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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第65話 連なりし魂

ネタバレ回?よく言えば伏線回収。

~~Side レベッカ


 ホオリが寝ている部屋の隣の部屋に入りベッドに横になる。さて、何の話があるのやら。まぁ何となく想像はついている。なぜサクヤがその話をするのかは正確にわからないが…


 消えたはずのサクヤからの念話のようなものを感じたので声は出さずに話しかける。


(で、話ってのは?私にだけ話すってことは訳アリなんでしょう?)


((はい…高屋 穂織について…そして玉乃井 美琴についても…))


 ミコトも?どういうことかしら。私は黙って先を促す。


((まず、高屋 穂織は私、コノハナサクヤに連なりし者…正確には彼の魂が私の息子の魂の一部を引き継いでいる、と言った方が正しいのですが…))


(ふぅ、そんな事だろうと思ったけど…まさか直系とはね…ってことはオオヤマツミの孫って事ね。)


((はい、オオヤマツミ…お父様から見れば孫、ということになりますね…))


(だから妙に肩入れしているワケ?)


((そこまで特別視しているわけではありませんが…今回、神を体に降ろしても耐えられた事は無関係ではありません))


(なるほどね…で、私に話したことってサクヤの子供ですってこと?

 ん?でもおかしいわね。ホオリは完全に人間でしょ?確かに成長は早い気がするけど神そのものって感じではない気がするわ。)


((はい、ホオリ自身は人のみであることに変わりはありません。私の息子…火遠理命…ホオリノミコトはもちろん神の一柱でした。ですが、愛する妻・豊玉毘売命…トヨタマビメと離れることに嘆き悲しみ、一縷の望みをかけて人の身となり魂を分け、プラーナ・マルガへ身を投じました。))


(…ありえないわ…神であれば悠久の時を生きることが出来るはず…生きていれば愛する妻とやらとも会えるかもしれないじゃない)


((いえ、神のままであれば、どれだけ生きようが決して再会することが出来ないのです。息子は海の神の掟を破りました。そのためどれほどの時間をかけようとも、海の神が滅びない限り再び相まみえることはできないのです。))


(はーぁ、やっかいな神の決まりってやつね。話の流れからしてトヨタマってのは海の神の一柱なのね。ってことは海の神が全員滅びたらトヨタマも滅んでるってことで、結果無理ってことか。難儀ねぇ)


((はい、ですので息子は人になりいつか会える日を願って、魂を転生させることを選びました。そして、それを知ったトヨタマビメも同じように人になり魂をマルガに流したのです。))


(はぁ!?何よそれ…掟によって離れはしたけど二人は結局愛し合ってたってこと!?)


((はい…))


(かーっ!いっそもう気持ち悪いわ…ん?まさか…)


((ご想像の通りかと…玉乃井 美琴はトヨタマビメの魂の一部を引き継いでいます…))


 はぁ、二人には妙な魂の揺らぎを感じていたけど、いわゆる運命の相手ってことか。でもサクヤは何を気にしているんだろう。


(別にそれって良いことじゃないの?神の身を捨ててでも会いたかった相手なんでしょ?)


((果たしてそうでしょうか?高屋 穂織には彼自身の、玉乃井 美琴にも彼女自身の人としての生があります。魂の一部がお互いを求めていたとしても、それは今を生きる彼ら自身には関係がないこと。縛られてはいけないと思うのです。

 しかし今回のことで二人の魂が神であったことをごく一部でも思い出しているかもしれません。

 そもそも、ロカ・プラーナとアッシャーが繋がるという事態になれなければ、彼らは仮に出会ったとしてもお互いを意識することはなかったでしょう。恐らくこれまでもすれ違うことはあっても運命が交わることなどなかったはず。今回の邂逅は偶然が重なっただけにすぎません。彼らの人生を左右してよいものではありません。))


(ふーん、まぁ言いたいことはわかんないでもないけど…、で?私に何をしてほしいのよ?正直、もうお互い意識し始めてると思うわよ。男と女がずっと一緒に命を懸けて戦っていたら、どうしたってそうなっていくんじゃない?

 まぁ私は人間とは精神構造が違うから実際のところは知らないけど。人間の物語だと、そんなもんみたいだけどね。魂がどうとか関係なく。)


((そう…かもしれません…ね…))


(はぁ…まぁわかったわよ。本人たちにわざわざ言わないけど、傍にいる者として困ってそうなら相談くらい乗ってあげるから。あの子たちが自分の意思で選んだ道だったらアンタだって文句はないんでしょ。)


((ありがとうございます。レベッカ…

 それから、この先に同じようなことがあるかもしれないことについて…))


(そうね、無いって楽観視できる状況じゃなさそうってのはわかっているわよ。)


((力を得るには地道に強くなるしかないのですが、それでは間に合わない場合もあるでしょう。まずはお父様のところに向かって欲しいのです。先の神身一体を経て何かを考えているようで、少なくとも修行はつけてくれるはずです。幸い、ホオリとミコトは魂の器も大きいのでお父様の修行にもついていけるでしょう。))


(わかったわ。あの山親父、とんでもないことを平気でしてくるから少し心配だけれど、やるしかないわね。)


((そして高屋 絆…ホオリの姉について…))


(言っておくけど、私は確信をもって知っている訳じゃないわよ)


((はい…いえ、しかしレベッカ…あなたなら…ともかく、更に器を広げていけばいずれは…

 お父様のところに行く途中、神戸という町にこの島のものではない建物が並ぶ道があります。北野異人館街と呼ばれているところです。そこにシルキーがいるはずですので、力を借りてください。))


(ん?シルキー?ずいぶん珍しい娘がいるのね。この国にはいないだろうと思っていたけど。まぁ知らない仲じゃないし寄ってみるわ。この先必要になるってことなんでしょうから。)


((最後に…これはあまり気にする必要はないのですが、あなただけは知っておいてください。私にはもう一人息子がおりました。火照命…ホデリノミコト…火遠理命の兄にあたります。彼は火遠理に争いを仕掛け、その罪によって魂をプラーナ・マルガに流されています。そして、その魂の一部を引き継いだ者が現れています。引き継いだと言ってもホオリやミコトのように大きく影響を受けるほどではないので、何か記憶を思い出すなどということはないと思います。

 が、私の姉のコノハナチリヒメの子孫にあたる大国主の剣を預けられているようなので神に近い位置にいます。争いが起きることはないと思いますが、もし何かあれば私かお父様にお知らせいただきたいのです。))


(あら、ちょっと面倒そうなのがいるのね。あの神剣使いかしら。わかったわ、そっちは気を付けておく。)


((ありがとうございます。私からのお願いは以上です。あなたが傍にいてくれてよかった…))


(はいはい、でもなーんにも解決はしていないからね!そこは忘れないで。それに今回の剣はあの邪神にかかわっているんだから、アンタたち神も腹くくりなさいよ。あの戦いでほぼ全ての神の力を合わせても封印するのがやっとだったヤツなんだから。

 ヤツ自体が復活していなくても、眷属がそれを狙って動いている以上、このままにはできないわ。)


((はい、私達も今のままではいられません。そして他国からも神が流れてきていることを考えると、人の生存圏はかなり狭まっています。力を結集して戦う時が来るでしょう。))


(わかっているなら良いわ。)


((では、ここで失礼させていただきます…))


 サクヤの気配がすぅっと消えていった。


 随分とまぁ込み入った話だったわね。ホオリにしてもミコトにしてもニンゲンにしては妙なやつらだったけれど、まさか神に関係してるとは…。


 そしてホオリの姉か…ホオリのやつ、多分家族のことは考えないようにしてきたはず。男ってのは根っこの部分で弱かったりするから少しだけ心配だわ。

バレバレな伏線でしたでしょうか。あまりうまく描写できませんでしたが、主人公とヒロインのルーツが判明しました。


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