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第8話 レベリングそのいち

レベルアップの解説回

 奈良さんが信頼できる3人を選んだということで、20代に見える奈良さんの部下が2名、避難者の中でも落ち着きのある40代前半の男性1名がやってきた。


 すでに、レベッカから聞いた話は簡単に説明済みとのことで、恐らくレベッカを見ても騒がないだろうということで、俺・コッチー・レベッカの三人であいさつした。


 奈良さんの部下が、宮城さんと福島さん、40代男性が秋田さんらしい。ちなみに餓鬼の名前を出したのは宮城さんらしく、ゲームオタクです!と自己紹介された。


 福島さんは武器としてバール?というのか金属の工具を2本両手に持っていて、これはエクスカリバール、フフフとか言っていてちょっと怖い。


 秋田さんは本当に落ち着きがあって、この若い二人のお守りをしているのかなと思った。


 レベッカを見たとき、秋田さんは少し驚いたようすではあったものの特にリアクションなし、宮城さんと福島さんはウヒョーとかいって喜んでいた。レベッカが「ひざまづきなさい!」と言って、二人は嬉しそうにひざまづいていた。大丈夫かなあの人たち。


 気を取り直して、モールの南側の近い場所でスライムを探す。レベッカが空も警戒しなさいよというので、今までまったく気にしていなかった空にも目を向ける。今のところは空を飛び回っているアクマはいない。もしかして鳥がいないのは空を飛んでいるアクマがいるからなのかもしれない。コッチーは電撃があるからまだ戦いようがあるが、俺はバットが届くところまでしか攻撃できないし、戦いたくないな。


 そんなことを考えながらモールから500mほど離れるとコッチーが警戒し始めた。


「コッチー、アクマが近くにいる?どこら辺にいるかわかる?」


 ニャと短く鳴くと、ゆっくりと道を進んでいく。建物の陰に隠れたところでコッチーが止まる。この先にいるということだ。


「打ち合わせのとおり、俺がスライムを1匹釣ります。ここまで誘導しますので、他のアクマが来ないか気を付けながら一人ずつ殴り倒してください。武器があるので5~6発殴れば倒せるはずです。万一飛び跳ねたら全力でかわしてください。体に取りつかれてしまったらコッチーの電撃で倒してもらいますので、動かないでください。

 コッチー、頼むよ。」


 ニャッと凛々しくコッチーが鳴く。頼りになる相棒だ。


 3人のうなずきを確認しスライムを軽く殴りって引っ張っていく。建物の陰まで連れて行って、3人が交代で殴り倒していく。スライムは動きが遅いので誰もケガをすることなく、6匹は倒せただろう。ひとまず休憩ということで、モールの方に向かって少し戻ってからレベッカに3人の様子を見てもらう。


「う~ん、まぁ増えたプラーナはゼロではないわね。でもホオリよりも更に効率が下がっているように見えるわ。そもそもニンゲンはプラーナを知覚できないし吸収もできないんだから、ちょっとでも吸収しているだけで異常なことなんだけどね。」


 ニンゲンの肉体に何か起こっているのかしら。とかブツブツ言っている。何か怖いこと言っているな。後で問い詰めた方がいいのだろうか。


「なにか、持っている武器が軽くなったとか、体を動かすのが楽になったとか、変わったところはありますか?俺がアクマを倒した後は、そんな感じだったんです。」


「お!それってレベルアップってやつ?アクマを倒してレベルアップ!どんどん強くなる!あーーRPGみたいで燃えるなぁ!」


「ふふっ、拙者のエクスカリバールは最強…」


「そうですねぇ、あまり変わった感じはしないですね。レベッカさんによると我々は高屋君より効率が悪いそうですし、もっとたくさん数を倒さないといけないかもしれないですね。」


 宮城さん、福島さん、秋田さんがそれぞれ教えてくれる。いや、一人は回答になっていないけど。気にしないでおこう。


「ん~、ちょっと安全な場所で試したいことがあるからモールに戻らない?あんなプラーナ吸収効率だと何年かかっても強くならないわ。ニンゲンって寿命が短いんでしょ。寿命が切れるまで戦い続けてもザコアクマにたかられたらフツーに死にそう。」


 ニャンニャとコッチーも鳴いている。レベッカに同意という感じだ。

 ここはレベッカ先生の言うことを聞いてモールに戻ろう。あまり長い時間滞在すると他に強いアクマが集まってくるかもしれない。コンビニの壁を破壊するようなアクマもいることだし、安全第一がいいだろう。


 俺たちは引き続き周囲を警戒しながら、慎重にモールに戻るのだった。


 ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━◆


「そうか、あまり成果はなかったか。」


 モールに戻った俺たちは奈良さんに報告する。


「はい、残念ながら。協力すればスライムはケガすることなく倒すことができることはわかりました。でもプラーナをたくさん吸収できないので、あまり意味がなさそうです。レベッカが何か思いついたようなので、人目のつかないところで試したいそうなんですが、どこかありますか?」


「そうだな、空いているテナントは自由に使っていいが、3Fの呉服店なら畳が敷いてある場所もあるし、腰を落ち着けて試せるだろう。壊れたり燃えたりといった危険はないのかね?」


「それは大丈夫よ。ちょっとプラーナの流れを調べたいだけ。ホオリには付き合ってもらうけど、危ないことはしないわ。」

エンカウント:Lv1 スライム / バールのようなもの

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