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吸血鬼の城を強襲せよ!前編

とある城下町の酒場


「あ・・・あんなとこにいた・・・ウェイトレスさんナンパしてるのかアイツは・・・」

羽黒は艦長を見つけて近寄る。だがまわりの視線がおかしい。服と船のせいだろうと思って羽黒は気にかけなかった。

「艦長?何してるんですか?」

「おわっ!?羽黒ちゃん!?・・・脅かすなよ・・・心臓に悪いだろうが・・・」

「だから羽黒ちゃんって呼ばないでください!!」

「いいじゃねぇかよ。160ちょっとの身長しかないお前はウチの艦の妹みたいな存在だし」

「・・・もうなんでもいいですよ・・・それで艦長は性懲りもなくナンパですか?」

「おい俺のイメ-ジどうなってんだ。」

「変態オヤジ」

「・・・・・・・・・それ上司に向かって言うセリフ?」

「言うセリフです」

「うん・・・もういいや・・・てかナンパしてた訳じゃないぞ?」

「じゃぁ何してたんですか?正直に言わないと風穴ですよ?」

羽黒が笑顔で脅す。9mm拳銃に手をかけながら。

「やめてください死んでしまいます。」

「じゃぁ正直に話してくださいよ?」

「怖いなお前・・・まぁいいわ。あのな、どうもこの町は圧政が布かれてるらしいんだ。ほら、あそこに城見えるだろ?」

「ありますね。」

「んでだな、あの城の城主は相当性格悪いみたいでな。そんでほら、俺たちはタイムスリップ?したらしいじゃねぇか。」

「にわかに信じがたいですけどね・・・でも太平洋に海賊なんていないし・・・」

「これが現世でコレが映画なら何で旅客機も客船も見ないんだ?」

「・・・それは・・・そうですけど・・・」

「まぁ、とにかく話を戻すとだな。つまりタイムスリップしちまったからには補給物資が来ないわけだ。ハワイ基地があるから修理とかは何とかなるがいつかは鉄が不足

しちまうし、食料もどうなるか分からん。そこで圧政のある町を解放して協力を頼めば良いわけだ。」

艦長は大胆な案を提案する。

「でも、そんなの司令部が許します?」

「もう連絡とって許可もらった。」

「はやっ!?いつの間に!?」

「んなもんさっきトイレ行ったときにちゃちゃっとやったよ。」

「・・・昼行灯の癖に・・・」

「おい・・・」

「ナニカキコエマシタ?」

「・・・・何も聞こえてない。」

「そうですか。」

羽黒は笑顔で答えるが目が笑っていなかった。

「そういえば「はるな」と「みょうこう」が海賊の協力取り付けたみたいでな。食料の確保をしてくれるらしい。」

「うっ・・・あの子はそんなことしてるのにウチときたら・・・」

「まぁまぁ。そう言うなって。それでな・・・って何か外が騒がしいな。」

そのとき突然鎧を着た兵士が酒場に入ってきてカウンターで少年と話している少女に近づいた。

「お前を盗人の容疑で逮捕する。昨日の夜、ウチの城主の酒を倉庫から盗んだだろう。」

「えっ!?わ、私は何も盗んでない!昨日の夜はそこにマルコといっしょにいたわ!!」

「証拠があるんだ!来いっ!」

「おい!彼女を放せ!」

「ああ?なんだ貴様?おい!コイツもつれてけ!」

「離せ!離せってんだよクソッタレ!!」

兵士が二人を連れて離れていく。

「艦長・・・これマズくないですか・・・?」

「ああ、非常にマズイな。ついでに胸糞わるい。」

「ですよね・・・彼氏のほうはどうでもいいけど。」

「ああ・・・彼氏のほうはどうでも良いが少女が心配だな・・・ってオイ!お前カップルに何か恨みでもあんのか!」

「見ててイラっ☆ってしただけです。リア充死すべし・・・」

「おい心の声聞こえてるぞ。」

などと言ってると近くの女性がこっちに近づいてきた。

「ねえ・・・あんたら兵士なんでしょう?あの子たちを助けられない?お金は出せないけど・・・」

「こっちからも頼む!はやく助けないと来週には・・・」

「来週・・・何かあるんですか?」

羽黒が中年の男性に聞く。

「あそこの城主は異常なヤツで・・・一週間に一度人を殺して楽しんでいるんだ・・・いろいろな冤罪までかけられて・・・」

中年男性は重々しく話す。

「なるほど・・・艦長・・・どうしますか?」

「決まってるだろ。さっき言った作戦が開始できるいい口実だしな。」

「こういうときだけは役に立ちますね艦長は。」

「ひでぇ・・・」

「それで・・・やってるくれるのかい・・・?」

「まかせてください!」

笑顔で引き受けようとしたそのとき通信機がなる。

「ん・・・?ちょっと羽黒、話を頼む。」

「了解です。」

艦長が酒場から離れて人気のないところに行く。

「こちら有賀だ。どうした?」

何かをリズムよく叩く音はするが応答がない。

「こちら有賀だ。応答せよ。」

しかし返事がない。

「おい!返事をしろ!」

すこし何かを叩く音が大きくなる。

「・・・?モ-ルス・・・?」

よく聞くとその音はSOSを知らせるモ-ルス信号だった。

「SOS・・・何があった?」

集中して聞くと「我、捕虜となり城へ護送中。」という内容だった。

「・・・あのバカッ!」

有賀艦長は酒場に駆け込む。

「羽黒!ちょっと来い!」

「いたた!引っ張らないでください!!」

「そんなこと言ってる場合か!散開してた自衛官が捕まりやがった・・・!」

「!?ほんとですか!?」

「ああ・・・しかも一番非力な能美がな・・・」

「あの子が・・・!?」

「ふざけやがってな・・・一応拳銃は持っているが弾倉は一つしかない・・・たぶん発砲して応戦しても殺されちまう・・・」

「そんな・・・」

「ああ・・・とりあえず今晩には作戦を開始するようには提案はしてある。」

「じゃぁ早く準備を!」

「そうだな・・・もしかしたら城にレ-ザ-誘導でハ-プ-ンを撃ち込むことになるかも知れん・・・戦闘配備と伝えろ!」

「了解です!」

自衛官が捕虜となる。最悪の事態が起きてしまったが有賀が提案した作戦は今晩開始となって準備が進んでいた。海兵隊も参加する大規模な作戦であった。

「こちら那珂沢です!SH-60の発艦準備を!1800の作戦開始に間に合わせてください!!」

羽黒が無線で叫ぶ。

「ウチの艦のアイドル誘拐とか昼行灯で温厚な俺もちょっとキレたぞオイ・・・」

「艦長・・・俺もです・・・」

「よし・・・CIC要員と操舵要員以外は陸上戦闘に備えろ!海兵隊も来るが・・・アメ公なんぞに負けるなよ!陸戦には副長がついていくからな!」

「へっ・・・?えっ!?私も!?どちらかと言うと艦長が適任じゃ・・・」

「お前がいたほうが士気上がるんだよ!いいから頼むぞ!」

「・・・はい・・・」

陸戦得意じゃないんだけど!?と言う気持ちは捨て仲間の救助を頑張ろうと決めた羽黒であった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

??? ??? 馬車内 能美美穂


「「無線から艦長の呼ぶ声が聞こえる・・・でも下手にしゃべると無線を取り上げられちゃう・・・もうどうすればいいの・・・私・・・銃なんか撃てないよ・・・艦長・・・助けて・・・私が・・・私が単独行動さえしなければ・・・」」

美穂は必死に無線機の近くの壁を叩く。聞こえているかどうか不安であった。

「「お願い・・・聞こえて・・・!!」」

<<おい!羽黒!ちょっと来い!!>>

「「聞こえたの・・・?」」

<<能美がつかまったらしい・・・>>

「「良かった・・・聞こえた・・・!!」」

「おい、お前何してる。」

「ふえ・・・?な、何もしてないです!」

「ふん・・・まぁいい。どうせ城主のレオパルト様に殺されるんだからな。ちなみにお前は全身の皮を剥がれるだろうな」

「え・・・?や、ヤダ・・・!」

「いまさら逃げようたって遅いな。」

兵士はゲスい笑い方で言う。

「「そんなの・・・いやだ!死にたくない!!艦長!!」」

目を閉じて祈る。そのとき。

<<能美?聞こえるか?聞こえたら反応を示せ。壁を叩くだけでいい。「はい」なら一回「いいえ」なら二回叩け。いいな?>>

コンッ・・・一回叩く

<<よし、聞こえるようだな・・・今日の夜に城を海兵隊と共に強襲する。もしほかに捕まってる人がいたら避難誘導は任せるぞ>>

コンッ・・・また一回壁を叩く。

<<よし。城について周りに看守がいないようなら無線をかけろ。城の上空にホ-クアイを飛ばして基地局の代わりにする。いいな?くれぐれも発砲はするなよ?>>

コンッ・・・壁を自然な感じで叩く。兵士は気づいてないようだ。

<<よし。いったん無線をきるぞ。幸運を祈る>>

プツンと言う音で無線が切れると共に城が見えてきた。

「「撃つなって言われたけど・・・怖いよ・・・」」

美穂は恐怖で泣き出していた。

「おいおい、泣いたって助けはこねぇぜ?あきらめて剥製にでもなりな。お前ならいい剥製になるだろうよ。肉もうまそうだしな・・・」

「肉・・・!?剥製・・・!?や・・・やめてよ・・・!」

「うるせぇな!とっとと降りろ!!」

「いたっ!」

乱暴に下ろされ牢に向かう。

「おらっ!遅えんだよ!」

「痛いっ!やめて・・・!!」

「うるせぇ!さっさと入ってろ!!」

牢に放りこまれる。そして兵士も去っていく。

「・・・あなた旅人・・・?」

同じくらいか少し下の少女が話しかけてくる。

「わ、私は・・・仲間と来てて・・・それで・・・」

「・・・落ち着いて。」

「お、落ち着いてなんていられるわけ!!」

そのとき階段からハァハァと言う声が聞こえてきた。

「デュフフフフコポォwwwwwwwwww今日はどんな子が来たのかなぁー・・・楽しみだねぇー・・・ドゥフフフフwwwww」

キモい。臭い。デブい。たぶんこの城の城主だろうの第一印象だった。

「「なにコイツキモッ!!」」

思わず声に出そうだったが出そうものならすぐに殺されるだろう。

「おお・・・?この子可愛いなー・・・この服は見たことないな~・・・まぁ僕が興味あるのはその服のしただけどねデュフォフォフォフォフォwwwwwww」

美穂を見ながら言う。

「「キモい・・・心底キモい・・・艦長よりもキモい・・・あ、いや同等くらい?いやでも・・・頼れるとこは頼れるし・・・」」

そんなことを考えていると後ろから女の子が出てきた。

「・・・・・・お兄ちゃん・・・その笑い方・・・キモい・・・」

「フォウフフフフフwwwなにを言う妹よ」

「「妹・・・?って・・・は・・・?どう遺伝子間違えたらこうなるの!?」」

兄と違って妹のほうはとてつもない美少女だった。何をどう間違えたら兄のほうはこんな顔、体系、性格になるんだろうか。

「お兄ちゃん・・・どうせ私が遊ぶ前の人形で変なことするんでしょ?やめてよね・・・せっかくの生き血がおいしくなくなるじゃない・・・」

「そういうなレオパルト。可愛い子がいたらそういうこともしたくなるよドフフフフフwwwwwwwww」

どうも残虐なのは妹らしい。

「「生き血・・・?吸血鬼なの・・・?」」

「まぁいいわ・・・一週間後・・・楽しみね・・・一杯叫んで血を流してね・・・」

そういって妹のほうは離れていく。

「じゃぁ僕もこの辺で・・・君たちの裸に期待してるよフォカヌポオwwwww」

「「くっさ!!!なんでコイツこんなに臭いの!?しかもキモイ!!!」」

そういている間に兄妹は離れていく。看守もいないようだ。

「・・・大丈夫・・・?」

心配そうに少女が話しかけてくる。

「だ、大丈夫だよ・・・ちょっとキモかっただけだから。」

「・・・そう・・・」

「「あ、そうだ・・・「みょうこう」に連絡しないと・・・」」

美穂は隅に移動する。

「どうしたの・・・?」

「・・・・今から助けを呼ぶの!絶対に助けてくれるから!!」

「・・・・?助けなんて来るハズないわ・・・グスッ・・・」

「ああ・・・泣かないで!こっちまで涙出るじゃない・・・の・・・グスッ・・・怖いよ・・・」

二人とも泣き出してしまう。

「うっ・・・グスッ・・・早く連絡しないと・・・」

そういって無線機をONにする。

「グスッ・・・のう・・・みです・・・CIC聞こえますか・・・うぅ・・・」

<<美穂!?聞こえるよ!!>>

「副・・・長・・・私は大丈夫ですので・・・グスン・・・救助お願い・・・ですぅ・・・ヒック・・・」

<<ああもう、泣かないで!1800には行くから、ね?>>

「はい・・・うぅ・・・通信終わります・・・うええええん・・・」

通信が終わる。

「そんなにパニックにならないでよ・・・?一人で壁に話かけてるの見るとこっちも怖くなっちゃうよ・・・」

そういって牢屋にいる人たちは話かけて来てくれた。作戦開始まであと3時間あった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ハワイ基地


ジェットエンジンの甲高い音がする。1800の作戦に備えて海兵隊は準備を進めていた。

「1700年代の酒ってどんな感じですかね?隊長」

「さぁな・・・飲んでみないことにはな~・・・」

資源が手に入るのと無双できる可能性があるので兵士たちは武者震いしていた。

「お前ら、先に言うが油断すんなよ?マスケット銃でも至近距離から撃たれたらベストを貫通するかも知れんからな。」

「分かってますよ!!」

「ホントの分かってんのかねえ・・・」

「分かってますって!てか海上自衛隊のあの可愛い子が捕まってるんでしょ?お近づきになるチャンスだし最高だねこの作戦!」

「・・・・お前死ぬなよ・・・」

などと他愛のない会話が続いていた。

「1600・・・よし時間だ!!お前ら海兵隊の意地見せてやれ!」

「サー・イエス・サー!!」

海兵隊がC-17、MV-22、MH-60、C-130などの機体に乗り込んでいく。

「よーし・・・ひさびさにコイツが使えるな。」

航空機が飛び立っていく中にやけ顔の男がつぶやいた。彼の前には120mm砲を搭載したAC-130Uがあった。

「さーてお前ら・・・ロックンロールだ!」

ちょっと書きすぎた&急展開だったかも・・・一度突っ走ると元に戻しにくい・・・

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