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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第71話 落ちし星神

話の切りどころに失敗し、いつもより1,000文字ほど長くなっております。ご容赦ください。

 姉さんとの再会というサプライズがあったが、無事にコッチーの進化を終えた俺たちは次の目的地に向かうことにした。


「次は兵庫県赤穂市でござるな。瀬戸内海沿いに塩を作る会社があって、その近くの神社に神様がいるという話でござる。向かうのは神社で良いのでござるな?」


「はい、赤穂市のリーダーの方は奈良さんたちが対応しているし、俺達は神様に挨拶しに行くでいいと思います。赤穂市の神様はオオヤマツミ様とも話されていたって聞きました。」


「ヤチホ殿がそう言っていたでござるな。誉田別命という名だと聞いたが、宮城氏によると応神天皇の別名ともされているらしいので、天皇の祖先が神だったというのも事実なのかもしれぬでござる。真実を聞いてきてくれと言われているのでござるよ。」


「ちょっと罰当たりな感じじゃないです?怒られないですかね?」


「出たとこ勝負!」


 おいおい、大丈夫かこの人。いや最初から大丈夫じゃなかったからな。レベッカも神様には無礼千万な態度だし、俺が気を付けておこう。


◆━━━━━━━━━━━━━━━━━◆


 神の道が通っているので道行順調、特に障害もなく赤穂市に到着。


「赤穂市って忠臣蔵で有名なところですよね?」


「そうでござるな。目的地の大石神社も赤穂浪士を神として祀った神社だったはずでござる。誉田別命との関係性は不明でござるな。」


「ん?ニホンジンって昔のニンゲンを神として扱うわけ?」


「俺も詳しくはないけど、天皇とかも神様扱いになったりするし、徳川家康も東照大権現なんて言われて神様扱いだった気がするよ。東京の大きな神社に明治神宮って言うのがあるんだけど、そこは明治天皇が主祭神ってくらいだし、まぁ結構人間を神様に見立てることは多いのかもね。」


「たしか、チャイナでも関羽っていう三国志の武将を神様として扱ってたよね?」


「はーん、プラーナを知覚できないから、神と人の線引きがあいまいなのかしらね。ミコトは実際に見てるから分かると思うけど、神身一体の時のホオリの強さは別格だったでしょ。ニンゲンにどうこうできるレベルじゃないのよ、神ってのはね。」


「あぁ確かにー。あの時のホオリくんは別次元の存在って感じだったよね。あのベリアルが全く相手になってなかった…」


 何故かミコトがしょんぼりしているように見える。あの時のベリアルはとんでもない強さだったしなぁ。


「とにかくホンダワケノミコト様に挨拶して、できれば今日は泊めてもらおう。」


 駐車場に車を停め、神社に向かって歩く。


「わー、時代トリップって感じの道並だねー!」


 ミコトが楽しそうにつぶやく。赤穂浪士で有名な場所だから江戸の街並みを意識しているのだろうか。赤穂城の跡地なんかも近くにあるし、時代物が好きな人には楽しい観光地なのかもしれない。


 先に社務所に挨拶に伺う。ここは避難所ではないのか、人の姿はなかった。常に神様のもとに集まっているという訳ではないようだ。


 ひと気はないが明らかに神の気配がするので、神社に向かう。入口の前で、名乗りを上げてみた。


「俺は高屋 穂織といいます。こちらにホンダワケノミコト様がいらっしゃると聞いて、ご挨拶に参りました。」


 すると扉が自然に開き、黄金のプラーナを纏った鎧武者と呼ぶにふさわしいいで立ちの神が現れた。


『我は誉田別命。よく来たな、勇ましき人の子と力の匠たる精霊女王の末よ。大山祇様より話は伺っておる。此度の苦難、よくぞ乗り越えた。この地を守るものとして感謝を。』


「いえいえ、そんな。自分たちが生きるために必要なことをしただけです。それにホンダワケノミコト様のように力を貸してくれる神様がいたからできたことですから、お礼を言うのはこちらの方です。人間を守ってくださり、ありがとうございます。」


『そなたは…いや、よい。そなたはそなたの生を生きねばな…』


「拙者からもホンダワケノミコト様に質問がございます。応神天皇はご存じでしょうか?」


『ふふっ、面白い男だな。無礼でもあるが…世が世ならこの場で斬られても止む無しだぞ。』


「ひえっ」


『まぁ良い。この国の王の話となる故、深くは答えぬが、知っておるよ。良くな。あとは好きに想像するとよい。』


「ははっ」


 ズサーっと音がするぐらい見事な土下座下がり…まぁ怒られなくてよかった。


『さて、せっかく参ったのだ。我の頼みも聞いてくれ。』


「頼みですか?もちろん俺たちにできることならお手伝いしますが…」


『うむ、ここから北東に少し行ったところに教会がある。そこに妙なアクマが居ついておってな。この地の戦士たちでは荷が重い強さ故、そなたらに討伐してきて欲しいのだ。そやつが居座っておると、これ以上北東側に探索できぬと、この地の者どもが困っておる。』


「分かりました。様子を見てきます。俺達でどうにかできる相手かわかりませんが、話が通じるかもしれませんし、必要なら戦いますし。まずは確認してきますね。」


『うむ、頼んだぞ。』


 俺達はホンダワケノミコト様の元を辞去し依頼された教会に向かう。どんなアクマがいるんだろうか。


「あそこでござるかな?」


「そうね、妙な気配があるからあっていると思うわ。大阪で戦った悪魔と似ている?」


「えっ、また魔王がいるのかな?わたし達だけで大丈夫?」


「いや、そこまで強い気配じゃない。トラータ教の教会って言うのが気になるけど、まずは話し合いでどうにかできないか確認してみよう。

 福島さん、最悪すぐに逃げられるように車で待っていてください。」


「まかセロリ!無茶はするなよ!泣く女がいることを忘れるな!」


「一言多い!」


 俺達は車を降りて教会に向かう。扉は開いているな…。


 そっと入口から中をのぞくと、星形の体で中心に大きな顔、それも外国人のおじいさんみたいな顔がついたアクマが何かをブツブツ言っていた。


『むっ、客人か?そこにおるのは誰ぞ!?』


 おっと気付かれたか。みんなに目配せをしてここで待つように合図する。まずは俺一人で話してみよう。


「こんにちは、ここで何をされているんですか?」


『む?人間?か?妙なプラーナを持っているな。古代神のような…。まぁよい憎き外神とその眷属ではないようだ。儂はキウン。星の神と崇められしものよ。』


「あ、神様でしたか。失礼しました。俺は高屋 穂織です。キウン様がこちらにいると人の住む場所を広げられず困っていると聞いてやって来ました。」


『ほっほっほ、儂を神と認めるか。よきよき。なれば塩作りの民たちに伝えよ。儂の信徒となり儂の帝国を作るのだと。儂こそが神なのじゃ。他のものを崇める必要はない。ここから儂の世界が始まるのじゃ!』


「えぇぇ…、えーと、キウン様の帝国では人々はどういう扱いになりますか?」


『儂の信徒は儂の奴隷と同じよ!儂のために奉仕し、儂のための帝国を作るのだ!』


「ホオリ、コイツと話しても無駄よ。人の世の中で生まれた新しい神みたいだけれど、精神性が神ではなくニンゲンに近いわ。大阪の悪魔と似たようなものだから退治しちゃいましょう。」


『きき貴様!こ、古代神の一柱か!?まさか妖精女王!?』


「私は最強のレベッカ様だけれど、さすがに女王様の名をかたる勇気はないわね。でも死ぬ前に教えてあげる!私こそ唯一無二のマハーピクシー!レベッカ様よ!」


 レベッカの名乗りが終わると同時にコッチーのイカヅチがキウンに降り注ぐ。


 それを見た俺は一気に決めようと、イカズチでひるむであろうキウンに向かって突撃した。


『パラバルターン』


 キウンが何かをつぶやいた瞬間、キウンを襲う幾条ものイカヅチがこちらに跳ね返ってきた。


「がっは!!」


 バックラーで防御したもののイカヅチの威力で吹き飛ばされる俺。壁まで飛ばされ叩きつけられた。


 コッチーはとっさにイカヅチを再度放ち、跳ね返ってきたイカヅチを相殺。ミコトはレベッカが障壁で守っていた。


『これだけではないぞ。マハブラドオーン』


 続けてキウンから禍禍しい黒いモヤが放たれる。これは死に至らしめようとする呪いの力か!?


「やらせないわよ!プロテジャーヌ!」


 レベッカがすかさず浄化の力で相殺する。あれは本当に危険な術だから即応してくれるのは助かる!


「はあっ!」


 ミコトが相殺の隙をついて飛び蹴りを仕掛ける。キウンは体をひねって躱そうとするが間に合わず、態勢を崩す。


 そこへコッチーが飛び込んでおり雷爪でキウンを切り裂く。


『ぐがぁぁ!こ、このぉ!』


 キウンは体を高速回転させてコッチーを振り払った。俺はそこで回転を止めるように土槍でキウンの体を高速する。


「ついでもこれもだ!」


 土槍からさらに木の根を伸ばしてキウンを拘束する。


『ぐぎぎ!う、動けぬっ!ぬっ!!ガガアァァァ!!』


 俺が動きを止めるのを待っていたミコトが手甲から鋭い岩のトゲを発生させてキウンの中心の顔めがけて突きを放っていた。


『な、なぜまた…儂を悪魔に貶めた外神と天使どもがいなくなったというのに…トラータ教憎しや…』


 ミコトの突きを受けたキウンはその言葉を残して光になって霧散していった。


「なんだか、スッキリしない相手だったね…」


 ミコトが後味の悪い戦いに気落ちした言葉を発する。


「うん、やりたいことは俺達にとって良いものじゃなかったけど、元は神様だったのは本当っぽかったし。」


「終わったでござるか?」


 福島さんが戦いの終わりを察知したのか、こちらに来ていた。


「はい、倒しました。後味の悪い戦いでしたけど…」

エンカウント:Lv45 キウン

トラータ教についてはどこかで解説を挟まないと意味不明な描写が多くなってしまうかもと心配しております。

説明キャラの出しどころがもう少し先なので、それまでご容赦いただけると幸いです。


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