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秋色白書  作者: 由樹
2/2

P.1 秋晴れの日

「ねー、前から思ってたんだけどー」

「んー?」

 いつもの雄三の部屋で、秋の陽射しの中のんびりくつろぐ二人。

 部屋は、秋ということで衣替えし(箕村家はお金持ち!)、壁紙は暖かみのあるクリーム色になっている。

「なんか美帆たちってスッカリ熟年夫婦みたいじゃないですか」

 ……。沈黙。

「……さぁ、知らない」

「知らないってアナタ!」

 雄三は含み笑いをして雑誌のページを再びめくり出す。

 美帆がこう言い出すのには理由があるのだ。

 夏休み中に出逢い、様々な困難を乗り越えて結ばれた二人だというのに、まだキスの一つもしていないのだから。

自宅デートは定番化していると言うのに。

 まったくもう、なんなのよ。美帆に色気がないとでも? 私だって色気くらい……。

 ふと自分の胸を見下ろし、溜め息をつく美帆。

無くはないがあるとは言えない大きさの胸。

髪は鎖骨辺りまで伸び、軽くウェーブさせてフェミニンにしているものの……何かが足りない。

「くっそう! 雄三さん、紅茶飲みたいっ」

 雄三は何が悔しいのかよく分からないまま、おう、と部屋を出ていった。

 美帆は今だとばかりに初めてのガサ入れを始める。

彼女が雑誌で仕入れた情報によると、彼の趣味はエロ本を見れば一目瞭然なのだとか。

「ベッドの下……」

 ごそごそと覗いてみるが見付からない。

こんなありきたりな場所には隠さないのだろうか、と頭を悩ます。

仮にも彼女が部屋に来るのだから複雑な場所に隠している場合が多いかもしれない。

 雄三さんごめんね……私たちの未来のためなのよ……っ。

と、言い訳にならないことをぶつくさ考えながら本棚やパソコン周りまで探してみる。

「お待ちどおさん」

 呑気に部屋に入って来た雄三は、美帆の奇怪な体勢に驚いた。

なんで美帆は壁にかけられた絵画の裏を見ているんだ? 旅館でもあるまいし、お札なんて貼ってないのに……。

 雄三は雄三でおかしな勘違いをしながらクッションの上に座った。

「なんか探しもの?」

 不思議がって美帆に尋ねるが彼女はやたら慌てて、

「わーいお茶お茶。嬉しいなーっ。雄三さんありがとねん」

 と歌うように喋り、コクコク紅茶を飲み出す。

まぁいいか、と雄三はあまり気にせず紅茶と一緒にクッキーを食べ始めた。



こんにちは、栗山です。またこの二人を動かせると思うと嬉しいです。沢山の設定があるので皆さんにも楽しんで頂けるように、根性入れて頑張ります!良い作品を創りたいので、皆さんの感想やアドバイスなど心待ちにしております。これから宜しくお願い致します。

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