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煌めきの鋼鎧甲冑  作者: Arrowfield
国立第1高等軍学校 鋼鎧甲冑科
7/9

地下の格納庫

エレベーターの扉が開くと真っ先にライトに照らされた鋼鎧甲冑が現れた。

機体色は白、ヴァイサーフリューゲルだ。


「やぁ、クロミネくん」

「あ、どうも。昨日はありがとうございました」


エレベーターを降りると扉のすぐ横にインバーカー大佐が立っていた。


「あの、どうしてフリューゲルは上の格納庫では無いんですか?」

「それはね…昨日、フリューゲルの駆動系が国家機密なのはいったよね」

「はい。確か駆動系にバッテリーではなく核融合炉を使用していると…」

「そう。この機体の整備を通常の生徒などに任せる訳には行かないんだ」

「そうですか…」


当然のことだ。きっと俺に割り当てられていた2年生のラーナさんは移動になるだろう。

昨日、訓練後に土で酷く汚れてしまった機体で格納庫に戻ると彼女はとても心配してくれた。

反省文を書かされるまでは彼女と話していて、結構仲良くなれたと思っていたので、少し残念だ。


「まぁ君担当の整備科の生徒は変わらないんだけどね」


大佐がそう言うと、その後ろからラーナさんが出てきた。


「おうタクヤ!ウチがまだまだ面倒見たるわ!」

「彼女の父はこの機体の開発者の1人なんだ。凄い偶然だけど、彼の娘ならばこのまま任せていても大丈夫だよ」

「そうなんですね。ラーナさん、改めてよろしくお願いします。」

「ウチ相手に敬語はええって昨日も言ったやろ?ラーナってよんでや!」

「…じゃあ、よろしく。ラーナ」

「任せときや!」

「度々、私のところの研究員がお邪魔するかもしれないけど、ここは好きに使ってくれて構わないよ」


そう言うと大佐は軍曹と一緒にエレベーターで上がって行った。


「まさかラーナの父親がそんなに偉かったとはな」

「まぁまぁ、おかげでせっかく繋いだ縁が無駄にならなかったんやから。それより、次は訓練やろ?ちょうどええから色々教えたるわ」


ラーナはそう言うと部屋の真ん中、フリューゲルの正面にある操作盤に何かを入力する。

すると急に格納庫の床が上昇し始める。


「こっコレは…?」

「これはフリューゲル発進時の操作や。この格納庫は地下にあるから、上に上がって発進出来るんや」

「そうなのか…」


ラーナがまた操作盤をいじると格納庫の上昇が止まり、降り始める。


「ほとんどの操作がこの操作盤ひとつで出来るで。操作するにはカードキーが必要な安全設計や」


格納庫が下まで降りて停止する。


「ひとつ、タクヤにやって欲しいことがあるんや」

「何だ?」

「フリューゲルの最適化(オプティマル・セット)や」


最適化とはその鋼鎧甲冑(アーマタイト)の使用者の体格や戦法等に適した設定にする操作のことだ。

この学校にあるD仕様は最適化が出来なくなっている。

1機に多くの生徒が搭乗するからだが、フリューゲルは実戦用兵器も装備可能な機体だ。

更に、通常の機体と仕様目的も違うため最適化は必須と言っていいだろう。


「分かった。今すぐやる」

「よっしゃほなやろか」


ラーナが操作盤からフリューゲルを装着状態へと移行する。

ライトに照らされ白く煌めく装甲が開き、装着できるようになる。

俺は早速鋼鎧繊維戦闘着(アダマン・スーツ)を着てフリューゲルへと乗り込む。

タイタン級よりも大きいため、飛び込むように乗り込むとすぐにスキャンが始まる。

青い光のラインが体をスキャンし、し終えると装甲が降りる。


『最適化シークエンス進行中…装着者の体型との最適化完了』


機体が隙間なく俺の体に密着する。


『装着者の操作ラグの改善…完了』


シンギュラー級はユニットが一つ一つ大きいため操作にラグが出てしまう。それができる限り小さくなった。


音声指令(ボイス・コマンド)の装着者の音声及び虹彩の設定シークエンスに移行』

『装着者に要請:音声の入力』


装着者の声と虹彩を読み取るのはセキュリティのためだ。これを行うと本人以外は装着出来なくなる。


「あー」


『音声と虹彩の登録完了』


『当機は今時を以てタクヤ・クロミネ専用機となる』

『最適化シークエンス完了』




最適化シークエンスが終わる頃には昼休みが終わっていた。

昼からは校庭で鋼鎧甲冑の訓練だ。

俺はラーナに機体の拡声機能を使って呼び掛ける。


『ラーナ!そろそろ時間だ!発信の準備を!』

「分かった!今する!」


ラーナは大声で返事をすると操作盤に発進コマンドを入力する。

すると格納庫の床が上昇し始める。

1番上と思しき場所まで上昇すると床が止まり、ライトが全て消灯し、真っ暗になる。

天井が横にスライドして開きそこから眩い太陽の光が差し込む。


指令(コマンド):発進(テイク・オフ)

『指令:発進を受諾 発進します』


俺は高速で光に飛び込んだ。

今回も読んでくださってありがとうございます!

白い六角柱です!

主人公専用機にタクヤくんが乗りましたね!

まだ操作はしていないですが、次回は思いっきりフリューゲルの話にしたいですね!

また、地下の格納庫に隠すほどの国家機密の動力炉…本当に安全なのでしょうか?

おっと、話し過ぎました。まぁこの設定は忘れた頃に出てきます。

では!次回も読んで頂けると幸いです。ありがとうございました。

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