大騒動
よくキャラの口調がわからなくなるねん
「で、やっぱり今回の異変の元凶は紅魔館の当主
吸血鬼レミリア・スカーレットと…」
そう言って調査が終わり、武器を取りに博麗神社へ帰る途中の少女
博麗霊夢が呟く
「死者は出てないけど人里から倒れる人が続出って聞いたぜ?」
その横を箒で飛ぶのが
普通の魔法使い事
霧雨魔理沙
ちなみに二人とも空を飛行している
飛行速度は約30マイル(時速50㎞)程
「それで死人が出たら何のための知能妖怪よってなるわよ?」
「ちがいない!」
そして二人は神社の境内に着地する
「えぇっと…戦闘用お祓い棒は、あぁ…あった
そう言えば魔理沙は紅魔館に何回か忍び込んだんでしょ?
最後に紅魔館へ行ったのは何時だったっけ?
なんか変化あった?」
「んー…一週間くらい前かな?」
と魔理沙は記憶を蘇らせる
「うん、普通に大図書館から魔道書借りただけだぜ!」
ズビシッ!
と音が聞こえてきそうなサムズアップをする
「あんたの場合借りたんじゃなくて盗んだんでしょ」
「人聞きの悪いこと言うなよ!」
霊夢の魔理沙に対するツッコミをあくまで否定する魔理沙
「あ、でも変わった事と言ったら…」
と魔理沙は考え込む
「なんかあったの?」
「あぁ、そう言えば…地下にレミリアって奴以外の吸血鬼がいたな」
「レミリア以外の吸血鬼?」
紅魔館にいる吸血鬼はレミリアのみ
それが周囲の認識
又は幻想入り直後の為
調べていない人にとってはいきなり現れた館
なにも知らない人里での扱いはいきなり現れた誰もいない幽霊屋敷と言う認知になっているが
門番のいる時点で誰もいないと言うのは話が通らない
よく見てない癖に噂だけ信じる、典型的な馬鹿の証である
ちなみに紅魔館に行く必要のない霊夢は当然当主が吸血鬼なのを知っていたがレミリアと言う名前は調べて分かったし
更に吸血鬼は当主の一体だけと認識していた
要は知らなかった
「へぇ…当主以外の吸血鬼がいたのね」
「あぁ、でもちょっとだけ様子がおかしくてな」
「様子がおかしい?」
魔理沙の言葉に霊夢は疑問を覚える
「あぁ、その吸血鬼は幽閉されてるんだ」
「っ!?」
吸血鬼と言うことはレミリアと同種族
つまり身内である
普通の身内を地下に幽閉するだろうか?
(嫌な予感がするわね…)
と霊夢は先の対戦を危惧する
そしてその危惧は現実のものとなる
それは霊夢が魔理沙に何故幽閉されているか聞いたことにより
発覚するのである
「何で幽閉されているか分からないの?」
「いや、教えて貰ったぜ?
何でも能力がすげぇ危険らしいんだ
上手く使えば当主のレミリアを越える程に
でも問題はそこじゃない」
「…どういう事よ?」
「ホントに危険なのはその危ない能力を操りきれず、暴走させる所だ」
「待って、その吸血鬼の能力は?」
「『ありとあらゆる物を破壊する程度の能力』だ」
「随分物騒な名前ね…
本気で嫌な予感がするんだけど?」
霊夢はもしその吸血鬼が人里へ降りてきた時への被害を想像するが
途中で止める
「まぁ、とにかく早く行って止めるしかないわね」
「そうだな、よし!行くか」
と準備を終えた霊夢と魔理沙は異変解決へ向かう――
前に
「一〜、ちょっと異変解決に行ってくるから留守番よろし…く?」
一応いなくなることを言っておこうと霊夢は一の部屋に行ってみるが
一がいない
「どうしたんだ?」
霊夢の語尾が疑問系になっていたので
なんだと思い、出発の為に既に玄関で箒に跨がっていた魔理沙が戻ってくる
「一がいないのよ」
「なんだって!?」
ちなみに上空から降りてきたので裏庭にいないのは既にわかっている
「あいつの性格からして何も言わないで出てくこともあり得ないし…」
「……………」
「一体何処に…ん?」
「……………」
ブツブツと一の行き場所について考えている霊夢に対し
魔理沙は顔面を蒼白にして冷や汗をダラダラ流していた
「どうしたの魔理沙?」
「いや、…もしかしたらだけどさ」
「?」
「今日…調査に出る前、裏庭で素振りしてる一を見たんだがな」
「いつもの事よね?」
言いたい事が分からないと霊夢は首を傾げる
「素振りをしてる一なんだがな?
変だったんだよ」
「?」
「あの赤い霧を…凄まじい形相で睨んでたんだ」
「っ!?」
霊夢はそこで最悪な結末を考える
(もし…もし一が紅魔館に乗り込んだとしたら?
門番なら倒せるかも知れない、でも只の人間の一が戦うには限度がある
良くて満身創痍、最悪は――…)
「多分、霊夢の考えであってるはずだ…急がないと」
そう言って魔理沙は奥歯をガリッと鳴らす
「「一が殺される」」
二人はハモりながら答えを出す
しかし一つ間違いがある
それは一を只の外来人だと思い込んでいる事
故に勘違いしているのだ
一は元治安維持部隊(新撰組)で一、二を争う猛者
つまり戦闘は専門特許の他ならない
だが勘違いの抜けない二人は血相を変えながら全速力で紅魔館へ向かうのであった
その速度
凡そ60マイル(時速100㎞)
一方、心配を掛けまくっている当の本人一は
「次こそ…ボス部屋の筈だ」
地下にある大きな扉の前に立ち
ボスであるよう祈る一
(これが倉庫とかだった場合は目も当てられんな)
と考えているが
いきなりラスボスより危険なジョーカーを引こうとしてるとは夢にも思っていない
そう
ここにこそ
幽閉された悪魔の妹がいるのである
「よし!」
一は扉を勢いよく開けた
悪魔の妹へ出会うことにより
一と紅霧異変はどう変わるのか!
まて次回!