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端高の奇譚 ぷらす  作者: わたつみなん
7/10

悪い空気だぜ教室

休み明けに入った教室は窓も開けはなたれのどかな雰囲気を醸し出している。

「あぁ、HRを始める前に転校生を紹介する」

担任の声にざわざわした教室の声が急に静まる。

春なのに転校生などというのが珍しいのだ。


がらっ


教室の前扉が開いて

青ざめ半白眼のまま油の切れた機械のように入ってきた湊に皆の目に疑問符を浮かべた。

しかし、その左腕にはにこやかに笑う美少女が腕をかけ仲睦ましそうに入ってきた。

他の生徒たちの目が疑問符から怒りの目になった。


「なんだ!?」

「おい!」


怒号が飛びそうなところで担任が太い二の腕を向けて生徒に

「まぁまぁ、蓑亀くんも不安なので親戚の湊についてきてもらったそうだから…」

というと担任の腕の太さにひいたのか声のトーンが怒号はひそひそ話のレベルまでおちた。


「あの…、」


おずおずと蓑亀が正面を向くと男だらけの教室に


「ぉお!」


と感嘆の声が上がった。


わたくし、蓑亀藻子と申します。皆様、よろしくお願いいたします」


照れているのか頬を軽く高揚させた蓑亀の姿に男子がため息をもらす。


「んじゃ、席はとりあえず湊の横ってことでいいな」


担任が窓際の席をさすと蓑亀は軽く会釈をしてから湊とともに席に向かった。

席に向かう途中、花咲の手がひらひらと降られるのを見て蓑亀がにっこり笑った



「なぁなぁ、親戚ってどういう関係なんだよ」

後ろの席の七林がHR中なのでささやき声でいいながら湊をつつく。

つつかれた湊がぐらりと体をかしげた。

「!?」

湊はあわててアプリを起動した。

◎のマークの上でジャンプを繰り返すと湊の体が油圧ジャッキで持ち上げられるようにきしみながら起き上がる。

-そういやこのからだは話せるのか!?

昨日、潮の家で練習したのは起動・操作のみだったことを思い出しみなとの顔が青ざめた。

動揺が足元に来たのか鵺の四肢がぐらついてパネルの上で転んだ。

「湊!ど、どぉした!?」

七林の焦った声が聞こえてみなとが体制を立て直して自分の体を見上げると得体のしれない踊りを踊っていた。

-!

「湊様!

先生!湊様のお加減がよろしくないご様子ですので保健室にお連れしてもよろしいでしょうか」

蓑亀が立ち上がり湊の腕を引きながら人から見えないところで当身を入れた。

湊の体は糸が切れた傀儡のようにかっくりと首を垂れた。

-俺の体は大事にされてないな…

先日からの酷い扱いを思い出しながら涙をあふれさせていると蓑亀の白い手がスマホごとみなとをつかみ担任の返事を背中で聞きながら小走りで湊の体をひきずったまま教室を後にした。

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