第3話:転校生
次の日――
今は3時間目の授業の最中。
この時間にあの転校生の紹介がある。
「よし、それじゃあ早速転校生を紹介する。」
気の荒そうな男の声がクラス全体に響き渡った。
この人物は「田中・修」。
ソラのクラスの担任であると同時に、理科の授業も担当している。
髪は若く見せたいのか、少し長めの黒色。
髪型も何か整髪量でもつけているような、チリチリとした髪質だった。
本人いわく「生まれつきの天然パーマ」らしい。
また、教師だというのに無類のゲーム好きでもあり、
そのせいか生徒からは「ゲーマー修」というあだ名がつけられていた。
「この二人だ。」
先生が廊下で名にやら合図をすると、クラスの中に二人の生徒が入ってきた。
「こちらが海音・瑠衣。」
「そしてこちらが朧月・冷だ。」
先生が二人の名前を紹介した後、その二人から一言挨拶があった。
「はじめまして。海音・瑠衣です。これから宜しくお願いします。」
髪型はポニーテール。
口調はとても丁寧で、何となく上品な感じがする。
「朧月・冷です。これから宜しく。」
こちらは何となく冷静沈着な感じ。
髪型は校則違反になりかねないほど長く、目もほとんど髪で隠れていた。
「それではこれで、転校生の紹介を終わる。ちなみに二人の席は……。」
「海音は蒼野の隣、冷は優の前だ。」
何とそれぞれソラの隣に海音瑠衣、優の前の席に朧月冷が来た。
(よりによって隣かー……。)
ソラは心の中でつぶやいた。
「宜しく。」
朧月冷は何故か親しげな声で話しかけてきた。
「?……あぁ、宜しくね。」
(会った事……あったっけ?)
ソラは少し疑問に思いながらも適当な返事を返した。
まさかこの転校生との出会いが……。
ソラの人生を大きく変えるとは知らず――
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