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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第92話 狂気の女王

夫婦円満の秘訣が分かる回(誇大広告)

「レベッカは誰に修行をつけてもらったの?すっごい疲れてたような気がしたけど。」


「ははっ、正直思い出したくないかも…あーでもみんなは知ってた方が良いのかしらね…。アンタたちって妖精の女王って言ったら誰だと思う?」


「女王様かぁ…あぁあれなんだっけ?シルフ?えっとあれは精霊だったかな?」


「そもそも王様じゃなくて女王なんだ。」


「ティターニア様でござろう。実在するとは思っていなかったでござるか、たまに聞く妖精女王というのはティターニア様のことかなと思っていたでござる。ゲームなんかでは王配のオーベロンより強かったりするでござるな。」


『王配って王位が女性にあったとき、つまり女王様の旦那さんってことですよね。』


「へぇ、随分解像度高くティターニア様のことが伝わっているのね。ちなみに性格は知られているの?」


「性格でござるかぁ。あまり特殊な例は見ないでござるかなぁ。まぁ妖精の女王ということで優しくて包容力がある感じではないでござろうか。」


「・・・・・」


「レ、レベッカ?大丈夫?止まってる?」


「はっ!?いやいやいや、あーそう、そうなの。まぁそうよね。性格まで伝わってる神なんてまぁいないでしょうし、そうよね。名が知れているだけでもさすが女王様って感じだわ。知らない方が良いことも沢山あるしね。」


 レベッカにしては歯切れが悪いというか、なにかに怯えているような態度って珍しいな。修行もキツかったようだし、ティターニア様という女王様というのが妖精の中ではそれだけ恐ろしい存在なのかもしれない。日本には王様っていないし、天皇様は威張ったりしないしなぁ。総理大臣も高宮総理は三英傑って呼ばれるくらい立派な方だし。


「それでそれで!どんな修業だったの?」


「周囲のプラーナを集めて使う訓練かしら…自分の中にあるプラーナだけじゃなくて、私達のまわりに存在するプラーナを集めて自分の力として使うのよ。まぁこれは言うほど簡単じゃなくてねぇ。」


「周囲のプラーナかぁ。プラーナって自分の中にあるものを引き出して練って使うイメージだったなぁ。」


『プラーナって確かに少しずつ周りから吸収して回復していると思うんだけど、そんなにたくさんの量があるの?アクマを倒した時に吸収するのは相手が持っていたプラーナでしょ?』


「確かに、周囲に沢山あるなら使い放題でござるな。効果の有無はともかく、沢山の人数でバレットを打ち続けるだけでも、大量のアクマを倒せるでござる。」


「そう、そこがポイントね。あなたたちが思う通り、そんなにたくさんのプラーナが周囲に漂っている訳じゃないわ。」


 全員頭の上のはてなマークが乗っている気がする。なにか特殊な方法のでかき集めたり、増幅したりするのだろうか。

 でもそれだと効率が悪そうだな。わざわざ集めたり増幅したりするくらいなら、自分のプラーナを使った方が速度的に早そうだし、戦闘中にそんなことしてられないと思う。


「ま、そうよね。あなたたちはあまり実感がわかないと思うけど、神でも扱いきれない膨大なプラーナがあるのよ。名前は聞いたことがあるわよ。」


「それって?まさか…」


「えぇぇ、全然分かんないよ!そんなのがあればみんな使えばいいんじゃないの?」


「できれば誰もがそうしているかもね。でもそのプラーナがある場所は、マルガよ。プラーナ・マルガ。魂が流れていく道。この世界の中心から流れどこか遠くまで続いている。」


「マジか…それは確かにとんでもない量があるかもしれないけど…」


「ホオリの想像の通りよ。物凄く危険なのよ。下手に近づくと魂ごと持って行かれるから。恐らくこの星の神の中で最もプラーナの扱いに長けているティターニア様でさえ、ほんの少しだけ自分の方に流して使うので精一杯。まぁそれを笑いながらやるのはあの方の恐ろしいところなんだけど。」


「余裕があるってこと?」


「違うわ。リスクを楽しんでいるのよ。」


「く、狂ってるでござる…」


「まぁマルガからプラーナを持ってくるのは方法であって、お題はティターニア様の障壁をぶち抜くって内容だったんだけどね。」


『結果的にそれをするためにはマルガからプラーナを持ってこれるようにならなかったって事だね。』


「そーゆーこと。マルガに近づいてプラーナを必要なだけ持ってくる。そして、大火力で障壁を破るって流れね。一応、知識をしてはそんなことをティターニア様がやってるってことは知ってたわ。でもそれを自分がやる羽目になるなんてね。ストームプリズンはマルガのプラーナがないと発動できないから、アレを使う時は本当にドキドキなのよ。」


「癖になったりするでござるか?」


「ないない!あの恐怖が癖になるとか…はぁ、下手なこと言って耳に入ったらどんなひどい目にあうか分からないから言わないわ。」


 なるほどな。レベッカが思い出したくないって言うのもわかるよ。そう考えると師匠はかなり常識的な方だったと思う。地稽古はキツかったけど、駄目なところを的確に教えてくれたから自分が成長している実感があったしなぁ。


「ワタツミ様ってすごく親切だったんだなって、レベッカの話を聞いて思ったよ。たまーにすごく優しい目で見られたこともあったし、無理に何かをしろって感じじゃなかったからなぁ。レベッカは大変だったんだね。」


「まぁアンタの場合はそうでしょう。一応誤解が無いように言っておくけど、私たち妖精族にとって女王様に修行を付けてもらうって、とんでもない名誉なことなのよ。それが自分だったら嬉しいのかというのは別にしてね。妖精族の名誉のために言っておくわ。」


「旦那さんの、オーベロン様だったけ?その方は出てこないの。」


「オーベロン様もいらっしゃったわよ。修行には当然参加されないけど。オーベロン様はね、苦労人よ。ティターニア様のやらかしたことは全部あの方が後始末するから…」


「かかあ天下で夫婦が円満…というでござるしな。」


 深い…かな…。

実力のあるマイペースは災害です。


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