表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢物語  作者: 花井真苗
8/10

なな

 森の中には街道があるため、森に詳しい地図がある。町から半日はかかるが、森の向こうにも町があり、町を行き来するための街道だ。その地図を持って、探索を行う事になった。


「昨日はこっちから来たよね。」

「うん、猫に付いて来たから道があやふやだけど…」

「取り敢えずはこっちの方向で範囲を広げて探そうか。」


 二人は歩き始めた。


「足跡は残ってないですね。昨日は晴れてたから仕方ないか…」

 ユウは地面に向けた視線を上げて、回りを見渡した。

「もしかしたら、私がいた場所に鞄が落ちているかもしれない。鞄を目印に探してみよう?」

「わかりました。鞄を探して、鞄がある周りに何かないか見てみましょう。」


 結局、この日は鞄を見つけることが出来なかった為、次の日も探索になった。


「今日こそは、みつけるぞ!」


 ミライは意気込んで草むらに入っていく。そんなミライの後ろをユウは目印をつけながら進む。


 チリン、鈴の音がした。ミライは辺りを見回すが、何もなかった。ユウにどうしたかと聞かれて、鈴の音がしたと答えたが、ユウには聞こえていない。

 また、チリンと音がして、ミライは聞こえた方に足を向けた。茂みの奥にあの時の猫がいた。


「にゃあ」


 猫はひと泣きして、歩き出した。ミライは猫について行く。ユウはいきなり歩き出したミライを追って付いて行った。


 しばらく歩くと、少しだけ開けた場所にポツンと鞄が落ちていた。ミライは鞄の中身を確認した。誰も触った形跡はなかった。ユウも追いつき、ミライが気が付いたらいた場所ということで、周りに何かないかと探し始めた。


 ぐぅぅぅっと音がした。ミライは、咄嗟にお腹を抑えた。

「そろそろお昼の時間ですね。休憩にお昼にしましょうか。」

 ユウはそう言って、鞄からお弁当を取り出した。

 完熟目玉焼きとベーコンを挟んだサンドイッチ、コールスロー、うさぎさんりんご、そして水筒には紅茶。

「美味しそーだね!うっ、人参が入っている…」

 コールスローにオレンジ色の細く切られた野菜を見て、顔を青くするミライ。

「人参、お嫌いですか?」

「………う…だ、大丈夫、た、食べられる…よ?」

 上目遣いに聞いてくるユウにミライは数秒間を置いて、吃りながら答えた。

「刻んであるから大丈夫!問題ない、ない。」

 空回るミライを見て、次からは分からないように料理に潜ませようと思った。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ