第2話:一通のメール
「転校生ね……。」
今現在夜の8時過ぎ。
ソラは一人、部屋に引きこもっていた。
「嫌な人じゃないといいけど。」
そう言うと、ソラはPCの電源を入れた。
「……明日も学校かぁ……。」
ソラにとって、学校はつまらない場所だった。
問題児から目をつけられないよう、自分の立場を作っておく。
いじめられなければそれでいい――
ソラはそんな気持ちで学校生活を送っていた。
心の底から信頼している友人も数少なく、クラスに3,4人程度だった。
「暇だし、ギターでも弾こうかな。」
ソラの趣味は作詞・作曲や、ギターの演奏など。
将来、バンドを組みたいとも思っているほどだ。
「何弾こうかな――。」
ソラがそう言いかけた瞬間――
ソラの携帯から、ほのぼのとしたゆるい楽曲が流れてきた。
「こんな時間にメール?誰だろ……。」
どうやらメールの受信音らしい、ソラはめんどくさそうに携帯を手に取った。
「……送信者が書いてない……迷惑メールか?」
ソラはそう言うと恐る恐るメールを開いた。
『あなたには、このメールが見えますか?』
そのメールにはそう書かれていた。
「何だこれ……?俺、誰かに恨み買うような事してたっけ?」
「気味悪いけど……一応とっとこ。」
ソラはそう言うと、わざわざ新しいフォルダを作りそのメールを追加した。
「明日優にでも相談してみよ。」
そう言うと、ソラは再びギターを手に取った。
この時ソラはまだ、誰かのただの悪戯だろうと思っていた。
この一通のメールが――
後々の出来事に大きく関わってくるとも知らずに――
未熟者ではありますが、感想・コメント等お待ちしています。