星降る夜
深夜2時、空から光が降る。
「綺麗……」
空を見上げて、アスナが呟く。迎え入れるように、空に向かって手を伸ばす。
「お還り」
その手に導かれるように、光はアスナの中へと入ってゆく。
「それで全てか」
どこからともなく、黒衣の少女が現れる。
「うん。お仕事終わりだよ」
「命を還す死神か、初めて見たよ」
少女は、死神の象徴たる漆黒の鎌を取り出して見せる。
「刈り取るのが死神だろ?」
「でも、還せるなら、そのほうがいいと思わない?」
「酔狂だな。でも、嫌いではないよ」
異質な死神は、今夜はあなたの街へ行くかも知れない。