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最強の悪女の仕立て方。~不幸な結婚をしたくないので、悪役令嬢を目指しているのに、なぜかイケメン皇子その他大勢に愛され、困惑しつつも学園生活を満喫していますわ!  作者: いか墨ドルチェ
第三章 学園の華は、何といっても悪女と学園祭ですわ

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第103話 みんなで王子様を探すのですわ!

「ああ、でもわたし、強いだけの王子様にも飽きちゃったわ。やっぱり、男はお金よ! 今度はお金持ちの王子様とお知り合いになりたいわっ」


 いやはや、自分で言っていて酷い台詞だなぁと思う。でも、裏を返せば悪女らしい素晴らしい台詞でもあった。


 今度は、レナードは「俺は金持ち王子だぞ」などと言って騒がなかった。自分は金目の財産をあまり持っていないと自覚しているのだろうか、そのあたりは不明であるが……。


「お金持ちの王子でおじゃるか? そうよのぉ、彼は笛の名人らしいぞえ」


 お金持ちっぽい服装のモブたちは、王子かと問われてそう答えた。


「マジカールご所望の王子はまだ見つからないのか!?」

「おっと、そうしている間にマジカールの手下がまた探偵チームに寝返ったぞ! これで両陣営の手下は3対3の同点だ!」


 なぜか、マジカールの手下は変わったものが大好きらしい。ある者はうさぎのぬいぐるみを、別の者は木彫りのお守りを要求する。


「俺を仲間にしたいんだったら、笑えるダジャレを2つ言ってみな」

「えー、ふとんがふっとんだ! トイレに行っといれ!」

「ぶわははははっ。よし、仲間になってやろう!」

「よっしゃー!」


「犬と猫どっち派だ? 一致したら仲間になってやろう。せーの」

「犬!」

「猫」

「残念、出直してきな!」


「タケノコとキノコどっち派だ? せーの」

「タケノコ!」

「タケノコ。よし、お前の仲間になってやろう!」


 中には物ではないモノを要求する手下もいる。ちなみに、マジカール様は、犬派かつキノコ派である。よって、この手下はどっちにしてもクビだなと思いながらやり取りを聞いていた。


「さあ、残る仲間キャラは、王子が一人に手下が二人だ!」

「現在、探偵チームが仲間にした手下は5人! 怪盗チームの4人を一歩リードしている!」

「残り時間はあと約7分! 両チームとも最後の力を振り絞れ!」

「あっ、ついに王子様が見つかったぞ! 見つけたのはなんと探偵チームだ!」

「マジカール様にこの笛の音を捧げます!」


 そういうと王子役の生徒は、およそフルートで演奏する曲とは思えない激しい曲を吹き出した。確かに彼は笛の名手であった。鬼ごっこのラストを盛り上げる切迫感のある曲に合わせて、ジュスティーヌは怪盗たちを捕まえて回る。


 しかし、最後の最後で、牢屋番Aが、彼が望んだ”今日お誕生日の人”によって怪盗チームに買収されて、牢屋の一つが開いてしまう。


 こうして大逆転で怪盗チームの勝利となった。最後はみんなで、今日お誕生日の人たちのお誕生日をお祝いして鬼ごっこは幕を閉じた。


「やったー、俺らの勝ちだ!」

「楽しかったねー」

「悔しい、もう一回やる!」


 楽しい宴が終わり、皆、思い思いに言いたいことをしゃべっていると、どこからともなく女の子たちの「キャー」という歓声が聞こえてくる。


 このBGMはだいたい誰かさん登場の合図だ。


「アルフォンス殿下だ! やばい、超カッコイイ!!」

「うっそー! 本物じゃん!」

「殿下ー!! こっち見てくださーい!」


 アルフォンスは小学生女子たちに手を振り笑顔で微笑みかける。小学生女子たちは「キャーキャー」言いながら飛び跳ねて喜んでいた。


 男子たちも負けじと「殿下―!」「握手してください!」とアルフォンスを取り囲もうとしていた。


 ジュスティーヌは誰が見てもわかるぐらい不機嫌そうな顔つきでその様子をジーッと見ていた。


「小さなレディに紳士諸君、申し訳ない。俺のお姫様が待っているから、ここを通してもらってもいいだろうか?」


 アルフォンスが丁寧にそう告げると、子どもたちはわーわー騒ぎながらも自然と道をあける。”カリスマ”というのはこういうことを言うのだろう。


「俺のお姫様はどうしてそんなにご機嫌斜めなのかい?」


 アルフォンスは、それがさも当然であるかのように、ジュスティーヌ髪を一束とると口づけをする。


「あれ、お姉がよく見ている恋愛小説に出てくるやつじゃん! 王子様ってまじで髪にキスするんだ!」


 女子たちはずっとキャーキャー騒いている。


「べ・つ・に! ぜーんぜん、ご機嫌ですがっ!」

「ほら、怒ってるじゃないか? 最近、二人でゆっくり過ごす時間を取れていなかったからね。月曜日は二人で出かけようか」

「べ、別に、誘われるのを待っていたわけじゃないし……」


 完全にツンデレ化しているジュスティーヌは、デートに誘われ、拗ねながらも若干嬉しそうに頬を赤く染めていた。


「ねえねえ、マジョリーヌはアルフォンス殿下のことが好きなの?」


 純粋な子どもが純粋な目でジュスティーヌを見上げながら、強烈な爆弾質問を投げかけてきた。


「はあ!? べべべ、別に、そそそ、そういうわけではなくてーーー!!」


 全力で手を振って否定するジュスティーヌ。


「あー、あやしー。マジョリーヌ、ぜってー殿下のことが好きだぞ、これ!」

「殿下、カッコいいもんなー。めちゃくちゃ強いらしいしなー」

「マジョリーヌは殿下と怪盗プリンスどっちが好きなんだ?」

「どっちもじゃねえ? マジョリーヌはイケメン王子好きだからなー」

「こ、こらーっ!! お、お姉さんを揶揄うのはやめなさーいっ!!」


 完全に子どもたちに手玉にとられているジュスティーヌ。アルフォンスはその様子を隣でニコニコしながら眺めていた。


「そうだぞ! マジカルピンキーな妻が愛しているのは何を隠そう、この俺様、スターレナード様、ただ一人だ!」


 いきなりレナードが会話に乱入する。


「そりゃねーな。この兄ちゃんはいつも怪盗プリンスに負けてるもんなー」

「だな、この兄ちゃんの隣にいても、マジョリーヌ、全然ドキドキしてなさそうだもんな」

「フラれたな、この兄ちゃん」

「あれだな、いい人だけど、男として見られないとか言われちゃうやつだな、これ」

「ガーーーーン」


 子どもたちに散々からかわれて、レナードはガクっと膝をついて、真剣に落ち込んでいた。


 とりあえず、子どもにからかわれているジュスティーヌとレナードが面白いから、誰も子どもたちの暴走を止めようとはしなかった。

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