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第43話 お、皇子さまに、キャーな展開でしたわ……!

 ジュスティーヌはアルフォンスに抱きかかえられて部屋に戻ってきた。


 デートに出かけたと思った姫がすぐに男に抱きかかえられて戻ってきたので、ゴシップ誌を見ながらクッキーをボリボリ食べていたメリーは一瞬驚いたが、そこはベテランの侍女である。いろいろと察して、「あ、そう言えば私は街に買い物に行く予定でした。3時間ぐらいは絶対に帰ってこられないでしょうね」と独り言を割と大きな声でつぶやいて、「どうぞ、ごゆっくり」とドアを閉めながら、部屋を後にした。


 最初は自分の手を固く握り締めていたジュスティーヌだったが、アルフォンスに抱きかかえられたので、今度は彼の背中にこれでもかというぐらい強くしがみついていた。


 アルフォンスはジュスティーヌをやさしくベッドに下ろす。アルフォンスが、枕元にあったグリズリーのポーちゃんのぬいぐるみを手に取ると、ジュスティーヌは奪うように抱きかかえて、横になったままアルフォンスに背を向けた。


 アルフォンスはその横に腰を下ろすと、彼女の髪を大きな手で撫でながら優しく語り掛ける。


「もう誰もいないから泣いても大丈夫だよ」

「……あなたがいるじゃない」

「それもそうだ」


 ジュスティーヌは静かに涙を流しているようだった。


「ごめん、途中でとめればよかった。俺が悪い」

「……やさしくしないで」

「それは難しいな。君が愛しくて仕方がないんだ」


 そう口にすると、アルフォンスはジュスティーヌの髪を一束取り自身の口元に持っていった。


「……わたしのような悪い女、本当に好きになる人なんていないから」

「いるよ、ここに」

「そんなの、ウソに決まってる」

「決まってないよ、本当だよ。ずっと好きだった」

「どうせ、顔と身体と剣と魔法の腕が好きなだけでしょ」

「うん、もちろん、それも好きだ。でも、ジュティの気が強いところも、怒りっぽいところも、それを隠そうとしないところも、嬉しそうにかわいい悪巧みをするところも、全部が好きなんだ」


 そうアルフォンスに言われて、ジュスティーヌはポーちゃんのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた。


「絶対にウソ」

「ウソじゃないよ。……キスしてもいい?」

「ダ、ダメに決まってる!」


 思いがけない言葉が飛んできて、ジュスティーヌは慌てたようにアルフォンスを振り返った。アルフォンスはジュスティーヌの涙を拭うと、ダメと言ったのに自身の顔をゆっくりと近づけてきた。


 ジュスティーヌはぎゅっと目をつぶる。


 ダメと言いながらもジュスティーヌは拒絶するような態度はとらない。つまりはそれなりに自分のことを信頼して、好ましく思って、甘えてくれているのだ、それが伝わるとさらに彼女が愛しいと感じた。アルフォンスはジュスティーヌがぎゅっとつぶっている左右の瞼に一度ずつやさしく口づけをした。


 唇にキスされると思っていたジュスティーヌはちょっと驚いて目を見開いた。


 アルフォンスは少し口角をあげて微笑むと、ジュスティーヌのやわらかい唇に自分の人差し指を当ててささやく。


「ファーストキスはもう少しロマンチックなところでしよう」


 キスされるのを期待していたみたいな自分に恥ずかしくなって、若干混乱気味のジュスティーヌは、顔だけ横に向けると、


「ロ、ロマンチックなところって、ダンジョンとか……?」


 と、いつもの彼女らしい発想の発言をしてしまう。こういうところがどこを探してもほかにいない彼女のかわいいところじゃないかとアルフォンスは思う。


「ははっ、そうだね。じゃあ、ダンジョンでキスをしよう」


 そう言うとアルフォンスは今度はジュスティーヌの頬に口づけをした。そして、そのまま覆いかぶさるようにジュスティーヌを抱きしめた。


「ちょっ、ちょっ、ちょっと!!」


 アルフォンスの体温を体中で感じて、ジュスティーヌの顔は真っ赤に、頭の中は真っ白になった。


「ああ、ジュティ。こうしてベッドで、ずっとイチャイチャしていたいけれども、ファーストキスに向けて、君を連れていきたい場所があるんだ」


 そういうとアルフォンスはジュスティーヌを抱き起した。


「そろそろお腹も空いただろう? 出かけようか」


  ◇  ◇  ◇


 一方、ジュスティーヌたちが去った後、寮の前では、地面で目を回しているジーニアスのもとにセドリックが進み出ていた。


「俺はジュスティーヌ姫の護衛騎士だ。あんたの言う通り、姫は普通のかわいらしいお姫様ではないかもしれないが、あんたにあの方の何がわかる。姫の名誉をあのような形で汚されて黙っていられるほど俺はできた人間じゃない!」


 そういうとジーニアスの胸倉をつかみ一発グーパンを食らわせた。


「あんたは王子だ。王族の権力で俺を罰するならば好きにしろ」


 それを見たケヴィンたち、防衛隊の男たちも同じように、「確かに姫様はすっげーおもしろいお方だが、俺ら平民のことも差別することなく、街の平和のために尽くしているじゃないか! 一緒にいたお前にはそれがわからなかったのかよ!」と各自一言文句を言っては一発ずつ殴りつけていった。


 さらにそれを見た、皇子の剣同盟の面々も、「殿下の愛する姫を貶めるとは許せん」と言って一発ずつ殴る。


 当然、PJL2()4()のメンバーの女子たちも「あんたのような気取ったクソ男に、おかわいい姫様の尊さがわかってたまるか!」そういうと各自平手打ちやグーパンを食らわせた。


 ジーニアスは、ジュスティーヌ&アルフォンスLOVEな面々にボコボコにされて、自分が取った行動の報いを受けることになったのだった。

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