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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第89話 福島さんの道

福島さんって実は…

「こうして福島さんに運転してもらうの、久しぶりですね。」


「現実では1日程度しか経っていないでござるがな。ロカ・プラーナとは不思議なところでござるよ。」


「上田さんは、どういった経緯でオオヤマツミ様の修行を受けられたんですか?」


「正直、偶然としか言いようがないんだ。もともと瀬戸内市、いや岡山県の方がわかりやすいか、で自分が満足のいく刀を作りたいと思い刀匠を営んでいた。だがどうしても満足のいく出来にならなくてな。行き詰っていたので、気分を変えようと神社を巡ることにした。鉱石と言えば山という安直な考えで、大山祇神社に礼拝をしようと大三島に来ていたところで、大崩壊が起きた。岡山は無事が確認できていないし戻れないって言うんで、ここで避難民として過ごしていたところで、オオヤマツミ様に直接声を掛けられたんだよ。」


「そ、それってすごいですね。失礼ですがご家族は…」


「まぁこのご時世に自分のための刀を作るために刀匠になったような男だ。身内はもともといないのさ。遠い親戚はどこかにいるんだろうが、連絡を取ったこともないしなぁ。」


「兄者は完全に変人でござるよ。特に刀に対する執念が異常でござる。プラーナを使った鍛冶を始めてより変人になったでござる。」


「福島、言うじゃねぇか。まぁ否定はできん。プラーナを注いだ金属で刀を打つ。今まで考えられなかったような出来の刀が出来るようになるんだ。ただ俺は福島ほどプラーナの扱いが上手くなくてな。まだまだ納得のいく刀は打てていない。」


「理想が高すぎるでござるよ。性能としては十分すぎるでござるから、満足いかなかったものは戦闘部隊に回して欲しいでござる。秋田さんは木刀を使っているから日本刀でもすぐに扱えるようになると思うでござる。」


「まぁせっかく作ったものを捨てたら師匠に叩きのめされるから、それでも良いがなぁ。刀を使うやつはそんなにいるのか?」


「結局、木刀が多いでござるよ。盾も使っているから邪道と言われそうでござるがな。」


「邪道どころじゃねぇな。それはもう日本刀の運用とは完全に別物だ。」


「遠距離攻撃をするアクマも少ないくないから盾のあるなしで負傷度合いが全然違うんでござるよ。盾と言っても腕に固定するバックラーが主流だから、剣を振るう時に両手持ちすることは可能でござる。」


「フン、そんなもんかね。プラーナで腕力も上がるから片手で振れるってのもあるだろうが、何というか引っかかるものはあるな。」


「兄者は剣士でもあるから、そうかもしれんでござるな。」


「あ、ここですよ。」


「ここの風呂は最高だよな。でも入る前に髪を切ってもらおう。床屋の大将は手すきかな…」


 併設の床屋さんはお客さんがいなかったので、すぐに髪を切り始めてくれた。上田さんと福島さんは髪を切ってもらい、髭も沿ってもらったのでとてもさっぱりしている。


 あれ、福島さん、前と結構違って見えるな。中身を知らないとイケメンに見えなくもないような…。あごの下にあった贅肉が全然なくなっているから顔の形自体が違って見える。ひげでわからなかったけど、これは…。女性陣の反応がどうなるやら。


 そんなことを思いながら、さっぱりした後の帰り道。


「お前たちは明日東京に戻るのか?」


「はい、その予定です。」


「兄者も乗っていくでござるか?名古屋に行くんでござるよな?」


「ああ、名古屋を拠点にしてくれとリーダー会に言われている。暫定的ではあるが、製造関係は名古屋に集中させる方針みたいだな。

 申し出はありがたいが、すでにリーダー会が迎えを手配していると聞いているし、師匠も連れて行くからな。明日は別行動だ。」


「分かったでござる。拙者もホーリーたちをモールに連れて帰ったら名古屋に向かうでござるよ。」


「えっ?福島さんってこの先は一緒に行動できないんですか?」


「おお、そうでござった。説明してなかったでござるよな。

 さっき兄者が言った通り、生産の拠点は名古屋に集中すると決まったでござる。拙者らはプラーナ鍛冶として、武具や道具の生産・開発の主要メンバーになってしまったので、これからは別行動でござるなぁ。」


「そうなんですね…さみしくなります…。」


「はっはっはっ、嬉しいことを言ってくれるでござる。でも足がなくなって困るのが本音でござろう?」


 ニシシと笑いながらからかってくる福島さん。確かに車を運転できる人がいなくなるのは大変だけど、それ以上にこの度の半分くらいは一緒にいたので寂しいんだけどな。


「おっと、からかってすまなかった。拙者もさみしいでござるよ。でもホーリーたちの武具も拙者が作ることになると思う。今度は別の側面からホーリーたちをサポートするでござるよ。

 それに運転手も奈良さんと秋田さんが考えてくれているらしいでござるから安心するでござる。」


「俺は刀専門だからな。まぁ他のものも作ると言えば作るが、お前たちのことは福島の方がよく知っているし、その割り振りでやろうってな。」


「そうだったんですね…ありがとうございます!福島さん!離れていても俺達仲間ですよね!」


「もちろんでござる!」


 3人で旅館に向かうと、すでにミコトが部屋を押さえてくれていた。夕食も人数分用意いただけるようだ。急なお願いなのに快くOKしてくれたおかみさんの思いやりに心が温かくなる。


「私までお世話になってしまってすみません。」


「いえいえ、上田さんなら大歓迎ですよ!まさか上田さんと高屋君たちが知り合いだなんてしらなかったら驚きましたけどね。」


「ふふ、まぁ色々縁がありまして。私だって偶然オオヤマツミ様のところに来ていたから助かった。皆さんもオオヤマツミ様の本拠だったから助かった。本当に不思議なものですね。」


 上田さんはこの旅館に泊まっていたらしい。本当に不思議な縁が繋がっている。


 夕食の時に福島さんとの旅が最後だということを話す。みんな残念がっていた。ただ、それ以外のサプライズが多すぎて、なんだか雑多な夕食になってしまった。


「ここここコッチー殿が喋ってるぅぅぅ!」


「ね、ネコが喋るとは…もう今までの世界とは違うことを再認識したな…」


 コッチーが念話とは言え喋る、というか姉さんとして会話するようになったことへの驚き。


『ふ、福島さんの外見が別人のようなんだけど…』


「アンタ、ロカ・プラーナで何があったのよ…私の修行よりつらかったのかしら…」


「むー、贅肉がきれいに落ちて筋肉になってきてる…。肉がつきやすい人は鍛えれば筋肉になるのズルいと思うんだ、わたし。」


「そ、そんなに変わっているでござるか?」


「確かに福島のたるんだ肉体は鍛冶師として不釣り合いだったからな。規則正しい生活。質素な食事。鍛冶の修行と身がしまるのは当然だろう。」


「そう言われると、人生で一番健全な生活だったかもしれないでござる。娯楽もなしにひたすら鍛冶を…くぅ…」


『中身がアレじゃなかったら普通にカッコいい外見なのに…』


「あら、キズナはあーゆー感じが好みなの?」


 なにっ!聞き捨てならんぞ!


『えっ、いやいやいやいや!そーゆー訳じゃなくって!ほら、一般的にイケメンの部類だねって話だよ。私の好みが、とかじゃなくて!』


「あーらら、ちょっとおもしろいことになってきたわね。ホオリ、ちょくちょく名古屋には寄ってあげなさいな。お姉ちゃんの幸せは大事でしょ。」


「それはどうだろうね!ね、福島さん!」


「い、いや。拙者は何も言ってないでござるよ。ホーリー、目が、目が怖いでござる…」

健康な生活をすると体は引き締まります。宅トレでも続けると結構しまります。パワー

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