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復讐の果ての終焉と始動  作者: 葉都菜・創作クラブ
第1-1章 裂かれる絆 ――政府首都グリードシティ――
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第1話 政府代表からの呼び出し

 【政府首都グリードシティ】


 中央大陸の北に建設された世界最大にして全ての中心の大都市。超高層ビルが並び立ち、そのビルの間をヘビのごとく曲がりくねった高架橋。そこを通る人々。一般市民と政府軍人たち。そして、政府関係者……。

 皆が平和と“思い込んでいる”世界。その中心の巨大都市グリードシティ。1800年という途方もなく長い間、世界の中心であり続けた都市……。



「フィルド将軍、政府代表がお呼びです」

「……分かった」


 私は窓から外の景色を見ながらそう言った。高いビルからの眺めはいいな。美しいビルが立ち並ぶグリードシティ。今日の天気は雪。都市は白色に染められる。

 さて、と。政府代表の呼び出しならすぐにいかないとな。私は茶色をした机の上に置いてあった剣を取り、灰色のコートを羽織る。

 一通りの支度を終えると、私は側にいた黄色の髪の毛にエメラルドグリーンの目をした少女の方を向いて言った。


「パトラー、付いて来い」

「あ、はい!」


 その少女――パトラーは元気よく返事をする。彼女は3年前から一緒に生活し、行動を共にしている。私の数少ない“仲間”だった。

 私は廊下に出て、出入り口と天井、床以外がガラスで出来たエレベーターに乗り込む。彼女もその後ろから付いてきた。


「今度の呼び出しはなんでしょうね?」

「さぁな。魔物討伐じゃないといいな」

「それ前回ですよね! あの東の方に出た“巨大ゴブリン”討伐のヤツ」

「違う、それは前々回だ。前回は“オロチ”討伐だ。お前が丸飲みにされそうになったヤツの」

「あ、そうでした」


 政府代表の命令はこれで4度目だが、過去3回は魔物討伐だった。そんなものは近隣の警備軍かここから特殊軍でも派遣すりゃいいだろうに。

 そうしない意図は、自分の支持率アップの為だろう。軍を動かして、莫大な税金を使うのはイヤ。また、それで兵士や将官が殉職するのは論外。だから特殊軍将官にやらせる。そうして浮いたおカネはどこに入ってるのか……。


「でも、私はフィルドさんとの魔物討伐は好きですよ。2人で行けば仲間や部下は死なないし、市民の為になりますからね」

「それで、前回お前が死にかけたけどな」

「でも、フィルドさんなら助けてくれるって思ってましたよ! フィルドさん、すごく強いんですから!」


 そう言うパトラーの表情は明るかった。凄く強い、ね。……力、か……。

 そんな会話をしている内にエレベーターは最上階に止まった。どうやら到着したようだ。政府代表のオフィスエリアに……。

 私はエレベーターの扉が開くとその政府代表のオフィスへと入って行った。エレベーターの扉の先からが政府代表のオフィスエリアとなる。


「いつみても豪華、ですね」


 赤い壁紙をベースにさまざまな装飾が施された政府代表のオフィス。明らかに黄金造りの模様やはめ込まれた大きな宝石。壁にかけれた絵は歴代政府代表の絵らしい。

 私とパトラーはエレベーターから出て、赤いじゅうたんが敷かれ、何かの模様が施された廊下を歩く。その廊下の先は広い場所、政府代表玉座となっていた。

 とても広い部屋。部屋の奥は段差の少ない大きな放物線状の段になっていた。その複数ある段の一番上、最上段に設置された豪華な玉座と赤みがかかった茶色の机。そこに政府代表――マグフェルトはいた。


「特殊軍将軍フィルド=ネスト、お呼びにより参上致しました」


 大きな強化ガラスで出来た窓の方を向いたマグフェルト政府代表。彼の側には2人の男がいた。彼の警護を行う親衛騎士だ。彼らはかなり豪華な鎧を着ている。きっと黄金造り……。

 ……っていうか政府代表は早くコッチを向け。どうせ、また下らない要件だろう。全く、窓から何を見てるんだ? こんな所からじゃこの建物より、背の低い建物の屋上と雲しか見れないだろうに。


「フム、よく来た。フィルド将軍……」


 ようやくコッチを向いた政府代表。黒色の髪の毛に黒い瞳。髭の剃られた肌にシワは少なく、彼がまだそんなに歳を取ってない事が分かる。

 性格な年齢は忘れたが、そんなにはいってない。確か彼は政府代表になったのはかなり若い方で、大きなニュースになったのを覚えている。


「今日、君を呼んだのは君の実力を見込んでの事だ」


 ……また魔物討伐か。


「君の実力はとても素晴らしい。このわたしが今から13年前、つまり35歳で政府代表になったのも歴代で最も若いそうだが、君の年齢で特殊軍将軍になった者もそうおるまい。確か……」

「21の時に将軍になりました」

「そう、今から1年前、君は将軍の地位に就いた。“普通の人間”の中でなら相当若いのは間違いない」


 そりゃそうだろうな。魔法を使える“特殊能力者”じゃないと20歳前半で将軍は無理だ。


「わたしもこの地位に就いて13年……。君が一番強い者だと思っている。世界広しといえども君ほど強い者はいないだろう」


 どうでもいいが、政府代表暦13年は任期満了の7年を超えている。確かにコイツの支持率は60パーセントを超え、市民の支持率も高いが、そこを考えても長すぎる。いつになったら変わるんだろうか?


「……本日のご用件、何で御座いましょうか?」

「おお、そうだな。余計な話をしていても仕方ない。実は“連合軍”の事についてだ」


 ……連合軍? っていうか今回は魔物討伐じゃなかったんだな。


「……君は1800年の平和が終わり、戦争の時代が始まるかも知れない、ということを知っているかね?」


 ……は?

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