対的な力を持っているといっていいプレイヤーのことだ。

 自分だけが短期間の間にクラスアップしたと思っていたが、それは勘違いで正式リリース当日に入っていた天叢雲剣はベータテストで既にクラスアップしていたプレイヤーへのサプライズらしい。

 「公式もサプライズをもう少し早く言ってくれればいいのに」

 「驚かせたかったんだろプレイヤーのことを。それにお前ほどの運がない限りは初日から神器があってもクラスアップ出来ないから発表しなかったんだと思うぞ」

 それもそうだ。プレイヤーを驚かせたいなら運営の発表は少し遅いくらいが丁度いい。初日からクラスアップすらプレイヤーがいるなんて考えるはずもない。

 「でも剣十はクラスアップしてるくせにランキングトップテンに入ってないんだな」

 「それは……色々あって」

 テストで赤点を取ったせいでゲーム禁止になっていたなんて恥ずかしくて絶対に言えない。

 「それで残りの順位はどうなってるんだよ」

 「トップテンのうち四人がクラスアッププレイヤー、残りは普通のシキガミプレイヤーだ」

 クラスアップを今の時点でしているプレイヤーは俺も含めて六人のはずだ。という事は俺以外にもトップテンを逃したクラスアッププレイヤーがいるのか。

 「ちなみに二位はシキガミプレイヤーだ。プレイヤーネームは非公開みたいだな」

 プレイヤーネームがランキングで非公開になるのはPK数が多いプレイヤーだけのはずだ。つまりこのプレイヤーはシキガミプレイヤーでありながらクラスアッププレイヤーを超えるだけのPKをしたということか。

 「PKプレイヤーか、あんまり好きじゃないな」

 「俺はゲームの中でPKするのは別に良いと思うけど、それもある意味一つのゲームの楽しみ方だし」

 雷鬼の言うことにも一理あるが俺はそう思うことが出来ない。

 「ゲームの中だからこそ守るべきルールがあると俺は思う。それこそ人が必死で育てたシキガミをキルするなんて……」

 沈黙が部屋の中を包み込む。しばらくの間にその状態が続くと不意に雷鬼が口を開いた。

 「じゃあ剣十は俺がPKしてたらどうする?」

 「場合によるけど基本的には止めるよ。俺はPKを見過ごすような事はしない」

 「そうか」

 雷鬼は顔を下に向ける。その表情はどこか儚げに見える。

 「そろそろゲームしようぜ」

 「そうだな」

 そう言うと俺たちはヘッドギアを頭にはめてゲームを開始した。


 ****


 そんなわけでプレイヤーランキングトップテンに入るためボスモンスターを狩りまくっているわけだが、この調子でいけば次回のランキング発表には間に合いそうだ。

 「次はここのボスを倒しに行くか」

 俺はマップを表示して次の目的地を決めると龍殺の衣を装備して空を飛ぶ。歩くのより格段に移動することが出来るので目的の場所にはすぐに着いた。

 「それじゃあ狩って来ますかね」

 鬼の巣窟と呼ばれる洞穴に足を踏み入れる。中に入るとすぐに鬼のモンスターがやって来るがあまり強くないのでHPをわざと減らして龍神化する必要も無さそうだ。

 その調子で進んでいくと今までよりもデカい鬼のモンスターが現れた。風貌から考えるにコイツがここのボスモンスターなのだろう。

 デカい図体に巨大な棍棒から素早さはないのだろう。これならスピードで翻弄すればいける。

 素早く動き回り俺はボスモンスターを翻弄する。棍棒で攻撃をしてくるが遅いのでなんと言う事はない。

 「ブレイドスラッシュ」

 下級のソード系スキルではあるが天叢雲剣を装備しているので威力は上級スキルと遜色がない。

 ボスのHPが残り少なくなり勝負を決めるため俺はスキル《龍の祈り》を使って自分のHPを一割まで落とす。

 それにより龍神化が発動した俺は龍神剣でトドメを刺そうとするが鬼のボスモンスターの体が変化していくことに気づいた俺は距離を取る。

 ウィンドウが開いてメッセージが表示される。


 『敵モンスターのスキルが発動しました。

  スキル名 《鬼神化》         』


 「嘘だろ……」

 洞窟の中には俺の驚きによる小さな感嘆の声と鬼神化したボスモンスターの声が響き渡っていた。


《龍の祈り》

HPを一割まで減らす。

攻撃力が上昇する。

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