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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第87話 大三島の塩とお湯

いわゆる温泉回。サプライズもあるよ!

「やっぱり神様ってとっても強いんだねぇ。」


「最後の威圧、あれは完全に力の差…というか存在の強さの差みたいなものを思い知らされたね…。」


「アイツは上位神よ。私は直接見たわけじゃないけど、大戦の時にオオヤマツミと一緒に大暴れしたって話を聞いたことがあるわ。まさかそんな奴が出てくるとは思ってなかったから私も驚いたけどね。」


『分身とかいうのもズルかったよね。』


「そうそう!幻とは違うんだよね?」


「そうね、幻はこちらのプラーナを乱して本物だって誤認させているけど、あれは実体があるから攻撃を当てた感触もあるわね。しかも実力差がありすぎて、プラーナの総量が小さいから分身だ、なんて気付くことすらできなかったわ。」


『あぁそうなのね。分身って幻じゃなくて実体があるんだ。だから雷爪を使った時に斬った感触があったのかぁ。全然わからなかったわぁ。』


「わたしもズバッて突き抜けた感触あったよ!レベッカ、分身って気付けないものなの?」


「どこまで精密に相手のプラーナを読み取れるかによるけれど、実力差があまりなかったり、格下だったら気付けると思うわよ。明らかに本体よりプラーナの総量が小さいから違和感があるはずだし。今回は本体のプラーナが膨大すぎたから、そもそも総量を読めなかったわ。格下を弄ぶなんて、アイツ本当に性格悪いわよ。」


「…いま一人多くなかった?」


「ん?ホオリくんどういうこと?ここにはわたし達4人しかいないよ。」


「そう、4人で話してたよね?」


「4人…わたしとホオリくんとレベッカとコッチー…!?」


『あ、私、コッチーというか高屋絆なんだけど、色々あってみんなとお話しできるようになりました。話す前に戦いが始まっちゃったから説明するの忘れてたね。』


「「はぁぁっ!?コッチーが喋ってるーーー!?」」


「まぁ喋っているっていうより念話ね。その様子だとキズナとコッチーの魂は本格的に一つになった、なろうとしているって事かしら?」


「念話…」


『うん、もうほとんど魂は一つになったよ。だから今の私はコッチーであり高屋絆でもある。どっちでもあり、どっちでもない。

 でも戦っている時はコッチーに寄ってるかも。私って戦うセンスが全然なくって…だからこうして戦っていない時は喋れるけど、戦闘中は無理かなぁ。』


「そっか…でも姉さんとこうしてまた喋れるようになって嬉しい。人間の姿になれるようになってからって思ってたからさ…まだまだ先なんだろうなって…」


『ホオリちゃん…うん、私もコッチーもホオリちゃんと話せて本当に嬉しい!

 もちろん、ミコトちゃんやレベッカともね!よろしくね!』


「はい!おねっ、キズナさんとお喋りできるようになって、わたしも嬉しいです!」


『ホオリちゃんのこと色々教えてあげるね、ミコトちゃん。』


「はっはい!ぜひお願いします!!」


 お願いするなよ。姉さんも色々教えないでくれ。絶対恥ずかしい話をするだろうソレ。


「まっ、私はなんとなく分かってたから気にしないわ。でもこうなると、このチームって女ばかりねぇ。ホオリ、肩身が狭いんじゃない?」


 ニシシといたずらっぽく笑うレベッカ。お前のそういう所はムカつくぞ、まったく。


「福島さんがいるだろ。

 あ、福島さんのこと置いてきちゃった…よね?」


「「『あっ…』」」


 うん、まぁ修行が終わっていないんだろう。そうだ、そう言うことにしよう。


 微妙な空気が流れる中、ミコトが何かを見つけたようだ。


「あ!あれ見て!あれがオオヤマツミ様の言っていたスーパー銭湯じゃない!」


『本当だ!看板が出ているね。その奥にも何かある?』


「伯方の塩って書いてある!は・か・たの、しお!だよね!?」


「おお!あれが有名な!そっか、ここが本来の目的地だったのか…こんな状況になって分かったけど、塩がないと人間って生きていけないんだよね。」


『お料理には必須だよね。お塩がないとお醤油もお味噌も作れないし。文化的な生活には必須だわ。当たり前にあるものだったから気付かなかったね。』


「はい、本当に。こうやって生活に必要なものを作ってくれている人たちに、すごく感謝するようになりました。」


「それは本当にそう。日本で食べ物を作れなかったら今頃もっとたくさんの人が困っていたよね。」


『たしか、今の総理大臣が食料安全保障に力をいれて改善してくれたって、どこかで聞いたわ。20年前くらいって世界的に見てもすっごく低かったって。万が一輸入できなくなったら日本人はお肉だったり卵だったりが食べられなくなるぞって言われてたみたいよ。』


「そっか…大人たちが頑張ってくれたから俺達はこんな状況でもご飯を食べられるのか。」


 総理大臣って高宮総理だったよな。政治経済の教科書にも近代政治の三英傑って言われるほどの人だ。皇居がある東京の中心地は謎の結界があるというし、無事なのだろうか。いつか俺達もそこに向かうべきなのかもしれない。


 スーパー銭湯に入ると、本当に普通に営業していた。とは言え、お金はいらないとのことだったし、オオヤマツミ様の紹介だというとコッチーも入っていいと快く受け入れてくれた。世界崩壊以降、人々が親切になっている気がする。みんなで協力して生きていこうと同じ気持ちをもっているように感じた。


 タオルやらなにやらすべて用意があり貸してくれるらしい。着替えも余っている衣服が沢山あるようで、好きに持って行っていいと言われた。


 銭湯は海水を利用した「海水風呂」と呼ばれるもので、ミネラルが豊富で、海の恵みを体内に取り入れることで身体の自然なバランスを取り戻す効果が期待できるという触れ込みだった。結構がかなり良くなるらしく、露天風呂含めて堪能した俺達はホカホカの体でスッキリした気分になれた。


 まさか銭湯に入るとは思わなかったが、このメンバーだと男は俺一人なんだよな。ゆっくりできるのは良いが、話し相手がいないというのも少し寂しいもんだ。福島さんを待っていればよかったかな?


 女湯からのキャッキャウフフが聞こえたわけではないので、何を話していたのかは知らないが、3人とも上機嫌だったので良いリラックスになったのだろう。


「みんなリフレッシュできたみたいだね。」


「すっごくいいお湯だったね!ボカボカになったよ!」


『長時間の入浴は血行が良くなりすぎるので注意、なんて張り紙がしてあったね。この体でも気持ちよく入れたわ。』


「ニホンジンって面白いニンゲンよね。すっごいお風呂好きだし。でもここの銭湯に入ったら気持ちが少しわかったわぁ。」


 レベッカもお風呂の良さを知ったようだ。飛ぶのが面倒なのか俺の肩に乗って移動しているのはどうかと思うが。まぁたまには労わっておこう。


 カグツチ様にやられた心のダメージは十分に回復したので、俺達はまた元気になって大山祇神社に戻っていく。福島さんも戻ってきているかな?生活の基盤は少しずつ取り戻しつつあるが、まだまだ謎は多いし、無事が確認できていない地域も沢山ある。


 一度モールに戻って今後の方針を決めて、また動き出したいものだ。この事態を引き起こした親玉もまだ判明していない。俺は今一度、気を引き締めるのだった。

入浴中の描写無し!期待したか?残念だったな!

筆者は年齢がいっているのでお色気を書くのが精神的に無理でした。ごめんなさい。

なお、海水を使った銭湯は実際にあるようですので、ご旅行の予定がある方は調べてみてください。


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