フランドール・スカーレット
すまん…文才相手に手こずった
そして遂に登場悪魔の妹
紅魔館の地下室
私はいつもソコにいる
私が生まれてから今までの495年間
部屋の外に出たことは
能力が暴走した時以外ない
紅魔館の地下室
私はいつもソコにいる
簡単に言えば幽閉されている
寂しい…
寂しい……
寂し――
バンッ!
その日
私の運命は変わった
勢いよく開かれた扉の音と一緒に
◇
◆
◇
「………」
「………」
扉を開けた先は倉庫ではなく、普通に部屋だった
ここまでは良い
(何で子供がこの館にいるんだ!?)
部屋の中には10歳程度の少女…いや幼女か?
まぁいた
(ったくよぉー…俺は子供は苦手なんだよなぁ)
そう考えながら一は幼…もう少女で良いや
少女を見る
「…!?」
少女は見た目可愛らしい姿をしていた
しかし背中に七色に光る翼を見つけ
一は警戒する
不気味に光る七色の翼を見たあとでは
綺麗な金髪も
可愛らしい顔つきも
人の心を見透かすような真っ赤な瞳も
血のように紅いドレスも
只々不気味さを後押しするだけ
(…こいつが館の主か?)
そしてもしもの時
素早く動くため
右足を一歩分下げて
重心をやや下に落とす
その時
少女が言った
「あなたはだーれ?」
舌ったらずでなんとも気の抜ける声で言われた為
覇気が下がる
「いや、普通人に名前を聞くときは自分から名乗るんじゃねーのか?」
内心
いやそーじゃねーだろ?言いたいことは
と考えながら
少女がどう出るか待つ
「わたしはフラン、フランドール・スカーレット」
◇
◆
◇
扉が相手入ってきたのは青と白の服に黒い袴を着ている男
顔も見知っている人じゃないわ
館の者ではないと思うし
ブワッ!
(ッ…!)
男は私をじっと見たあと
一歩下がり、圧を飛ばしてくる
(威圧…いや、これは殺気…?)
自分の姉を超えるオーラに一瞬たじろぐが
「あなたはだーれ?」
男に聞く
「いや、普通人に名前を聞くときは自分から名乗るんじゃねーのか?」
と返される
成る程そういうものかと
「わたしはフラン、フランドール・スカーレット」
自分の名前を答える
すると
「あ、なんだ…お前じゃないのか」
と今までの殺気が嘘のように消える
(ふぅ…レミリアって奴じゃないのか、睨んだりして悪いことしちまったな)
一はそう考えながらフランドールと言う少女を見た
(ん?そう言えばさっきスカーレットって言ってたような?)
聞いてみることにする
「なぁ、レミリアって奴知ってるか?」
一が聞くとフランドールは少し驚いた様子で言う
「私のお姉様だけど…用事あるの?」
一はここに来た経緯を包み隠さず話した
〜説明中〜
「そんな事があったんだ〜」
と全く知らないといった感じでフランドールが聞いてくる
「うん?知らなかったのか?
お前の姉貴のやってることだぞ?」
一が聞くとフランドールは少しうつむきながら答える
「わたしは、生まれてすぐにここに幽閉されてるの
昔はお姉様もよく来てくれたんだけど
最近は咲夜やパチュリー・美鈴で……分かってるの
お姉様がわたしを構っていられる程暇がないって…
でもやっぱり…寂しい…!」
それは種族関係なしに
一人の少女の叫びだった
何度泣いたか覚えていない
寂しさに何度発狂し、暴走したかも覚えていない
「なんでお前は…幽閉なんかされてるんだ?」
一は聞いた
「私の能力が危険なんだって」
「能力?」
「『ありとあらゆる物を破壊する程度の能力』」
「?」
「それがわたしの能力、生まれつき持っている自分の力
そして…まだわたしはそれを扱いきれてない」
「大体話は読めたよ」
幼い子供には
背負うにはあまりにも重すぎる
扱えきれない異能の存在
(妹の事、自分の種族の欠点…それらの全てひっくるめてこの異変を起こすことで解決しようと考えたのか?)
一はそう推測した
あながち間違いではない
(そう言えば…ここの当主は500歳なんだろ?
だったらフランドールは何歳だ?)
ふと疑問に思ったので聞いてみることにする
「フランドール、お前って何歳だ?」
「フランで良いよ♪
それと年齢は…間違っていなければ今年で495歳になるわ」
「ふぁっ!!!?」
驚きの告白に動揺するが
持ち直し
考える
(そうか…
フランドー―…フランは495年間も幽閉されてたのか)
スッ…
ぐしゃ
「わっ!?」
手を伸ばしフランの頭をぐしゃっと撫でる
そして―
「よし!行くか」
一は簡単に身だしなみを整えるとフランに言った
「え…?」
フランは一瞬意味がわからないと言う顔をしていたが一は言い放つ
「ほら行くぞ、お前の姉貴の所へ」
まだ…
まだストーリーが駆け足だと言うのか…ッ!
クッ…!
次の話がこの異変のラストになるのか?
全てはボクの文才次第って訳か…