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プロローグ
苦しみの果て……
私は普通の女の子だった。
そのまま、普通でありたかった。
ずっと普通で、平和に暮らしたかった。
でも、そんな私の普通は終わった。
無理やりどこかの施設に連れて行かれ、実験体にされ、ワケの分からない薬を大量に入れられた。
そして、人とは違う生き物に作り変えられた。
姿や形は人間だけどその能力と心はもう人じゃない。
人とは違う生き物。
それが私……
あの日、すごく苦しかったし、怖かった。
泣いて助けと許しを求めた。
でも、彼らはそんな私を面白がるような目で見ていた。
そして、残酷な心と好奇心に溢れた目で私の体を眺めてきた。
新しいモノを作る研究者の目、人を扱う目じゃなかった。
苦しみの果て、私は人じゃなくなった。
今度は私がやってやるよ。
苦しみの果てに、死ね。
その死に顔を撫で回して、ぐちゃぐちゃに切り裂いてやるよ。
覚悟しろ……