10/19
誤解
「今いた人、すごくイケメンだったね」
「夏宮さんだよ」
「すごく、変わったね。そうちゃんは同じ大学だって知ってたの?」
ななみんとは同じ大学に進学した。今では気の置けない仲だ。
「いいや、偶然会ったの」
「やけに嬉しそうじゃない?やっぱり夏宮さんのことが好きじゃないの~」
会えたのは素直にうれしいけど……恋じゃない、絶対。
「だーかーら、恋愛対象じゃないって、ずっと言ってるでしょう!」
ななみんは事あるごとに夏宮さんの話を持ち出すのだ。
「あっちには相思相愛の人がいるんだから」
適当な席を見つけ、座る。一通りの説明を受け、解散となる。会場の外を覗くと人でごった返していた。
「サークルとか見ていく?」
「今日は先約があるからパス。明日じっくりみようかな」
「そっか、じゃあ私も明日にしようっと。バイバイー」