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Let's God ~シキガミ・オンライン~  作者: 外海響絶(げかいきょうぜつ)
5/8

最終決戦とクラスアップ

Let's God


 「ドラゴブレード!」

 「ガルワァァァァ!」

 天叢雲剣の刃がヤマタノオロチの体を切り裂く、三つあるHPバーはやっと一つが削り切れたところだ。

 「ヤマタノオロチ硬すぎだろ。一時間はずっと攻撃してるぞ」

 ヤマタノオロチは思っていた以上に防御力が高く、様々な称号とスキルを使っているにも関わらず攻撃は中々通らない。

 するとHPバーを一つ削ったからだろうか、さっきまで体当たりと光線を撃ってくるだけだったヤマタノオロチの攻撃パターンが突然変わった。

 八つの首が次々と俺に襲い掛かってくる。龍神化のスキルによる飛行と紙一重の回避でなんとか攻撃をかわしているがそれもしばらくしたら限界が来そうだ。

 「何かいい攻撃は……」

 俺はスキルの一覧を開くと龍神化によって使用が可能になっているスキルを確認していく。

 「あった、これならHPを大量に削れるかもしれない」

 一つのスキルが俺の目に止まった。

 

 《龍神剣 絶大な威力を持つソード系スキル

      龍系モンスターダメージ超上昇  》


 スキルを出そうとするが攻撃の激しさのせいで中々、攻撃に転じることが出来ない。長時間の間、極限状態を保ちながら戦っているので集中力はそろそろ限界だ。

 「龍神の威圧!」

 ヤマタノオロチに対して効果があるかは分からないが一か八かでスキルを発動するとヤマタノオロチはスタン状態に入った。

 最初で最後のチャンス、これを逃したら次に《龍神の威圧》が使えるまでは時間がかかってしまう。

 「龍神剣!」

 剣を天へと掲げると光のオーラが刃を包み込んだ。剣先の長さはオーラによって二メートル程まで伸びている。これじゃあもはやデカ過ぎる大剣だ。

 剣を片手から両手に持ち帰ると思いっきり振り落とした。光の刃は勢いよくヤマタノオロチの体を切り裂いて行く。

 「うおりゃぁぁぁぁ」

 そして遂に光の刃はヤマタノオロチの体を二つに両断した。両断されたヤマタノオロチの体からは血に見立てた赤色のライトエフェクトが発生している。

 「これで俺の勝ちか……」

 背中に生えた羽をゆっくりと羽ばたかせ俺は地上へと戻った。最大まで集中していたせいでゲームの中なのに体がクタクタだ。

 しばらくすると両断されたまま転がっていたヤマタノオロチの巨体は光の粒となって消えていった。

 あんなに強かったにしては最後はあまりにも呆気なく終わったものだ。

 「それにしても龍神剣の威力……これ、もはやチートなんじゃ」

 一時間かけてもHPバーを一つしか削れなかったというのに龍神剣だけで残りのHPを全て削り切れたのはチートだとしか言いようがない。

 そんなことを考えながら待っていたが中々クエストクリアのウィンドウが表示されない。

 「バグってんのかな?」

 確認のためにヤマタノオロチが消えた場所を見てみるとそこにはいつの間にか宝箱が現れていた。

 「何が入ってるんだ」

 俺は恐る恐る宝箱を開けていく。どうか宝箱型のモンスターじゃあ、ありませんように。

 宝箱を開けるとウィンドウが新しく表示された。

 

 『クエストクリア

  報酬 神器[天叢雲剣]のクラスアップの解放

        龍の卵・龍の勾玉・龍殺の衣  』


 「色々手に入ったな。それにクラスアップの解放まで」

 これでスサノオへの解放が可能になった。俺はすぐにでもクラスアップをしようとしたがウィンドウを閉じるとまた次のウィンドウが表示された。


 『称号 龍を殺し神を獲得しました』


 称号の能力が気になりはしたがそれ以上にクラスアップがしたい俺はウィンドウを連打して表示を消す。そして新しくウィンドウが表示されなくなると俺はクラスアップ用のウィンドウを開いた。

 「これでクラスアップだ!」

 クラスアップボタンを押すとウィンドウが表示される。

 『クラスアップをしますか? クラスアップ後もシキガミクラスへのクラスダウンは可能です』


 決定を連打していく俺。ウィンドウの表示が消え、俺の体は青色の光に包まれる。

 しばらくすると光が消えクラスアップ完了のウィンドウが表示されていた。

 スサノオ専用の装備は上半身裸に少し長めの短パン、そしてさっきの報酬で手に入れた龍殺の衣だ。

 髪も青色になったし全体的に青でまとめられている。確かに神様みたいでカッコいいのだが流石に上半身裸は恥ずかしい。今度、新しい装備を作ろう。

 俺は一度、クラスアップを解き、シキガミクラスに戻ると最初の町へと戻った。リリース初日からクラスアップしたことなんて知られたら確実にチートを疑われるに決まってる。

 手ごろな金額の宿屋を見つけると俺はその中でログアウトをした。

 「あ〜、疲れた。こんなに全力でプレイしたの久しぶりだよ」

 俺はヘッドギアを外すとそこは俺の部屋ではなくて一瞬、驚いたが部屋をの中を見渡すとベッドで寝ている雷鬼(らいき)を見つけて自分が雷鬼の家でゲームをしていたことを思い出した。

 泊まりがけでプレイする予定だったので部屋の中には俺用の布団も敷いてある。どうやら俺が夢中になってプレイしている間にやってくれたらしい。

 このまま寝ようかとも思ったが俺はスマホを手に取ってシキガミ・オンラインの公式サイトを開いた。運営側の受付時間外であることを確認するとスマホを置き、ベッド布団に入った。

 「今日のことは明日、運営に連絡しよう」

 ゲームで疲れていた俺の意識はすぐに夢の中へと落ちていった。

《龍神の威圧》

対象の敵をスタン状態にする


アイテム

《龍の卵》

龍の卵、暖めると何かが起きるかもしれない

《龍の勾玉》

ヤマタノオロチの魂が眠る勾玉

《龍殺の衣》

ヤマタノオロチを倒した者に与えられる衣。スサノオ専用の装備

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