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後日談
起きると、そこは彼の家だった。彼曰く、
「寝てたから連れてきた」だそうだ。
それから、彼は授業に行き、私は一旦、アパートに戻った。
がらんどうの部屋を見て、彼が居なければ、毎日ここへ帰ることになっていたと思うと泣きそうになった。
まぁ、利点は荷造りが楽ってとこかな。
アパートは解約し、誠と暮らし始めて数週間が経った。ななみんにはかいつまんで事情を話したが、ななみん曰く、
「幸せなら何でもいいよ」と言われた。
結婚届……は本当に出してしまった。その時の親の挨拶はまた別の機会に語ろうと思う。
「いいよねー同棲。毎日ラブラブでしょー」
「ま、まぁ」
「顔、赤くしちゃってー」
ムフフフフ、と奇妙な笑いを発し始める。
彼は家だとすぐに抱き着いてくる。たまに、うっとおしいけれど嫌いじゃない。それから、ただいまが返ってくる家はいい。
「私も、運命の人とか現れないかなー?」