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第17話 防衛隊、形から入るのも大切ですわ!

明けましておめでとうございます。

ご覧いただきありがとうございます。

がんばって書いていきますので、今年もよろしくお願いいたします!


――今までのあらすじ


 不幸な結婚をしたくないがため、悪女になろうと決意した姫、ジュスティーヌ。デビュタントの舞踏会でファーストダンスを踊ったのは帝国の第二皇子アルフォンス。悪女らしく彼の足を踏もうと奮闘するも失敗。しかもその場でプロポーズされてしまう(第3話までの話)


 その後、ジュスティーヌは学園に入学する。クラスメイトの婚約者候補の令嬢たちに絡まれ、それを撃退したり(第6話)、取り巻きが欲しくて街でナンパ男をやっつけたり(第9~11話)、聖女候補の女子と口論したり(第13話)しながらも、悪役令嬢を目指して学園生活を満喫しているのだった。

 さて、悪役令嬢として聖女候補対策に追われていたジュスティーヌだが、取り巻きたちと約束をしていた平和防衛隊の始動のときがやってきた。


 ジュスティーヌは防衛隊の拠点として、クラブ活動が行われている学生会館の地下にある空き倉庫を借りることにした。


「なんで地下なんですか? 上の部屋、まだ空きはありますよね?」


 防衛隊員1号のセドリックがもっともな疑問を呈する。


「地下の方が秘密基地っぽくていいでしょ? 正義のヒーロー、ヒロインは正体を隠して密かに悪と対峙するものなんだから」


「はあ、正義のヒーローですか……」


 だから、ナンパ男を倒した後でとっさに彼女は魔法少女マジカールを名乗ったのか。もしかして、この展開は俺にも魔法少女もどきをやれって言ってくる系のやつでは……!?


 なんだか嫌な予感しかしていないセドリックだった。


『ヘイワノ シトヘ ツグ ホンジツ ガクセイカイカン チカニ コラレタシ(平和の使徒へ告ぐ。本日、学生会館地下に来られたし)』


 放課後、ジュスティーヌは隊のメンバーである、ケヴィン、ボブ、マイク、ダンに、全然暗号文になっていない暗号文風の手紙を送りつけて、秘密裏に学生会館の地下にある防衛活動指令室に呼び寄せた。


「こ、ここが俺たちの活動拠点なんですか?」


 防衛隊員2号のケヴィンがためらいがちに尋ねてくる。


 気持ちはわかる! こんな普段は倉庫として使われている、窓もないような部屋に集合するなんて嫌だよな。勇気を出して姫様に文句を言ってくれ! 俺には無理だが、お前ならば言える! 頼む!!


 と、セドリックは内心で強く願う。


「なんというかここって…………秘密基地みたいでワクワクしますね!」

「ですね! さすがは姫様、よくぞこのような最適な場所を用意してくださいました!」


 ダメだった。防衛隊員の何人は十分あっち側の人間だった。


「ふっふっふっ、驚くのはまだ早いわよ」


 まだ何かあるのか!? というか、これは絶対にみんなで変身ヒーローにならないといけない系のやつだろう? 真剣に勘弁してくれー!


「みんなのバトルスーツを用意してあるわ! 好きなものを選ぶといいわ!」


 うわー、やっぱしきたーー、今度こそ誰か反対してくれ! そんなの着るの恥ずかしいから嫌だって!


 貴族の紳士であるセドリックは、その手の遊びはすでに何年も昔に卒業しているので、本当に嫌なのだろう。今日はセドリックの心の声が妙にうるさい。


「おおおおおおっ!! このベルトかっけー! これって騎士ライダーの衣装じゃないっすか!」

「おい、みろよっ、こっちはコウモリ紳士の衣装だ!!」

「俺は、これだ! クールなブルーにも憧れるが、やっぱりレッドレンジャーにするぜ!」

「わかってないな、男はやっぱりこれだろっ! 筋肉出してナンボだ! 俺はマッチョボーイにするぞ」


 ダメだった。みんなあっち側の人間だった。


 これって俺もならないとダメなやつかな? 俺は指令室勤務の長官とかって立場でもいいんだけど。


「セドリック先輩は何になるんっすか?」


 コウモリ紳士になることを選択した防衛隊員4号のマイクが余計な声かけをしてくる。


「俺は、そうだなぁ、うーん、ど、どれも素晴らしい衣装だからなぁ。迷うなぁ。はははっ」


 セドリックはものすごい棒読みで台詞を吐く。


「ですよね! 俺もクモ少年と迷いましたからねっ!」

「セドリック、あなたはこの中から選ばなくても結構よ」

「えっ! 本当ですか! いや、それは助かりました」


 おっと、危ない。つい本音が。


「あなたの衣装はもう決まっているの」

「えっ! 決まっている!?」

「そう、あなたの衣装はこれ!」


 そういうとジュスティーヌは真っ黒い袋のようなものを取り出した。


「……こ、これ、衣装なんですか……? 一体、何の?」

「海坊主よ。アカネの出身国に住む海の妖怪よ」

「えっ……。なんで、俺だけ妖怪?」

「ヒーローばかりではつまらないでしょ? 一人ぐらいは悪者がいてもいいかなと思って」

「悪者なのに街の平和を守るんですか? それとも悪者だから平和を乱すのですか?」

「当然、平和を守るのよ」

「どうやって? 悪者なのに?」

「悪者は悪者なりにできることがあるでしょ? 例えば、脅して早く家に帰らせて犯罪を未然に防ぐとか」

「さすがは姫様! とても深いお考えですね!」


 自分はさっさとレッドレンジャーになることを決めた防衛隊員3号のボブがジュスティーヌを褒めそやす。


 どこが深いんだ! 未然に防ぐだけだったら別にこの衣装はいらないだろうが!


「あっ、でも、セドリック先輩もカッコいい衣装着たかったですよね? 俺のマッチョボーイと交換しますか?」

「いや、いいよ、これで」


 ってか、マッチョボーイの衣装はカッコよくないだろう? 下半身パンツ一丁だぞ! そっちのが恥ずかしいだろ!


 セドリックは、脳筋の様できちんと気を使える男・防衛隊員5号ダンの申し出を丁重に断った。


「で、姫様は何をお召しに??」


 自分たちのカッコいい衣装を確保したからには、一番の関心は美しい姫がどのような衣装を身に纏うかになる。


「ああ、わたくしはオリジナルの魔法少女よ」


 魔法少女! それは楽しみすぎる。防衛隊に志願してよかったと思うケヴィン達防衛隊員だった。


「さあ、では早速着替えて、街の平和のために尽くしますわよ!」

「おおーっ!!」


 セドリック以外はノリノリの平和防衛隊員たちであった。

読んでいただきありがとうございました!

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