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最強の悪女の仕立て方。~不幸な結婚をしたくないので、悪役令嬢を目指しているのに、なぜかイケメン皇子その他大勢に愛され、困惑しつつも学園生活を満喫していますわ!  作者: いか墨ドルチェ
第二章 悪女は日々、戦いにその身をおくのですわ――初めての決闘とできる冒険者への道

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第67話 怪盗に連れ去られた魔女姫を救うのですわ!

 ジュスティーヌはアルフォンスに連れられて、街で一番高い時計塔の上に来ていた。


「アル! 一体どういうつもりよ、これ!?」

「アル? それは誰かな? 私は怪盗プリンスなのだが?」

「え? ええ??」


 腹黒皇子だとばかり思っていたのだけど、違う? えっ、もしや本物の怪盗プリンス!?


 驚愕と困惑の表情を浮かべるジュスティーヌ。


「ごめん、ごめん。冗談だよ」


 アルフォンスは仮面を外した。


「もう! 揶揄わないで!」


 怒って頬をふくらませながら、ジュスティーヌはアルフォンスをバシバシ叩いた。


「いや、ジュティはこういうの好きかなと思って」

「……ま、まあ、確かに、好きか嫌いかと言われれば、大好きだけど……」


 抱きかかえられたまま、ジュスティーヌは自分の両手の人差し指同士をツンツンし、口をとがらせながら答える。


 クッ。この男に、完全に好みを把握されている!! 屈辱だわ。なのに楽しいと思ってしまうなんて!!


「それは、よかった! どう、似合うかな?」


 そう言われて、改めてアルフォンスをじっくりと眺めてみる。どっからどうみても似合いすぎているとしかいいようがない。


 ああ、もう、本当にいつもいつも反則なぐらいイケメンなんだから、この腹黒皇子は!!


「ま、まあ、似合うかどうかと言われたらすごく似合っちゃっているけど……」


 あまり直視しすぎるとまぶしすぎて目が潰れてしまうかもしれないので、ジュスティーヌは視線をそらしながら答えた。


「ジュティ。君にしばらく会えなくて淋しかったよ」


 そう言うと、アルフォンスはさらに強くジュスティーヌを抱き寄せた。


「は、放してってばっ」

「嫌だ。もう少しこうしていたい」


 そう言われてジュスティーヌはなぜか大人しくなった。「嫌だ」というアルフォンスのストレートな言葉がなぜか胸に響く。


「俺と口づけをする約束をしているのに、君はあの男と20%も婚約をしたの?」

「そ、そ、それは。今度レナード殿下とパーティを組んで決闘をすることになって。パーティメンバーの絆は、その、何と言うか、婚約に似通っているというか。それで20%ぐらいかなあと」


 ジュスティーヌはどうして自分がアルフォンスに言い訳をしないといけないのかと思いながらも、しどろもどろに事情を説明した。


「ふーん、俺と言う男がいながら、君はアイツと組むんだ?」

「だって、あなたは学園の決闘には参加できないじゃない」

「ジュティ。君の初めては全部俺がほしい。だから、明日、ギルドにクエストを受けに行こう。その後準備をして、一緒に冒険に行く。二人でパーティを組んで。いいだろ?」

「うん! 行く!」


 ジュスティーヌは”ギルド”、”クエスト”、”冒険”、”パーティ”の言葉に目を輝かせて二つ返事で彼の申し出を了承した。なんかその前に凄いことを言われたような気もするが、風の音が強くて聞こえなかったことにした。


  ◇  ◇  ◇


 一方、広場では、空から舞い落ちてきた怪盗プリンスの挑戦状をセドリックが拾い、中身を確認する。


「アル……怪盗プリンスは何と?」


 カイトがセドリックに尋ねる。


『挑戦状 小さな勇者たちよ。君たちの宿敵・魔女姫はこの怪盗プリンスが預かっている。魔女姫を無事に返してほしければ、来週金曜日の午後4時に議事堂前の市民公園の運動広場に集合せよ。諸君らがさきほど目にしたように、私は強い。できるだけ多くの仲間を呼び集めて挑んでくるがいい。 怪盗プリンス』


「だ、そうです」

「おのれーー!! 怪盗プリンスめえ! 来週まで待てるか! 今すぐに取り戻しに行くぞ!!」


 今すぐに市民広場に行こうとするレナードを皆が制止する。


「あの、兄……レオカイザーよ。今行っても、おそらくそこに魔女姫はいません」

「そうだよ! きっと今は怪盗プリンスのアジトにいるんだよ!」


 子どもたちの方が、レナードよりも状況を飲みこめていそうだ。


「だな! マジョリーヌ美人だからなー。スカートめくりとか、アジトの城でエッチなことされているかもなあ」

「な、な、な、なんだとおおお!! スカートめくりだとおおおお!!! ゆ・る・さ・ん!!」


 子どもらよ、君たち以上に子どもなレオカイザーを煽らないでおくれと周りで聞いていた学園生は一様に思う。


「か、怪盗プリンスは王子様なだけあって紳士だから、スカートめくりはしないんじゃないかな?」


 レナードの怒りを鎮めるためにセドリックが必死に取り繕う。


「そ、そうですよ。それにマジカール様もお強いから、怪盗プリンスといえども、そう簡単にスカートをめくったりはできないでしょう」


 同じくカイトも必死になだめる。兄に聞かせるために口にした言葉だったが、カイトの脳裏にはアルフォンスに後ろから抱きしめられ、その後お姫様抱っこをされていたジュスティーヌの姿が浮かび、それを打ち消すように自分にも言い聞かせていた。


「そうですね。ここはひとつ、来週に向けて作戦会議をするのが一番かと!」


 騎士ライダーのケヴィンが建設的な提案をする。


「ですね! ねえ、みんなお友達をたくさん呼んできて! できれば女の子も呼んであげて!」

「それは名案だわ! 女の子がたくさんいたら、きっと怪盗プリンスも思うように力を発揮できないと思うの」


 今度はジョーやドロシーが子どもたちに声かけをした。あれだけカッコいい怪盗プリンスの姿をほかの女子たちに見せてあげたいではないか!


「なるほど、色仕掛けであのエロエロ大魔王の怪盗プリンスを惑わせるというわけか! しかし、どうだろうか。俺の妻ほどの美人はそうはいないぞ!」


 子どもに色仕掛けをさせるわけがないだろう! いや、もう、お前は何もしゃべるなと思う一同。


「とにかく、みんな、来週はお願いね! お友達たくさん呼んできてね。一緒にマジカール様を取り戻しましょう!」


 最後はアンの声掛けで、子どもたちは「おお!」「俺たちでマジョリーヌを取り戻すぞ!」とやる気満々になって帰宅していった。

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