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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第84話 大切断

新技習得!

『修業期間は残り半月か…時間が足りぬが最低限だけは伝授する。お前に今必要なもの、それは攻撃力だ。ムカデと戦った時、苦戦しただろう?本来お前の力なら瞬殺できてもおかしくない。だが火力がないから苦戦する。

 お前は仲間に恵まれているし、仲間を守らねばという思いが強い。それは悪いことではない。だが一人になったらどうだ?仲間が倒れてしまった時は?』


 確かに…ムカデ自体は正直倒せない相手だとは感じなかった。だが単純な力押しは通じなかった。恐らく格下であろう相手に。


 うちにはコッチーとミコト、レベッカがいて全員瞬間火力は俺より高い。仲間がいるときは良いがそうでなかったら…課題なのは間違いない。


「師匠の仰る通りです。俺には火力が足りない。」


『うむ、それを補うための訓練をするぞ。』


「はい!」


 師匠が伝授してくれるのは断つ力のようだ。棍にプラーナの刃を発生させ、一気に切断する。俺も大ムカデに対して槍の穂先を突き刺して傷をつけたが、そんな小手先ではなく、大火力で切断する。うーん、ダイナミック。


 修練は岩を断つというものだった。棍先に刃先を作って岩を真っ二つに断つ。斬るのではなく断つ。必要なのは刃の出力と硬度の維持。そして体中の力を伝える体の使い方、動き。


 朝起きて基礎訓練。朝食をとって型稽古。昼食を取って地稽古。疲れ切ったところで全力の大岩斬り。


 大岩斬りは師匠が最初に1度だけ見せてくれた。多分、俺が見て分かるようにすごくゆっくりした動作だったのだろう。プラーナの流れが非常に美しかった。


 それをイメージしてひたすらに斬り付ける。1週間続けても刃が岩に食い込むだけ。どうしても振り抜けない。師匠が岩を断ったあのプラーナの流れを再現するんだ。


 4週間目に入り、3日ほど経った頃だろうか。地稽古の時の師匠の動きもまた岩を断つ動きに通ずるものがあると気付いた。プラーナを巡らせろ。腕も、棍も、刃も一体化させて。


 更に2日ほどたったある日。大岩を前に不思議な気持ちになった。俺から緑色の線が岩に向かって伸びている?体が自然に動く。棍の先に刃が発生する。プラーナが流れる。緑の線に沿って体が動いていく。


 気がついたら岩は真っ二つに割れ、棍の刃が地面に突き刺さっていた。


 できた…できたが…もう一回できるのか?


『できたようだな。』


「あ、はい。そうなんですが、不思議な感覚で…緑色の線みたいなのが見えて、体が自然に動いて斬れたという感じで。もう一回できるかと言われると、どうでしょう?」


『何度でも試せ。』


 師匠が手をさっと振ると大岩がドドンと10個並んだ。おう、おかわり自由ですね。


 その後さらに続けたところ、10回に1回は岩を断てるようになった。緑色の線は見えるときもあれば見えない時もある。見えたときは確実に断てるが、見えなくても断てることもある。


 緑色の線が見えなくても断てるようになれば、いつでもこの技を出せそうだな…。


 そして4週目も終わりが近づく中、俺はようやく確実に岩を断てるようになった。断った岩の数は100個を超えただろうか。数を数える余裕もなく、ひたすらに斬り付けた。


 ひたすら訓練を続けた甲斐があったというものだ。


『うむ、技自体は会得したようだな。時間がない故、戦いの中で使う訓練はアッシャーで行うがいい。そして最後に到達すべき先を見せておこう。』


 師匠がおもむろに棍を構え、岩を断った。


 かろうじて見えた。ギリギリ見える速度で放ってくれたのか?最初に見せてくれた時も美しいプラーナの流れだったが、今のはその比ではない。これで斬れないものは無いと確信できるものだった。俺なんかがそう思っても、という反論はありそうだが、見ればわかる。


 理解とか経験とかそいうったものではない、ただ分かるのだ。すべてを断つのだと。


 これが武神の技か…。


「師匠、ありがとうございます。いつか必ず到達して見せます。すべてを断つその刃に。」


『うむ、先は長いが諦めずに進み続けよ。』


「ちなみに好奇心なんですが、その技で邪神は斬れるのですか?」


『斬れるぞ。』


「おお!すごい!」


『だが斬れたとて、それが奴にとって痛手とは限らんがな。』


 あ、はい…桁が違いすぎて想像もできないな…。


『まぁ先のことは良い。今回の修行はこれで終わりだな。最低限、修めるべきものはものは身に着いたはずだ。だが、修行に終わりはない。精進を続けよ。』


「分かりました。短い間でしたがありがとうございました。」


『その門をくぐればアッシャーに戻れる。ではまた会おう。』


 フツヌシ様の元を辞去し門をくぐる。そう言えばみんなは元気かな。突然バラバラにされたけど、みんなそれぞれ修行をしていたのだろう。強くなっているかな?少しだけ楽しみな自分がいた。

質量が大きい敵を倒すのって、こちらも大きくならないと難しいなと思うのですが、思い込みは想像力を欠落させるので物書きを目指すものとしてはとらわれない思考が必要だなと思う日々です。


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