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第19話 パーティには取り巻きたちを引き連れて参加しますわ!

 今週末には新入生のための歓迎パーティが開かれる。学園で開かれるパーティは平民に配慮されていて、ドレスコードも制服でよく、ダンスが踊れることやエスコートなども必ずしも必要ではない。そんなこともあってか、学園で開催されるパーティは平民の出席率が非常に高かった。


 それにこの手のパーティには生徒だけでなく、学園のOB・OGや有力者などが来訪することも多々あり、有名人を身近に拝め、あわよくば話をすることもできる貴重な場でもあった。


 ここで悪役令嬢としてスポットライトを浴びることで、王侯貴族の紳士たちに婚約者候補から除外してもらうチャンスと思い、ジュスティーヌは気合を入れて参加することにした。


「ダッサイピンクのフリフリドレスと、ギラギラした赤と黒のド派手ドレスのどっちがいいと思う?」


 一応セドリックに聞いてみる。


「俺に聞かれてもなぁ。ただ、どちらかというと参加者は前者のドレスに近いものを着ている気がするな」


 まぁ、一般的にピンクのフリフリは男性受けがいい。そうなれば、ジュスティーヌが着るべきドレスは一択だ。ついでにやたらデカいだけでデザイン性の低いアクセサリー(変態皇子の瞳の色と同じ青系以外の色)を合わせれば完璧だ。


 あとはエスコートを誰にお願いするかだ。できれば令嬢たちの反感を買いそうな相手が望ましい。なぜならば、絡まれて口論にでもなれば、ジュスティーヌの悪評をいとも簡単に広げることができるからだ。


 そうなると、セドリックでは少々、いやものすごく物足りない。


 やっぱりカイト王子か? 彼には婚約者候補の女性たちがたくさんいるものの、その中の誰かを自分では()()()()と言っていた。そういう点では割とお互いの利害が一致していそうではある。


 が、彼の婚約者候補たちとは一度ドンパチやっている。ここは案外、フルード公爵令息を選んだ方が節操がない感じがして悪女感を演出できるのでは?


 一応またセドリックに聞いてみる。


「ねえ、エスコート役がカイト王子とフルード公爵令息だったら、どっちのが悪役令嬢っぽいと思う?」

「俺に聞かれてもなぁ……」

「だよねぇ」


 まあ、こちらが望んだところで、相手が了承してくれるとも限らない。それにそもそもエスコートが不要となると、誰も引き受けてくれないかもしれない。同級生たちはどうするのか、とりあえずクラスでそれとなく聞いてみることにした。


「皆さんは週末の歓迎パーティには参加されますの?」


 ランチタイムにさりげなく聞いてみた。


「一応、僕は参加する予定だよ」

「俺も国の先輩に誘われてるからな」


 王侯貴族組は参加するらしい。


「アカネとビビアンはどうなさるの?」

「興味はありますが、その手の会合には参加したことがなく、どのような場所かもわからないため迷っています。知り合いもあまりいないので……」

「王子様たちを見たいけど、あたしなんかがいっても場違いじゃないかな? 相応しいドレスを持っているわけでもないし。まぁ、制服でもいいんだろうけど」

「ビビアン、よろしかったらわたくしのドレス、お貸ししますよ? アカネも、わたくしと一緒にいればいいじゃない」

「でも、姫様とあたしじゃサイズが違うと思うんですけど」

「そんなのなんとでもなるわ、任せて」

「姫君はセドリック様と参加なさるのでは?」

「いつも一緒にいるセディと行っても何も面白くないもの」


 これは二人を取り巻きとするために口説き落とせそうだ。しかも、ドレスという賄賂を贈るとは、結構な悪ではないか。


 女子の会話を聞いて、平民の男たちも俄然やる気を出した。普段制服姿の女子たちのドレス姿が見られるのだから。これは是が非でもパーティに参加するしかない。


「俺も行ってみようかな。うまいもの食えそうだし」

「ビビアンが行くならば、俺が行ってもおかしくねえよな」


 こうしてジュスティーヌのクラスメイトのほとんどがパーティに参加することになった。


  ◇  ◇  ◇


 ジュスティーヌはアカネ、ビビアンと侍女のメリーの4人で街のブティックを訪れていた。


「えーっ、これ新品じゃないですか! そんなお金ないです……」


 ビビアンがビビる。


「ドレス代はわたくしが払うわ。まあ賄賂だと思っていただければよろしくってよ」

「賄賂ですか? ってことは、私は姫様に買収されて何をすればいいの?」


 取り巻きにするために悪女に買収されたと学園中に吹聴してくださればよろしくってよ!


「パーティに一緒に来てもらえればそれで構わないわ。わたくし、お友達とパーティに出るのは初めてなの。アカネも好きなものを選んでちょうだいな。これは賄賂だから遠慮せずに」


 とりあえず賄賂を連呼しておいた。店のマダムが、学園の悪役令嬢が同級生を買収していたというよからぬ噂を広げてくれるかもしれないから。


 結局、ビビアンはラベンダー色のカクテルドレスを、アカネはオリーブ色のコクーンドレスを選んだ。それぞれ、ドレスにあった小物も見繕う。


「これで完璧ね! パーティが楽しみだわ」


 悪役令嬢とかそういうの抜きで、友達とお買い物をするのは初めての経験で本当にただ楽しかった。

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