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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第77話 雷の武神

2025/1/7に前話(76話)の大山祇様と福島さんの会話を変更しています。

ロカ・プラーナの滞在期間を10年→1か月に変更

本話は特に変更していませんが、全体の話の流れが変わりますのでご了承ください。

『最低限プラーナの個体判別が出来るようになったと思うから、ここは通っていいわよ。まだまだ先は長いから頑張りなさいな。』


 そう言い残してキツネは消えていった。


「ふぅ、とんでもない相手だったね…」


「きつねさんに言われて気付いたけど、確かに幻みたいな直接的じゃないけど戦いづらいやりかたの相手っていなかったね。」


「せいぜいが毒くらいのものだったかしら。幻惑・混乱・魅了みたいなプラーナを乱してくる術って結構あるから、これからは注意しないといけないわね。ミコトはプラーナ感知はできそう?」


「うーん、みんなそれぞれプラーナの感じが違うのはわかったけど、戦いっている中で常に把握しているのはまだ無理―」


 顔の前で腕でバッテンを作って弱音を吐くミコト。確かに戦っている最中に常時動きながら他の術も放って、攻撃もしてプラーナも把握するって結構パンクするかもなぁ。


「俺も完全に使いこなすには時間がかかりそうだよ。操鬼闘法と同じように、常に感知するように癖付けする必要がありそう。」


 ニャーンとコッチーは得意げに返事をする。コッチーはもうできるようになっていそうだな。感覚が鋭いんだよね、猫だからかなぁ。


「あの炎狐の言い振りだと、この先に同じような幻術を使う敵が出てきそうだから、そいつらと戦いながら練習するしかないわね。」


「わかった。頑張ってみるよ。」


 俺達はキツネがいた部屋を抜けてさらに先に進むことにした。


 レベッカの予想通り、炎弧のように幻術を使う敵が少しずつ出現し始めた(アクマ・デバイスによれば鬼火(おにび)(ぎつね))。炎弧ほどの精度ではないが、攻撃の瞬間を惑わされると攻撃のミスが起きやすく、反撃も喰らいやすい。単体で出てくる分には4対1なのでどうにでもなるが、炎の犬の(えん)()や岩男の(いわ)(つつ)(のしん)武士(モムノフ)と一緒にチームを組んで出てくるとかなり厳しい。鬼火弧は後衛に位置しているため、こちらは前衛をどうにか捌かないと攻撃できないが、相手は後方からバンバン幻術を使ってくる。


 コッチーの先制イカヅチで落とすこともできるが、ここは修行の場だということで、プラーナ感知の練習がてら、幻術に惑わされないよう注意しながら正攻法で戦っている。


 おかげで俺もミコトもかなり感知精度が上がってきたと思う。戦いながらでもおおむね把握ができるようになってきていて、敵の位置を見失うこともほとんどなくなってきた。


 被弾が多いからレベッカには負担がかかっているけどね。私は大丈夫だと胸を張るのでレベッカの頑張りに甘えながら修練を続けた。


 そうしているうちに、少しだけ広いスペースに出た。特にアクマが居座っているわけではなく、イスとテーブルが用意されたスペースだった。


「これって、休憩していけって事かな?」


「あーー疲れたーー!あっこっちの棚に果物と飲み物が用意してあるよ!」


「それ、食べて大丈夫かな…?」


「まぁ神が用意したものだろうから大丈夫でしょう。プラーナを受けて育った果物はアッシャーの食事より癒しの力が強いわよ。回復していけってことなんじゃない?」


「ってことはこの後に強い奴がいるってことかな?」


「でしょうね…」


 ニャァとコッチーが疲れたような声を出した。戦いっぱなしだったから少しゆっくりしていこう。洞窟内だと時間の感覚がないから休めるときには休んだ方が良さそうだ。


 果物は桃のような甘みのあるみずみずしい果実だった。飲み物は水なのだが、今まで飲んだことがある水とは違い、飲んだ後に妙にすっきりする感覚になるもので、不思議な水だった。


「お腹いっぱいになるくらいの量を食べたわけじゃないのに、不思議と満たされる感じがするね…」


「ロカ・プラーナのものはアッシャーのものよりプラーナ密度が高いから量が少なくても回復量が高いと思うわ。」


「そっか!神様の世界ってすごいんだね!じゃぁお腹も満たされたしボス戦いってみよっかー!」


 ニャー!とコッチーも気合を入れている。ボスって決まったわけじゃないけど、ミコトの元気さはありがたいな。


 俺もオー!なんて言いながら気持ちを引き締める。


 休憩場所を出て、通路をさらに進むと予想を裏切らず、炎弧と戦ったような広場に出た。そしてやはりボスと思しき強いプラーナを発する存在が待っていた。


『がっはっはっはっ!よくここまで来た!俺は雷の神にして(つるぎ)の神!武御雷之男(たけみかづちのおの)(かみ)だ!俺は炎弧のように話まりくどいことはせん!純粋にこのパワーで神の力を示してくれよう!』


 こんどはパワー型か!というか神様本人がでてきてしまった。これは一瞬のスキが命取りになる!


「雷神ってことはコッチーのイカヅチが通じないはず。しかも剣神だから接近戦も厳しいか?」


「コッチーは炎での攻撃があるけど、わたしは接近しないと火力が出せないから、なんとか懐に潜り込むか、ヒット&アウェイに専念するしかないかも。」


「ミコトが懐に入るときは俺も一緒に行く。さすがに危険すぎるから、勝負をかける時以外は無理しないで。」


「わかった!頼りにしてるよホオリくん!」


『さぁ!こないならこちらから行くぞぉぉーー!』


 タケミカヅチの咆哮と共に部屋全体を覆いつくすほどの雷が降り注ぐ。


「くそっ!いきなりか!大!岩山壁!!」


 全員を覆うように前方と上方に岩の壁を出現させる。雷が当たる傍からガリガリ削られていくが、壁を抜けてきたものはコッチーがイカヅチで相殺、それでも抜けてくるものはレベッカが障壁で防いだ。


 雷を防ぎきり、岩の壁が崩れ去る。お返しとばかりに俺とミコトでバレット連弾。直撃弾が何発もあるはずなので、タケミカヅチは笑って仁王立ちのまま受け続ける。


 とんでもない防御力だが、レベッカがバレットに紛れて爆裂風弾を放った時だけは、雷で爆風すら届かない位置で迎撃する。


『がっはっはっ!恐ろしい攻撃をしてくる妖精だ!だがその程度では届かぬぞ!!がははっ!』


 すっごい笑うなあの神様。だが、剣は地面に突き刺したままということは抜くまでもない攻撃しかできていないってことか。


 射撃戦では埒が明かないな。こうなれば、炎弧に教わったプラーナ検知と操作を使って試してみよう。


「コッチー!レベッカ!俺とミコトで接近戦をやる!フォロー頼む!」


 ニャ!とコッチーが頷いてくれる。レベッカも無理するんじゃないわよと心配しつつも同意してくれる。


 さぁ上手く行けよ!


 俺は自分とミコトのプラーナをしっかり把握し、すべてを強化するイメージでプラーナを流す。そう、カイトさんの連れていたウサギがやっていた攻撃力も機動力も防御力も上昇させる術だ。


「よし!上手くいった!ミコト、行こう!」


「これすごい!ホオリくん!やっちゃおう!!」


 俺とミコトはタケミカヅチに突撃。雷での迎撃が来るかと思ったが、雷は放たず、地面に刺していた剣を抜いて構えた。


 あちらも接近戦をご所望のようだ!

エンカウント:Lv41 エンガ / Lv43 イワツツノシン / Lv44 モムノフ / Lv44 オニビキツネ / Lv?? タケミカヅチ


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