表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/55

第34話 悪役令嬢に届いた熱い恋文の数々。 第二弾ですわ。

ブックマークや評価、リアクションもありがとうございました!

おかげさまで、注目度ランキングに本日もランクインできました。

これからもよろしくお願いします。

 アルフォンスは自分の腕の中で気持ちよさそうに眠るジュスティーヌをベッドに寝かせた。


 それにしても、彼女の部屋は年頃の女子、しかもお姫様の部屋とは思えないほど個性的だった。壁にはドラゴン討伐のシーンが描かれた立派なタペストリーや彼女のコレクションの剣が飾られ、彼女が描いたのであろうか、刺繍の原案と思われるゲテモノ系モンスターの絵が何枚も貼られていた。


 ジュスティーヌとしては冒険者の酒場風の雰囲気を出したかったのだが、ガーゴイルやゴーレムほか謎の石像のレプリカがあちこちに置かれていて、どちらかというとモンスター好きな少年の部屋といった様相だった。


 枕元に置かれたぬいぐるみはかわいいテディベア、なわけはなく、どうみても血に飢えた凶悪な熊・グリズリーだった。


 よほど冒険者になりたいのだなと思うと、アルフォンスはジュスティーヌに対する愛しさがさらに増した。


 自分に対して憎まれ口を叩きながらも、ここまで無邪気な顔で寝ている姿を見ると、アルフォンスはジュスティーヌにちょっといたずらしたくなった。だが、セドリックたちもいるのでアルフォンスはブロンドの髪に口づけをするとすぐに部屋を後にした。


 その後、セドリック、カイト、アカネは、実物を見せながら、彼女がもらった手紙について詳しく説明して聞かせた。


「なるほどね。まあ、あの通り彼女は強いから基本的には問題ないだろうけど、この先も引き続き姫のことを気にしてやってもらえると助かるよ。俺も気を付けようとは思うが、学園内でのこととなると卒業してしまった俺はさすがにそこまで口出しできないからね」


 3人は口々に「お任せください」、「承知いたしました」と答えた。


 ◇  ◇  ◇


 翌朝、ジュスティーヌがセドリックたち取り巻きと共に寮を出ると、入り口の前に”皇子の剣”同盟の面々が整列をしていた。


 えっと、これはどう反応すべきなのだろうか……と思っていると、先に大声が飛んできた。


「姫君に朝のご挨拶を申し上げます! 今後、姫君の護衛は我々”皇子の剣”同盟が担当いたしますので、ご安心を!!」


 いや、全然安心できないのですが、うるさそうで……。まぁ、腕自慢で通っているごっつい男たちを連れて歩いていたら悪役令嬢としては箔が付きそうだけど、付きまとわれるデメリットの方が大きくない!? でも、この人たち言っても聞かなそうだしなぁ。


「わかったわ! お前たち、カルガモのごとくわたくしの後ろについてくるといいわ!」


 ええい、こうなったら渡りに船と思って乗ってやろうじゃないの!


「はっ! 有難き幸せ!!」


 堂々たる体躯の男たちにカルガモとは……。セドリックは、母親の後に続きよちよち歩くカルガモの赤ちゃんの絵が頭に浮かび、例えと実物のギャップに思わず笑いそうになったが必死にこらえた。


  ◇  ◇  ◇


 今日も教室の前にあるレターボックスは昨日以上に溢れかえっていた。あまりにも数が多かったので、差出人名がないものはクラスメイト全員で手分けして開封した。半分は昨日着たのと似たような内容で、同じ人が送ってきているのか、例えば24時間365日の人は今日も休まず、付かず離れずの姿勢で監視――ではなくて見守ってくれているとのことだった。


 残りの半分は『ぜひ、俺のことも足蹴にしてください!』とか『僕も姫君の熱い攻撃で吹き飛ばされたい』みたいな内容で、ある意味本当のファンレターっぽかった。


 と、ジュスティーヌはそう理解した。


 一方で、記名のある手紙も何通かあった。


『今回の決闘におけるあなたの戦略的かつ大胆な作戦構築力と、それを実現する確かな魔法、剣術の両技術力に強烈な感銘を覚えております。ぜひこの私とともに優秀な遺伝子を残し、人類のさらなる平和と繁栄のために力を尽くしませんか。インテーリ王国第二王子ジーニアス』


 これは……要するに、わたしと一緒に魔法少女になりたいということかしら? 王子にしてはなかなかの見上げた根性じゃないの。


『姫君の細く長い手足から繰り出されるしなやかな攻撃に身も心もしびれました。ですが、姫君のお身体は今より強く、そして今より美しく成長させることができると信じています。俺と一緒に、日夜秘密の筋トレに励みませんか。俺の部屋には各種筋トレマシーンが揃っていますのでご安心を。追伸:俺の上腕二頭筋はなかなかの寝心地かと自負しております マスール公爵家トレーニー』


 こっちは、筋トレのお誘いで…………


『僕に馬乗りになって、グーでもパーでも構いません、好きなだけ、思う存分殴ってください。姫様の美しい御手が僕の体に幾度となく触れると想像するだけで発狂しそうです。どうか僕のことをその御足で踏みつけてください(できれば素足か10デニール以下の薄手ストッキングでお願いします)。ああ、僕は心底あなたの太ももに絞殺されたい! ナグール公爵が三男ブタレルノスキー』


 これは決闘の申し込みかしら?


「……そっちはどんな内容だった?」


 昨日、アルフォンス皇子から頼まれていたこともあって少し心配そうにカイト王子が尋ねてくる。


「えっと、魔法少女になりたい王子からと、筋トレの誘いと決闘の申し込みだったわ」


 後ろ2通は確かにそういう内容かもしれないが、最初のは絶対に内容を読み違えていると思うカイト王子とクラスメイト達だった。

今日も読んでくださりありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ