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復讐の果ての終焉と始動  作者: 葉都菜・創作クラブ
第3-2章 とある時代の終わり ――財閥連合・オーロラ支部――
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第40話 再会

 【オーロラ支部 下層エリア】


「どけッ!」


 私は立ったまま機能停止したバトル=アルファを蹴倒しながら走り続ける。オーロラ支部地下エリア。人工知能オーロラが止まった事により、全ての軍用兵器は停止した。

 だが、生物兵器は? コンピューターに操られない生物兵器は止まるのだろうか? この地にはハンター=ガンマとX生体という2体の生物兵器が運び込まれている。

 その内、ハンター=ガンマは破壊したが、X生体は見てもいない。下層エリアから上層エリアを制圧した政府軍の報告では生物兵器は見かけていないという。だとしたら……。


「X生体って最初はクロント支部で開発されていたんですよね?」

「ああ、その後クロント支部から運び出され、このオーロラ支部に運び込まれたハズだ」


 今から1年前、政府代表の密命を受けた私は1人クロント支部に向かった。その時、出撃した小型の飛空艇。それは氷覇支部へ向かった。私が追ったのはそこまでだが、その飛空艇が逃げ去る時、発信機を付けた。その発信機のお陰で飛空艇はオーロラ支部へ向かった事が分かった。

 その時はX生体なるものが送られたとは知らなかったが、後に私とパトラーがクロント支部に乗り込んだ際に判明した。僅かに残された書類から……。


「フィルド閣下、パトラー准将が捕まっているのはあの部屋です!」

「イヤな予感が当たらないといいけどな……!」


 私はデュランダルを握り締め、扉を開け、部屋に飛び込む。


「…………ッ!」


 私は出入り口で思わず立ち止まる。尋問室。そこにいたのは蒼色をした巨大な人型の生物兵器だった。両腕は意思があるかのように蠢く触手。よく見れば体の至る所から触手が出て、体全体に巻き付いていた。あれがX生体……?


「……客人か。ククク……」

「喋った!?」

「ハンター=ガンマも喋ってただろ。今更驚く程の事じゃない」


 ……不気味な声だな。まるで女声と男声を混ぜたような声だ。

 3メートルから4メートルはあろうその巨体に自ら大量の触手を巻き付けたX生体は私たちを見ると口元を不気味に歪める。


「お前たち“も”取り込んでやる。我のエネルギー源となるがいい!」


 そう叫ぶように言うと触手の塊と化した腕を振る。それと共に無数の衝撃弾が飛んでくる。私はデュランダルを盾にそれらの攻撃を防ぐ。

 一方、ピューリタンは素早く衝撃弾を避けると、アサルトライフルを使い、プロジェクトXに向けて射撃する。防御力は低いのか、銃弾が当たると、蒼色の体液をまき散らす。


「ぐ、うぁぁッ……! いいのかぁ? 我の体の中には“仲間の女”がいるんだぜぇ?」

「…………ッ!」


 ピューリタンは銃撃をやめ、私の方を見てくる。確かに銃撃はまずいかも知れない。アイツ曰くだが、中にいるパトラーを巻き込んでしまうかも知れない。

 だが、あの生物兵器、そんなに強くはない。攻撃の面ではまだ分からないが、防御の面では弱い。少しの銃撃だけで結構ダメージを喰らっているようだった。


「お前は下がっていろ。私が殺る!」


 私はデュランダルを振り上げると、一気にX生体に接近する。彼も触手を伸ばしてくる。私はそれを素早く避けると、高く飛び上がり、X生体の左腕を切り落とす。左腕は斬られた瞬間、動かなくなり、その場に落ちる。


「ぐぁぁッ!」


 悲鳴を上げるX生体。それと共にサンダーを私に落とす。だが、その威力は低く、防御なしでも十分耐えられる。

 立て続けに私は衝撃弾を放ち、本体に集中攻撃をする。次々と爆発が起こり、引き千切れた触手とそこから飛ぶ体液が宙を舞う。


「ああああッ! 返せばいいんだろ! 返せばよぉ!」


 X生体はそう叫ぶように言うと、自らの心臓を抉り出すかのように右手を右胸に突っ込み、裸の女性を取り出す。アレが誰なのか、言わなくても分かる。パトラーだ! 彼はパトラーを取り出すと、そのまま投げ捨てる。


「えっ、パトラー准将!?」

「パトラー!」


 私はデュランダルを手から離すと、その場から飛び出して宙を舞う彼女を受け止める。

 一方、その間にX生体は、自身の周りに薄い青色をした巨大な魔法陣を発生させる。あの首都強襲事件でも見た。X生体はそのまま一瞬の閃光と共に消滅した。サルリファスが逃げる時に使った空間魔法ワープと全く同じだった。


「……っ、ここは……?」

「オーロラ支部地下エリア、と言えばいいか?」

「…………! フィルドさん!」


 パトラーは私の姿を視界に捉えると、いきなり抱き付いてきた。それもかなり強く。私はパトラーに自分の羽織っていたコートを着せる。


「ずっと、信じてましたよ……! 助けてくれるって……」

「すまない。少し遅くなったな……」

「……ごめんなさいっ、1人で、単独で出て行って……! 私、何も出来なかったッ……」


 パトラーの声は途中で涙声になる。その体は僅かに震えていた。私はそっと抱きしめ、涙に視界をぼかせながら言った。


「お前は頑張った。3年前と比べてお前は成長したよ。――あの時、出会えて本当によかったっ……!」

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