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第32話 熱闘の果てに……ですわっ。

いつもご覧くださりありがとうございます。

皆様のおかげでこちらの作品が初めてランクインしました!

感謝いたします!

少しでも楽しんでいただけるようにがんばって書いていきますので、今後ともよろしくお願いします。

 決闘は生徒会と武術鍛錬クラブの立会いの下で行われる。また、決闘前にバフがかけられていないかは魔法研究会が調査する。この日の生徒会のメンバーは、立会いついでに全員で見学に来ていた。


 ソフィーがこちらを見て、


「うーたんとジュリジュリ! レッツゴーエンジョイ決闘ファイトだお!」


 と手でハートマークをつくりながら間の抜けた応援をしてくれた。彼女の一声で、緊迫感あふれていた会場の雰囲気が一気にしょぼくなった。


 対戦相手の男性、まったくもってうーたんという見た目ではないが、ジュリジュリでもなさそうだから、うーたんなのだろう。ということは、わたしがジュリジュリ? リの要素、名前にないんだけど……。


「ふっ、悪く思わないでくれよ、お姫様」

「うーたんこそ、わたくしがお姫様相手だと思って油断しないほうがよろしくってよ」


 ジュスティーヌにそう言われてうーたんの顔色がサッと変わり、こちらを睨みつけてきた。どうもうーたんというあだ名は好きじゃないらしい。


 わかるー! わたしもジュリジュリはジョリジョリのおひげみたいでやだもん。


「ねえ、うーたん、うーたんはランクなんですか? うーたん、強そうだからSランクですか? さすがうーたん!」


 まずはうーたんを連発して、精神攻撃だ!


 ジュスティーヌの精神攻撃によって、うーたんは40のダメージを受けた!


 という感じにこの精神攻撃は効いてそうだ。歯ぎしりをしているうーたんはすでにブチ切れ寸前といった様子である。


いよいよジュリジュリ対うーたんの決闘の火ぶたが切って落とされようとしていた。


「これより、武術鍛錬クラブ副部長クロード・デシャン立会いの元、ウッド・アンダーヒルとジュスティーヌ・グランソードの決闘を行う。両者前へ」


 ウッドなんとかさんというのね、うーたんは。


 立会人の号令で二人は中央に来ると、魔法研究会の生徒が二人にバフ解除の呪文をかける。


「では、両者剣を合わせよ。己の技と力を尽くし、不実なる攻撃をなすべからず。どのような結果になろうとも異議を唱えず、出た勝敗に従うことを誓え」


 二人が剣先を合わせたままおのおの「誓います」と答える。


「Go Fight!」


 クロードの掛け声とともに、ジュスティーヌは矢継ぎ早に呪文を唱え自分にクイックのバフを、相手にスローのデバフをかける。無詠唱で二つの呪文を唱えたことに観客はもちろんのこと、うーたんは驚き、完全にペースを乱される。


 この時点ですでにジュスティーヌの勝利は決まったようなものだ。あとは隙をみて、相手の攻撃をかわしつつ、ジワジワとダメージを与えていく。余裕がある時に、相手にアキュラシーダウンやダズル(目くらまし・幻惑)を、自分にはアキュラシーアップ(命中率)やリジェネラティブ(継続回復)をかけた。


 ジュスティーヌはちょこちょこ動き回っては、相手が剣を振り上げた隙にわき腹や脚を狙って自身のレイピアを突き立てまくった。途中、もちなおしかけたうーたんだったが、徐々に体力を削られていき、ほとんどジュスティーヌの攻撃を剣で跳ね返すことができなくなり、防戦一方になっていった。


 15分ぐらい経過したのちに、ついにうーたんのメダルが音を立てて割れた。


「勝者、ジュスティーヌ・グランソード!」


 立会人のクロードが高らかに宣言した。一瞬の静寂の後に観客たちは一斉に歓声を上げた。


 うーたんはガクっと膝を落としてその場に座り込んだまま動けなくなってしまった。


「うーたん、あなたなかなかの好敵手だったわ。決着がつくまでに思った以上に時間がかかってしまったわ」


 皇子の剣のメンバーたちはうーたんに駆け寄る。ダメージそのものはメダルが受けてくれているが、体力は削られる。15分も緊張状態の中で剣を振り続けていればうーたんの体力はすでに限界に近いだろう。もっともそれはお互いさまではあるのだが。


「勝負に負けたあなた方は大・勝・利を収めたわたくしにまだ何かおっしゃりたいことがありますの?」


 すると決闘前までは雄々しく吠えていた隊長と思しき男が頭を下げながら語りだす。


「姫君、どうかお許しください! あなたの殿下への噓偽りない激烈な愛を見せてもらった!」


 えっ、ないけど、そんな愛なんて、ないですけど!


「あなたの実力も殿下に相応しいと認めざるを得ない」


 そっちだけでいいんだけど。


「これからは我々”皇子の剣”同盟は、殿下と姫君の世紀の熱愛を心の底から応援する!」


 いやいや、応援しないでいいから! 今後も邪魔しよう!? ね?


 観客たちからは再び大きな拍手と歓声が上がった。死闘の後に芽生えし美しき友情! みたいな雰囲気になってしまった。


「お、応援はしなくて結構ですわ」


 とりあえず、もうこの人たちにはあまり関わりたくないからこれだけは伝えておこう。


「なんと! 姫君と殿下の絆はすでにオリハルコンよりも固く、我々なんぞの応援は不要ということですな!」


 いや、全然ちがうからさ。この人たち、何でも自分たちのいいように解釈できちゃう話通じない系の人だー!


「……とにかく、わたくしは失礼させていただくわ」


「燃え上がるように素晴らしい夜を!」


 なんだその見送りの言葉は……。


 思惑通り無事に決闘を制したジュスティーヌだが、集中力が必要な無詠唱魔法を連発していたので、実は結構フラフラだった。熱さよりも何よりも早く寝たいと思うジュスティーヌだった。

本日も読んでくださりありがとうございました!

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