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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第73話 大山の神、再び

移動回。しまなみ海道を渡ろう。

「さて、ここからはノンストップで行くでござるよ!」


 俺たちはお宿のおかみさんに一泊のお礼を伝え再出発。福島さんの言う通り、ここからは途中の寄り道なしで大三島にある大山祇神社を目指す。


 大三島には広島の東側にある尾道(おのみち)大橋から愛媛に渡る途中にあり、向島、因島、生口島を経由して向かう、しまなみ海道の島の一つだ。


 四国に渡る道は岡山県から香川県に渡る瀬戸大橋、兵庫県神戸市から淡路島経由で徳島県に渡る道の3通りがある。今回は一番西側にある、しまなみ海道を通る旅となる。


「そう言えば、マーメイドのお姉さんが海には嫌な奴らがいるって言っていましたが、瀬戸内海にはいなんですかね?」


「ふむ、そういった話はきかないでござるな。だが東京都心部の状況を考えると、東京湾は何者かに占拠されていてもおかしくないでござる。」


「海ねぇ。例の邪神が封印されているのは、ここからだとかなり南側の海に沈んだ島のはずよ。やつらは海から来ている可能性はあるわね。」


「外海は危ないってことだね。マグロとか獲れなくなるのかなぁ。わたし、マグロの赤身が大好きなんだけど…」


「俺もマグロの赤身は好きだけどさ、そもそも漁に出れないんじゃ…」


「確かに大規模漁業は完全にストップしているでござるな。マグロと言えば静岡の焼津(やいづ)漁港でござったかなぁ。千葉や北海道の釧路も漁獲量は多かったか…」


「北海道も人の生存圏が広いんですよね?」


「そう聞いているが、いかんせん遠くてなぁ。食料自給率も高いし直接的な接点が今のところないでござる。東京が封鎖されているのもあって、現状では連携は難しそうだとリーダー会の結論でござるな。」


「こうして考えると、いろんな地域の色んな職業の人が働いてくれているから成り立っていたんだね、俺達の当たり前の生活ってさ。」


「そうだね、考えたこともなかったなぁ。生活に必要なものを作ってくれている人たちに感謝だね!」


「拙者ら販売店からしても生産者の方々にはいつも頭が下がる思いでござったよ。価格交渉では甘い顔はできなかったでござるが…」


「あら、大きな橋が見えてきたわよ。ん?意外とあっさり向こう側に着いたわね…」


「ここの橋はそれほど長くないでござるからなぁ。次の因島大橋は少し長いでござるよ。大三島に渡るときの多々羅大橋も同じぐらいでござろうか。しまなみ海道は島と島の間がかなり近くたくさんの島があるでござる。」


 そんな話をしながら進んでいき、どんどん島を渡っていくと意外に早く大三島に着くことが出来た。


「ああ、この島全体からオオヤマツミ様の力を感じるね。」


「あ、そうなんだ…うーん、言われてみれば何となく力強い神様の力が漂っているような~これがオオヤマツミ様の力なのかなぁ。」


「ミコトは会ったことがないもんね。見るからに巨人って言うか山そのものって感じだよ。すごく力強くて、心もおおらかな感じかなぁ。器がデカい親父って感じ。」


 オオヤマツミ様のことを思い出すと、なんだか嬉しい気持ちになってきた。コッチーも少し浮かれているような感じがする。


「おおらかというより大雑把って感じだけどね、あの山親父。あいつの修行とか、先が思いやられるわぁ。」


「ま、まぁ修行は確かにとんでもない内容を笑って出してきそうなところはあるかも。でも多分、俺達ならクリアできるレベルのものを用意してくれるんじゃないかな。」


「ああ見えて色々と気をまわしているところはあるからねぇ。でも神の感覚をナメたら駄目よ。神ならクリアできる、みたいなレベルで来るのは覚悟しておきなさい。」


「えぇぇ、それ大丈夫なの?わたし達、神様には遠く及ばないんだけど…ベリアルで下級神なんでしょ?レベッカ。」


「そうね、ベリアルも本体じゃなかったぽいから下級神にギリギリ足を突っ込んだ程度だったとは思うけどね。」


「え!?ベリアルって本体じゃないってことはどこかに本体が生きているってこと?」


「そもそも神の本体がアッシャーに顕現するのはほぼ不可能なのよ。神は分霊を使って多元的に存在出来るの。ベリアルも分霊を一つ消滅されられた程度だから小指をタンスの角にぶつけたくらいの痛みよ。精神的には知らないけどね。相当悔しがってたし。」


「もう会いたくないな…」


「そうそう出てこれないから安心しなさい。本体が出てくるような事態になったら、他の神も出てこれるってことだから、下級神程度じゃ一吹きで消し飛ばされるわ。そんな状況だとさすがに絡んでこないでしょ。」


「そんな事態になったら、そもそも人間が生きて行けそうにないよ…」


「さぁ、間もなく神社に着くでござるよ。」


 福島さんの声で意識を戻すと、そこには神社の入口が見えていた。入口の道路を挟んで向かい側にはお饅頭屋さんがあったが残念ながら閉まっていた。


「おまんじゅう、食べたかったね…」


「あ、ミコトって和菓子好きなの?」


「うん!洋菓子より和菓子の方がヘルシーだしね!」


「もし、職人さんが生きていたら、いつか作ってもらえるかな。」


「さぁさぁ若人よ、オオヤマツミ様が待っているでござるよ。ささ、参ろう参ろう。」


 福島さんに背中を押されて神社に入っていく。境内はなかなか立派な作りだった。本殿に近づくと強烈な神気を感じる。これは普通の人は近づけないんじゃ…


「こ、これはまた強烈ね…島を守るって意味では良いのかもしれいないけど。その辺のアクマは絶対に近寄れないわね…」


 気合いを入れて本殿まで進む。さて、どうやって声を掛けようかと思っていたところで、巨大なプラーナがはじけるような感覚が目の前で起こった。


『はっはっはっはっ!待っておったぞホオリよ!よくぞ参った!』


 まさに山そのものといった様相のオオヤマツミ様が現れたのだった。

エンカウント:Lv?? 大山祇

しまなみ海道は自転車でも渡れるようですね。天気の良い日にサイクリングを楽しみたいものです。

当小説を執筆するにあたり、土地の情報を調べていますが、ちょっとした旅行気分になれます。実際に行ったことが無いので、住んでいる方からすると誤った内容も多そうですがご容赦ください。


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