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煌めきの鋼鎧甲冑  作者: Arrowfield
国立第1高等軍学校 鋼鎧甲冑科
3/9

格納庫

エリス、ミリシアと歩いてしばらくすると格納庫に着いた。

入学式当日というのもあり整備はしておらず、人もいなかった。


「勝手に入っていいのかな?」

「機体に乗るのは1人では出来ませんし、良いと思います」


その言葉に促され、中へ中へと入っていく。


「見てくださいあれが訓練仕様の鋼鎧甲冑(アーマタイト)、タイタン級P型D仕様です」


そう言って黄色い機体を指さす。

タイタン級はサンラクト共和国では主流の小型の鋼鎧甲冑だ。

特にP型は近距離戦に特化し、白兵戦用の超振動ブレードやエネルギー刃大型刀や近-中距離用の小型砲弾で高レートな電磁投射砲(レールガン)を装備している。

超高速機動が可能だが、鋼鎧装甲(アダマンタイト)が薄く、1発でも被弾すると危険である。


そのタイタン級の隣にはシンギュラー級がある。こちらは中型の 大きさでシンギュラー級M型D仕様だ。

小型のタイタン級と大型のアント級の中間に位置している。

基本性能も中間くらいで、目立ったものは無いが汎用性が高くバリエーションが多い。

武器も多彩であるが、使う者は他と比べて少ない。


さらに奥にあるアント級UL型D仕様は厚いアダマンタイト装甲と高威力大型砲弾の長-超長距離用の電磁投射砲を装備している。

しかし鈍足で低出力。最前線に出ることが少ないため、重装甲にする意味があるかどうが議論されているが、撤退時や非常時を考えて低速なるアント級は重装甲になっている。


この3種がメインの機体であり、よく運用される。


タイタン級のみ飛行が可能であり、高速移動時のみ戦闘機形態へと可変可能なのだ。

なのでタイタン級は志願者も多く人気の機体なのだった。




全ての機体を見終えると、格納庫を出て食堂へ向かった。

食堂はとても空いていて、料理が出てくるのは早かった。

俺は焼き魚と白米、エリスはサンドイッチ、ミリシアはパスタを注文し、出てきた料理を持って席に着いた。


「すごく早く出てきたし、それに美味しそうだね!」


とエリスは子供のようにはしゃぐ。


「寮の時間まであと30分もないから、急いだ方がいいな」


格納庫には1時間強もいてしまい、時間が無い。


「じゃあ頂きましょう」


ミリシアがそう言うと俺は最初に味噌汁から口を付ける。


ずず………


「!」


俺の両親が生きていた頃はよくイザナギの料理を食べたが、これは美味い。

母の味噌汁とはまた違う美味しさがある。安定した美味しさだ。


「タクヤはイザナギ食が好きなの?」

「好きというか、俺の家がイザナギの血筋なんだ」

「だから珍しい名前でしたのね」


イザナギの人は苗字を先に持ってくるのだという。すると俺の名前はクロミネ・タクヤとなるのだが、残念だがイザナギ語が分からないからタクヤというのが何に由来しているのかは分からない。


「イザナギは料理が美味しいと聞きますよね。サンラクトはそんなに有名な料理はないですからね…」

「食堂にもあるくらいだからね!少しちょうだい?」

「別にいいが…」


さっきからエリスは馴れ馴れしくないか?

別に悪い気はしないが…


「なら私も頂いてもよろしいですか?良ければパスタをどうぞ」


こういう所で俺の食べる量を気にしてくれるミリシアは優しいな。エリスは気にせず人のをバクバク食べてるのに。


「いいよ。ありがとう」


こうして話しながらも急いで食べたのだった。




食事を終えて寮に向かうと既に何百人も集まっていた。


「ギリギリ間に合ったみたいだね!」

「ああ、相当危なかったけどな」


食堂からはそう遠くないところに寮があって助かった。正直間に合わないと思っていたからだ。

軍学校であるこの学校は高校に近い形を取っているものの、何を言われるかはわからない。特に時間にうるさいのは当たり前だ。


「諸君、よく来たな!第1高等軍学校の学生寮へ!私はこの寮の管理を任されているサーリ・オライグ、曹長だ。よろしく!」


軍服を着崩した女性が大声で話す。


「これより、部屋を発表する。喜べ、この学校は全個室。1人部屋だ!」


そう言うと掲示板に大きな用紙を貼り付けた。

出席番号の横に部屋番号が書いてある。まるで合格発表の時みたいだ。


「俺は…206号室か」

「わたしは209号室だよ!クラスで固まってるのかな」


この学校の寮は男女で別れていないため、その可能性はある。


「どうやらそのようですね。残念ですが、私はFクラスですからもっと遠い402号室でした」


少し残念そうにミリシアは言った。


「しょうがないよ、わたしの部屋に遊びに来ていいから!ね?」

「エリスさん…ありがとうございます!」


ミリシアはエリスに元気づけられると笑顔でこちらを向いて


「良ければ私の部屋にも来てくださいね!」


と言った。


「ああ、わかった」


俺もそう言って笑いかけた。


「門限は二一○○、就寝時間は二二○○、起床時間は○五三○とする。時間は厳守するように!以上、解散!」


俺とエリスは階の違うミリシアとエレベーターで別れ、部屋に向かっていた。


「綺麗だねーやっぱり」

「改築されたばかりだからな」


内装はかなり綺麗だった。ホコリひとつない廊下に、ドアは学生証とパスワードで解錠されるもので、セキュリティも万全。

悪い所といえば問答無用で室内に備え付けられた校内放送用のスピーカーだ。これで時間を通知したり、朝もたたき起こしたりする。


「ミリシアさんとはせっかく仲良くなったのに離れちゃったね」

「仕方ないな、こればっかりは。会えないわけじゃないんだから、そこまで悪いわけじゃない」


確かに部屋が離れているのは残念だが、ミリシアはミリシアでクラスの友達もいるだろうし、大丈夫だ。


「じゃあ、わたしここだから」

「おう、またな」


エリスと別れてから少し歩いて、自分の部屋に入る。


「………広いな…」


トイレとシャワーがついているとは聞いていたが、とても広い。

ベッドは備え付けられていて、クローゼットの広さも申し分ない。

俺の荷物が少ない分、さらにこの部屋が広く感じた。

まだ15時だが、やることも無い。


俺は夕飯まで寝ることにした。

こんにちは!白い六角柱です!読んで下さり、ありがとうございます。今回は長い説明を書いてしまいました。細かい設定が好きなもので。食堂では急に2人がデレ始めてますが、ラブコメではなく戦記を目指しているので、あんまり期待しない方が良いと思います。(本人がラブコメ書けないのもありますが…)それではまた!

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