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生贄の儀式を阻止せよ! 前編

ハワイ基地 渥美洋司


ったく・・・タイムスリップとか夢みたいだよ・・・まさか1等海尉に昇進してすぐの事件がコレってねぇ・・・

「渥美艦長。伊丹一佐より、洋上偵察に向かえとのことです。」

副長の田中美香が駆けよってくる。一応20歳なのだが・・・身長が150に満たないので小学生とよく間違われる。

「了解・・・」

「・・・?艦長?気分でも悪いのですか?」

「いや・・・どうにも状況がよくわからんでな。」

「私もです・・・」

すこししょんぼりした感じで言う。

「タイムスリップというよりは異世界に来たって感じがするがな。そういや・・・お前家族とかどうなんだ?」

「家族・・・ですか・・・私は父も母も幼い頃に・・・」

やっべ・・・地雷踏んだ・・・

「何か爆発しました・・・」

「!?」

思いっきり転ぶ。ちょっとまて、なぜ爆発する。

「か、艦長!?大丈夫ですか!?」

「いてて・・・大丈夫だが・・・お前の両親は何があった・・・」

「科学者でして・・・調合に失敗したとかで研究所ごと・・・」

「ああ・・・そうなの・・・」

「ですから、私は・・・」

家族はいないのね・・・

「なんか暗いこと聞いてすまんな・・・」

「いえ、大丈夫です!」

「お前のその明るさだけは見習いたいよ・・・」

「明るさだけって何ですか!それ以外取り柄ないみたいな感じで!!」

「いや、実際ないだろお前。演習中に接近してくる魚雷に恐怖してアスロックの発射ボタン押したのどこのどいつだ?」

「そ、それは2年前のことじゃないですか!!」

2年前ねぇ・・・美香は最初この艦の火器を扱う要員として配置された。まぁ・・・初めてだから仕方がないがアスロックの発射ボタンをいきなり押すのはどうよ・・・

「ははっ。まぁいい思い出だな。」

「もう・・・笑い事じゃないですよ・・・恥ずかしい・・・」

すこし不機嫌そうだな・・・ま、いっか

「とりあえず出撃だな。随伴艦は?」

「みょうこうとJPJです。」

「OK。んじゃ、2000に出撃な。準備しとけよ。」

「了解です。」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

護衛艦「はるな」 那珂沢陽菜


「陽菜・・・これほどいてよぉ・・・」

お姉ちゃんが涙目で訴えてくる。ああ・・・お姉ちゃん可愛い・・・

「ん~・・・じゃぁ、一つ言うこと聞いてくれたらいいよ?」

「な、なに?」

ふふふ・・・このお願いはきついぞ・・・泣くお姉ちゃんが見たい!

「・・・・艦長代わりにやってくれたらいいよ♪」

「・・・・え?」

ふふふ・・・さぁ泣くのだお姉ちゃん!

「い、いいよ?」

いいの!?てか、むしろまんざらでもない!?

「・・・え?いいの?艦長だよ?」

「い、いや・・・有賀艦長の代わりに指揮取ること多かったから・・・」

「あ、ああ・・・そうなの・・・」

ぬかった!でも・・・約束しちゃったし・・・

「ほら、約束通りほどいて?」

うう・・・失敗した・・・はっ・・・そういえば縛ってまでこんなことしてたら絶対に嫌われる・・・てか嫌われた・・・ああ・・・涙が・・・

「な、なんで陽菜が泣いてるの!?」

「だってぇ・・・お姉ちゃんに嫌われたかも知れないからぁ・・・」

「え、えぇ・・・?」

「だって・・・こんなことしちゃったし・・・うええええええええん!!!」

「だ、大丈夫!嫌ってない!嫌ってないから!!」

「ほんと・・・?」

「大丈夫・・・だから早くほどいて、ね?」

「分かった・・・」

私は縄をほどく。ん・・・?待てよ・・・今までやったこと全部ヤンデレみたいじゃん!・・・私ヤンデレ属性ないんだけどなぁ~・・・

「はぁ・・・もうこんな馬鹿なことしないでよ?」

「ごめんなさい・・・」

「もういいよ。頭あげて」

「うん・・・」

ああ・・・やっぱお姉ちゃん優しい・・・もう好き!大好き!!

「は、陽菜・・・?なんで目をつぶって唇寄せて来てるの!?」

今日も護衛艦は平和です。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

航空母艦「ロナルド・レーガン」F/A-18E 長瀬春夏


航空偵察なんて任務久々ね~。

<<よう相棒、久々の航空偵察だ。観光気分で楽しもうぜ>>

「久々だからって滅茶苦茶しないでよ?ラリー」

<<へいへい・・・俺はお嬢様の指示に従いますよ。>>

「もう・・・嫌味ったらしい・・・」

<<ははっ、そう言うな>>

<<こちら航空管制。発艦準備はできてるか?>>

「こちらウォーシャーク1準備よし」

<<ウォーシャーク2、こちらもOKだ>>

<<よし、発艦後は方位280に向かえ。>>

「了解。」

<<方位280・・・了解>>

「ラリー?機体の調子はいい?」

<<大丈夫だ。そういや航空偵察は自衛隊時代にやったことあるのか?>>

「震災のときにね・・・戦闘機じゃ人は救助できないから悔しくて仕方なかったけど」

私は元航空自衛隊だった。だが、私は専守防衛というのはどうにも気に食わない。なぜなら撃たれたら撃ち返すとか言ってはいるが、こちらから撃てることはないだろう。・・・弱腰政治のおかげで仲間が一回撃墜されたのを私は見た。私は結局政治家の勝手な命令で一発も撃ち返せず仲間は死んだ。何が外交問題だ。だから私の居場所は自衛隊なんかじゃない、空軍にあった。

<<・・・大震災のときか・・・すまねぇな・・・>>

「・・・大丈夫よ。」

私は操縦桿を握り直す。甲板員が忙しく走り回っている。

<<ウォーシャーク隊、発艦を許可する>>

<<了解!行こうぜ、ロックンロールだ!>>

スロットルを限界まで開きアフターバーナーを点火する。直後機体が打ち出される。人それぞれだろうが私はこの瞬間が一番興奮する。

「ウォーシャーク1発艦、方位280に向かう」

<<こちらウォーシャーク2、一番機と編隊を組む>>

<<了解。よいフライトを!>>

そういって無線が切られる。

<<春夏、あんたと組むのは久々だったな。>>

「そうね・・・半年ぶりかしら?」

<<対馬空爆のとき以来だよな・・・自国に爆弾落とすのは気が引けただろ?>>

「そうでもないわ・・・私はあの侵略者のクソッタレ指揮官の顔面に20mm叩き込めたから。」

そう、ラリーと組むのは対馬が韓国軍に占拠されたときの空爆作戦以来だった。まぁ占拠した部隊は自分たちの独断で侵攻した奴らで正規軍ではないが・・・そのせいで韓国はテロリスト国家に認定されちゃって北朝鮮には侵攻されてお互い核兵器を撃って半島が地図から消えちゃったけどね・・・少し同情するよ。

<<お前・・・そんなことしてたのか・・・>>

「ええ、司令部にね。」

ま、私のホーネットが返り血浴びちゃったけどね。

<<ははっ、お前なかなかやるな。>>

「あなたほどではないわ。片羽失って帰ってくるとかね」

<<あれは偶然だ>>

「そう?」

私たちは何気ない会話をしながらターゲット空域に向かって行った。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

護衛艦「いそかぜ」 渥美洋司


「艦長、目の前に港を発見。寄港します?」

「ん~・・・どうすっかね・・・」

町の人が友好とは限らんからな・・・

「ま、寄るだけ寄ってみるか。「ひえい」とかの噂が広まってるらしいからな」

「噂?」

「ああ、化物を軽々と倒す異世界の船だってよ。」

「へぇ・・・」

「んで、この「いそかぜ」も同型艦だからな。」

「ああ、じゃぁ怪しまれないかも?」

「どうだろ・・・まぁ、寄ってみよう。」

「了解」

俺たちの艦はゆっくり港へ向かって行った。



30分後



「おうおう・・・こりゃ豪盛なお出迎えで・・・」

俺たちの艦はあっという間に民衆に取り囲まれた。まぁ、敵対の目ではなく英雄を見る目だったのが良かったけど

「え、英雄様じゃ!英雄様が来てくれたぞ!!」

え、英雄・・・?じいさん、それ俺たちじゃない。

「英雄さん・・・どうかお助けください!!」

「た、助け?」

「とにかく酒場へ!」

待て連れ去ろうとすな!

「ちょ!美香!一緒に来い!」

「え?あ、はい!」



酒場



「それでね・・・生贄を捧げなきゃならないんだよ・・・」

「なんで唐突に・・・?」

「いやね・・・町の北に洞窟があるんだけどそこに住む魔物に毎年生贄が必要なの・・・町一番の美しい娘をね。」

「はぁ・・・それで?」

「それで・・・この娘を・・・助けてやってくれませんか・・・?」

中年女性は涙ながらに言う。そして後ろから年は16くらいの可愛い女の子が出てきた。酒場の連中もみんな悲しそうだ。

「・・・アリスっていいます・・・」

少女は何もかも諦めたような口調に言う。

「・・・私が生贄にならないと多くの人が襲われるんです・・・」

「どゆこと?」

「・・・生贄を捧げる代わりにもう町の人は襲わないと魔物は言うんです・・・」

「まって、話が見えない。どんなヤツなんだ?」

「・・・魔物は・・・この街を荒らしては虐殺を繰り返していました・・・多くの食料なども奪い・・・」

・・・ファンタジーでこんなの見たな・・・

「んでそれを退治しろと?」

「そうです!」

中年女性が言う

「あの魔物を・・・どうかお願いします!」

「俺からも!」

「金は出せないが俺からも頼む!!」

酒場にいた人が次々という。まぁ、資源の確保も目的とされてたしいいかな。

「金はいらない。ただ、一つ協力してもらいたい。」

「なんだね?」

「鉄の原料の鉄鉱石を定期的にもらいたい。」

「鉄鉱石・・・そんなものでいいのかね?あんなのそこらへんからボロボロでるが加工のしようがないゴミなんだぞ?」

「それで大丈夫です。」

鉄の確保はこれでいいかな?

「それと・・・アリスちゃんだっけ?」

「・・・はい・・・」

「まだ死にたくないよな?」

「・・・はい・・・!」

アリスは涙目になっていく。

「大丈夫、俺たちで助けてやる。絶対に生きて帰らせてやるからな」

「・・・はい!」

アリスは大粒の涙をこぼしながら言った。

さて・・・海兵の連中も居ないと作戦の成功は難しいかもな・・・司令部に言うか・・・そういえば美香はどこ行った?

「マスター!ビールもう一杯!!」

飲んでやがった・・・



今回は陸戦頑張って書くよ!前は駄文化したが今回はやったるよ!

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