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最強の悪女の仕立て方。~不幸な結婚をしたくないので、悪役令嬢を目指しているのに、なぜかイケメン皇子その他大勢に愛され、困惑しつつも学園生活を満喫していますわ!  作者: いか墨ドルチェ
第三章 学園の華は、何といっても悪女と学園祭ですわ

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第93話 最強皇子さまによる、特別訓練ですわ。

「その点、ジュスティーヌ姫のほうがよほど可能性がある。ということで、姫、今後、僕と魔法の特訓をするつもりはありませんか? 現状、まともな魔法使いが足りていないのですよ」

「仮に特訓をするにしても、絶対に1対1になってはダメだ。その際には俺も同席する」

「しつこいですね、あなたも。さすがに大親友の恋人に手を出すほど愚か者ではないですよ、この僕も」


 ジュスティーヌは離宮で生活するようになってから、実はまともな魔法の師匠がいなかった。王族の嗜み程度に初期魔法の知識を教えてくれる先生はいたが、基本的には魔術書を自分で読んで学んだ。だから、魔法の師が欲しいとはずっと思っていたのだ。


「魔法の特訓はしてみたいかも」

「では、決まりですね」


 ユリシーズはうんうんと軽く2回、頷いた。


「それに、君たちが望むと望まないとに関わらず、今回の事態を受けて、学園での実技や演習が強化されることになったんだ。だから、これからはもっと頻繁に顔を合わせることができるよ、ジュティ」

「えっ、どういうこと?」

「俺やこいつも特別講師として、学園で指導に当たることになったんだ。これからよろしく、ジュティ」


 アルフォンスは随分と嬉しそうだった。


 事件の真相解明及び、この先似たような事件が起きた際に迅速な対処ができるように、ついでに人材育成の強化を図るということだ。


 えー! この腹黒エロ皇子とずっと一緒なわけ!? 何もしてこなければいいけど、このままでは身も心も持たないわ……。


「大丈夫だよ。人前ではほどほどにするから」


 ほどほどですか……。人前ではひかえるとかじゃないんだ……。ほどほどってどの程度がほどほどなんでしょうかねぇ……。


 翌朝、ジュスティーヌがセドリックたちとハート寮のエントランスを出ると、いつものようにファンクラブメンバーたちが待ち受けていた。のだが、それに加えて朝日よりもまぶしく輝くキラキラのイケメン皇子様が極上の笑顔を浮かべて待っていた。


「お前! なんでここにいるんだ! この腐れ金魚の糞男めが!」


 当然のようにレナードが騒ぎ立てる。アルフォンスは全く相手をすることなくジュスティーヌに近づき、片手を取るとそこに口づけをする。PJL40のメンバーたちから歓声が沸き起こった。


「おはよう、ジュティ、今日は一緒に登校しようか」

「お、お前! 俺の愛妻に何をするんだ!」

「さあ、行こうか」

「だから、お前は俺のスイートハートから離れろ!」


 昨日、ほどほどといっていたのに……。朝からこんな感じとは……。この先が思いやられるわ。


 こうしてあちこちからキャーキャー言われ、レナードからはギャーギャー喚かれながら、皇子様に手を引かれて登校する羽目になった。


「じゃあね、ジュティ。3時間目にまた会おう」


 アルフォンスはジュスティーヌを軽く抱き寄せ、額にキスをして去っていった。


 ほどほどって一体何……。


 人前ではほどほどにする男・アルフォンスは、今の3年生には圧倒的に恐れられていたが、その実力を目にしたこともない1、2年生の中には彼を懐疑的な目で見ているものも一定数いた。


 その原因となっていたのが、彼の弟のフレデリクだ。


 フレデリクは、実はあまり強くない。少なくとも決闘のランキングは10位以内に入っていないし、「生徒会が忙しい」と理由をつけて、決闘そのものをあまり行っていない。たまにする際も、ランキング上位の実力者とではなく、勝って当然といえるような相手とばかり対戦していた。


 声を大にしてその事実をあげるものは流石にいなかったが、特に男たちは内心で「あのお方は顔がいいだけの優男だ」と思っていた。だから、その兄だって大差ない、噂に尾ひれがついているに違いないと。


 どれどれ、どの程度の実力か見せてもらおうじゃないか。ソフィーが所属するエメラルドクラスのソフィー親衛隊員たちは、だいぶアルフォンスをなめてかかっていた。


「殿下はとてもお強いと伺っています。どうでしょう? 俺ら全員相手に一戦お願いしたいのですが。あ、もし、全員だと厳しいようだったら、何人相手だったらいけますか?」


 おいおい、そんなこと言って大丈夫かよ、コイツ。殺されても知らねえぞ……。


 近くで聞いていた隣のサファイヤクラスのセドリックたちは、背筋が凍る思いだった。なんせ少し前にアルフォンスとレナードの殴り合いを見たばかりなのだ。剣なしでもあの実力。剣士の彼が剣を持ったらどれだけ恐ろしいのだろうか。


「はははっ。面白いことを言う。全員でかかって来ればいいさ。ただし、全員決闘メダルをつけろ。生徒を殺すわけにはいかないからな。俺に一つでも傷を負わせることができたら、君たちの勝ちでいい」


 あーあ、ほら、怒らせちゃったじゃんかよー。ふぅ、俺のクラスにソフィーがいなくてマジでよかったぜ。


 あのアルフォンスに傷をつけるなんて常人には到底できることではない。なんせあのレナードでさえ、かすり傷を一つつけるのがやっとだったのだから。


「はーぃ、あたしは剣とかだめなんで、魔法だけなんで、見学しまぁす」


 ソフィーは親衛隊員たちだけに戦わせて、自分は高みの見物をするらしい。なかなか肝の据わった聖女候補様である。


「殿下ぁ、負けたときのいいわけで、ジュリジュリがいないから力がでなーいとかぁ、なしだかんねぇ」


 アルフォンスはソフィーの言葉には一切反応しなかった。心底どうでもよくて、全く相手にしていないのだ。


「Go Fight!」


 アルフォンス対2年エメラルドクラス12人の戦いが始まった!


 と思ったら、終わった。


 マジで魔王だな、この人……。


「次は、サファイヤクラスの番だ」


 !! マジのマジで大魔王だわ、このお方は……!


「君たち、入学してからの1年間、一体何をやってきたんだ?」


 涼しげな顔でさらりと嫌味をいう腹黒大魔王皇子様。


 当然のごとく、セドリックたちもアルフォンスによって一瞬で殲滅させられたのだった。

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