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港へ寄港。情報収集へ

護衛艦「はるな」艦橋


「被害状況は!?」

「艦橋内で負傷者多数!装甲は凹んだだけで戦闘及び航行に支障なし!SH-60の発艦準備もできています!」

プチンッ・・・と何かの切れた音がする。というか聞こえた気がする。彼女から殺気に似たものが出始める

「あの・・・艦長?どうされました・・・?」

「・・・・なんでもないですよ?」

満面の笑顔で言い返す。目は笑ってなかったが。

「・・・ヘリはただちに発艦・・・私はCICに行きますので・・・」

「りょ、了解です!」

艦長が艦橋からでる。

「ちょっ・・・何か艦長怖くないか・・・?」

「ああ・・・殺されるかと思った・・・」

「あんな艦長見たことないよ・・・」

艦長が下がった後からひそひそと自衛官たちは話していた。

「・・・・・私の大切な仲間に怪我させるなんて・・・絶対に許さない・・・」

小さな声で繰り返しそう言っていた。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ハワイ基地

「現在、護衛艦「はるな」が不明船約20隻と交戦中!」

「なに!?「ひえい」とJPJは!?」

「両艦ともに速射砲、レーダー7に損傷を受け退避しています!」

「SSMは使えないのか!」

指令は机を叩く。

「木製のため補足ができず攻撃ができません!」

「くそっ・・・なら航空隊と応援の艦船もだ!それと情報収集のためにサンプソンと「ひえい」を。」

「了解!」

「頼むから沈むなよ・・・!」

海上自衛隊の指揮官は祈るように言った。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「はるな」CIC


「ハ-プ-ン命中まで2秒・・・弾着!!」

「効果はどうですか!?」

「目標を貫通して奥の船に命中・・・目標が柔らかすぎます!!」

「だったら・・・」

「艦長?」

「CIWSをマニュアル照準で攻撃してください!」

「艦長!そんなことすれば・・・!」

「・・・分かってます!全ての責任は私が負います!やってください!」

「・・・・了解!」

「艦橋、CIC。最大船速!目標に近づけ!」

<<そんなことすれば被害が増えるぞ!!>>

「承知の上だ!やれ!」

<<・・・了解!最大戦速!!>>

急加速で倒れかける。

「・・・・CIWS撃ち方用意!」

「射撃用意よし!」

「撃ちー方始め!」

ヴゥオオオオオ!!!とものすごい音がして目の前の木製船が木屑と化す。撃沈した船の横を通りすぎるときには海上に漂う腕や内臓、頭などで真っ赤に染まり目を覆いたくなるような地獄絵図と化していた。

「・・・すこし休みます・・・副長・・・あとはお願いできますか・・・?」

「はい、お任せください。艦長はゆっくりと休んでてくださいね。」

副長は笑顔で言う。

「・・・ありがとうございます・・・」

艦長がCICを出て行く。

「あんな光景みたら誰でもああなるわな・・・ましてやその指示を出した人間だと・・・」

「ですよね・・・でもこれしか手がなかったのも事実ですよね・・・」

「ああ・・・」

CICと艦橋の乗組員は沈んだ敵船の乗員の亡骸に手を合わせていた。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

護衛艦「ひえい」艦橋


「・・・あの娘大丈夫かな~・・・」

「どうしたの羽黒ちゃん?」

「羽黒ちゃんって言わないでください艦長!私は副長です!!」

「はいはいゴメンね。」

艦長は笑いながら謝る

「んで、「はるな」の妹は心配にでもなったのか?」

「・・・だってあの娘、私より6つ下の癖に頭めちゃくちゃ良くて今は艦長になってるけど、パニックになったり怒ったりすると手がつけられないからね~・・・今頃CIWSで敵をフルボッコにしてたりして・・・」

「・・・・ゴメン・・・マジで「はるな」はCIWSで不明船沈めてる・・・」

「・・・・私には何も聞こえなかった。」

「ああ・・・俺も何も言ってない。」

「あ・・・艦長、あれ港じゃありません?」

「あ、ホントだ。よーし接岸用意~。」

「みょうこう」の正面20キロのところにはかなり大きな港が見えていた。

「久々の陸だね~。しかも何だ?海賊時代のらしいじゃねぇか」

「らしいですね・・・何か問題が?」

「いや~・・・俺さ、海賊時代結構好きでよー・・・あの時代の酒とか食い物一度食べてみたかったんだよなー」

「・・・船とかは・・・?」

「ああ?船が食えるわけねぇだろうがバカタレ!」

「・・・食べ物食べたいだけか・・・」

「ん?何か言った羽黒ちゃん?」

「ナンデモナイデスヨ?」

「お、おう・・・」

艦長とその副長の他愛のない会話が続いていた。

「しっかしこんな船で近づくとビビるかね~・・・」

「そりゃビビるでしょうね。鉄でできた船ですし」

「内火艇降ろすわけにもいかんしな~・・・まぁいいや、行っちゃえ。」

「テキトーだなオイ」

この艦長どうなの・・・?と思う羽黒であった。

そしていよいよ港が近づいてきた。

「さーてと・・・総員寄港準備。ささと降りて情報収集すんぞー。俺、酒場で飯食ってるから後よろしく!」

「テメエも働け!このクソ艦長が!!」

「いたっ!!なにすんの羽黒ちゃん!!」

「さぼんなこの昼行灯が!!海に放り込みますよ!?」

「それは艦長を持ち上げて海に放り込もうとする人が言うかね?」

などといろいろしているあいだに港についた。

「な・・・なんだ・・・あの船・・・」

「でっけぇな・・・」

「帆もマストもないぞ!?どうやって動いていたんだ!?」

などと予想どうり見物人が押し寄せる。

「人気者ですねー・・・とりあえずささっと終わらせましょうよ。」

「そだねー・・・ステーキ食いたい・・・」

「ダメだこの艦長。食べることしか考えてない。」

艦長はふらふら~っと酒場に向かって行ってしまった。

「ああ、ちょっと!!・・・・もう・・・あのアホ艦長・・・一応拳銃持ってるから大丈夫だと思うけど・・・」

はぁ・・・仕方ない・・・と羽黒はため息をつきながら

「じゃぁ皆さん情報収集お願いしますね。私はあのアホ艦長見張ってますので・・・」

了解!はいよ~!羽黒ちゃんの頼みなら仕方ないな。などと聞こえてきた。

「じゃぁ、1700に「ひえい」前と言うことでお願いしますね。あと・・・羽黒ちゃんって言った人覚えていてくださいね?」

と笑顔で言って自衛官たちは散開していった。

「さてと・・・あのアホ探すかな~・・・」

と羽黒も一人酒場へと向かっていった。

今度は急展開すぎることもないハズ!たぶん・・・

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