第七章 救出
史郎の秘密を知ったミユキは急速に関係が良くなります。
しかし・・・
翌朝、ミユキは寝付けなかったこともあり史郎より早くテントから出た。史郎のシャツは昨日帰った時に置いたままテントの外においてあった。ミユキは手にとって見るとボタンが一つとれかかっているのを見つけた。
「たしか、登山家の荷物の中に裁縫道具があったわ。」
そう言ってミユキはテントの中から裁縫道具を探し出し、取れかけたボタンを付け直した。
そうするうちに史郎がテントから出てきた。
「おはよう。」
「おはようございます。ボタンが取れかかっていたから付けておきました。」
そう言ってミユキはシャツを史郎に渡した。
「あっ。ありがとう」
史郎は突然のことでびっくりした。
「今日はどうするの?」
ミユキは史郎にたずねた。史郎は飛行機のとこまでいくと言った。
「いかないで、ここにいればいいじゃない。」
「でも、はずかしいからね」
そういって、史郎は出かけていった。
「危険なことはしないでね。」
ミユキが言えるのはそれだけだった。
ミユキはそれからいろいろと考えた。これからどうすればよいのか。史郎に負担をかけられないし、でも自分だけでは何もできない。そういう事を考えているうちに昨日寝付けなかったことが影響してかミユキは眠りについた。
ミユキは突然の大音響で目を覚ました。
起き上がってみると飛行機の方から黒い煙が黙々と上がっている。ミユキは急いで岩山に登った。そこには昨日まであった飛行機の残骸は姿を消し、ただ黒い煙だけが上がっていた。ミユキは史郎のもとに走っていった。何かあったに違いない。史郎は無事だろうか。それだけが気がかりだった。
飛行機のあった場所に来ると、あたりはきつい燃料のにおいと煙のにおいが立ち込めていた。もちろん史郎の姿はなかった。
「史郎さーん」
「いたら返事してー」
ミユキは叫んだが返事はなかった。
墜落していた飛行機が突然爆発したようだ。原因は分からない。偶然なのか、史郎が何かしようとした結果なのか。そんな事はどうでもよかった。ミユキは史郎が無事でいてくれることを祈りながら探し回った。
走りつづけても史郎の返事はなく、姿も見えなかった。
「もしや、あの爆発で・・そんなことはないわ。きっと生きている。」
ミユキはまた走り始めた。ミユキは走りながら足元にある見慣れたものを見つけた。それは焼けこげた史郎のシャツの切れ端だった。ミユキが今朝ボタンを付け直して渡したシャツだった。
「史郎さん。まさか・・」
そう言ってミユキはその場に気を失って倒れてしまった。
それからどれくらいの時間が経ったのか、ミユキが目を覚ますと目の前の煙は幾分か勢いを弱めたようだった。頭がすっきりしてくるに連れて何か今までに聞いたことの無い音が聞こえてきた。それはヘリの音だった。はるか向うに小さな黒い点が見えそこからバラバラと言うエンジン音が聞こえてきたのだった。幸運にも飛行機が爆発したことで救助の目印になったようだ。
ミユキは走りながら手をふった。助けが来たんだ。史郎のおかげで見つけてくれたんだ。ヘリは段々近づいてきた。サーチライトを点滅してミユキに信号を送ってきた。
「助かったんだ。これで・・史郎さんありがとう。」
史郎のためにも生きなければならない。そう思いながらミユキは近づいてくるヘリに向かって大きく手を降り続けた。
いかがだったでしょうか?ご感想をお願いいたします。
この物語の続編を引き続き投稿いたします。
ミユキは生還後にどのような人生を歩むのか?
「GREAT GREEN AFTER」にご期待ください。




