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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第64話 現れたる神は

ヒロインはヒロイン出来るのか・・・

主人公はまだ目覚めません

~~Side 玉乃井 美琴


「さて!お菓子も堪能したし、ホオリくんの治療を再開しよう!」


 運よく食糧管理のお姉さんに、戦った功労ということでお菓子を貰えた。久しぶりに女子会っぽい感じでレベッカとコッチーと甘未を楽しみ、一息つくことが出来た。


 ホオリくんの乱れたプラーナをほぐしてあげないとね!さぁまた頑張るぞ!


「コッチーもミコトも無理しなくていいからね。秋田がプラーナを持ってきてくれるまで、最低限出来ることを進めるだけだから。」


 ニャー!コッチーは了解って感じの返事。


「わかったよ!でもできるだけ頑張りたい!」


「まぁアンタはそうでしょうね。ま、すぐにどうこうできるレベルじゃないからじっくりやりましょ。」


 わたし達はまた円になってホオリくんにプラーナを流し始める。絡まったり切れてしまったところはまだまだ沢山ありそうだ。レベッカの言う通り、確実にできるところからやっていこう。


 しばらく、3人でホオリくんの治療を行っていると、突然、とてつもないプラーナを感じた。


「なっ!ちょっ!どういうこと!?このプラーナは!!」


「レ、レベッカ!これって…」


 ニャニャニャとコッチーも慌てたような声を上げた。


◆━━━━━━━━━━━━━━━━━◆


~~Side 秋田さん


 住吉三神を前にして、戦闘部隊全員が並ぶ。東からの部隊はもちろん、大阪の部隊、日照君や千家君の部隊もすべて集まってもらった。


 全員がアクマデバイスを確認すると、【貯蓄プラーナを住吉三神に譲渡しますか?】という選択肢が出ていた。Yesを選択すると、貯蔵されていたプラーナの数値がどんどん減っていき、三神へ光となって流れていくのが分かった。


『愛しき人の子らよ、そなたらの意をありがたく思う…。』


 三神から感謝の言葉が聞こえる。今まで消えそうなプラーナしか感じられなかったが、神の名にふさわしい力強い圧力を感じ始める。


 これまでにあってきた神々と同じような神々しい雰囲気だ。


 このまま回復されるのかと思われた時、三神が少し慌てたような、妙な空気が流れる。誰かと会話している?私達には聞こえないような声で、誰かと話をしているようだ。


 プラーナの貯蓄がすべて流れたのか、光が消えた後、少しの間があり三神の前で緑の光が弾けた。


「な、なにが…」誰ともなくつぶやいた。


 目を開けるとそこには緑地に桜の意匠が添えられた着物を着た優し気な日本人美女がたたずんでいた。


「はぁ…」とため息が聞こえる。いや、自分から出たものか?ため息が出るほど美しいとはこのことだろうか。いやいや、私には妻がいる。それに相手は神だろう。神々しいと表現するにふさわしい雰囲気だ。


『おじい様より生まれし三柱の神よ、みなさまのご厚意に感謝を…。わがままを言って申し訳ございません…』


『良いのだ、サクヤ殿。我らは元を辿れは同じ神より生まれしもの。そのように気を遣わずとも良いのだよ。』


『ありがとうございます。』


 サクヤと呼ばれた神は住吉三神に深々と頭を下げ、お礼を伝える。そしてこちらを向き、はかなげな表情で私達にも感謝の気持ちを伝えてくれた。


 これはなかなか強烈。仲間の男性も女性も顔を赤らめて目を逸らすものや、声も出せずに固まっているものもいる。


『高屋 穂織を救いに参りました。どなたか彼のもとに案内していただけますか?』


 突然神が降臨したので何事かと思ったが、高屋君絡みか。なるほど、彼は各地で神と交流がある。どこかで出会った神が彼の危機を感じて手助けに来てくれたのか。彼はとんでもない縁を持っているようだな。


「私がご案内いたします。こちらへどうぞ。」


 私が案内を買って出る。少しだけ興奮気味な声になってしまったのは妻には内緒にしてほしい。


◆━━━━━━━━━━━━━━━━━◆


~~Side 玉乃井 美琴


「レ、レベッカ!これって…」


 わたし達が慌てていると、トントントンとノックが聞こえる。


「秋田です。入ってよろしいでしょうか?」


 ドアから秋田さんの声が聞こえる。秋田さんが神様を連れてきたのかな?わたしは急いで扉に向かい、秋田さんを招き入れる。秋田さんの後ろからとてつもなく大きなプラーナを持った、そしてプラーナにも負けないインパクトの美人さんが入ってくる。


「はぁー、アンタねぇ。わざわざ顕現してまでここに来たわけ?何考えてんのよ。」


 レベッカは美人のお姉さんのことを知っているらしい。コッチーも知っているのか、少し嬉しそうに胸に飛び込んで抱っこしてもらっている。


 神様って触れるんだ?なんてちょっとバカみたいなことを考えていた…。


『突然お邪魔してすみません。しかし黙って見ていられなかったのです。ホオリがこのようになってしまったのは私にも責任がありますから…』


「・・・それだけじゃなさそうだけどね…」


「レベッカ?」


 どうしたんだろう、レベッカが変な感じ。でも確証がないことは基本的に話してくれないから聞いても無駄かなぁ。


「まぁ良いわ。どうにかできそうなの?」


『はい、秋田様を始めとした皆様がプラーナを分けてくださいましたので…』


「ふーん、それなら任せるわ。本当は聞きたいことが山ほどあるけど、今はホオリを優先しないとね。…頼むわよ…」


 サクヤ様はゆっくりと頷くと、目を閉じ、祈るように手を合わせた後、大きく両腕を広げた。


 とっても優しいプラーナがホオリくんを包んでいく。何故だろう、サクヤ様からホオリくんへ確かな愛情を感じる…確かにサクヤ様をお助けしたけど、数回会っただけの人間に神様がこんなにも思い入れるなんて…


 しばらくそのままの時間が流れていった。


 プラーナが次第に消えていき、ホオリくんの顔に赤みが差し始める。そしてホオリくんから安定したプラーナを感じるようになる。


 サクヤ様は腕を降ろし目を開け、ふーっと大きく息を吐いた。


『これで大丈夫でしょう。すぐに目覚めますよ…

 では私はここで失礼しますね。三柱の神にお借りした力ももうなくなりました。霊山に戻ります。』


「サクヤ様、ありがとうござます。ホオリくん、助かってよかった…」


 コッチーも嬉しそうに、ナーナーと鳴いていた。


((レベッカ…少しだけお話がございます…))


(わかったわ…)


『それでは皆様、失礼いたします。またお会いできることを楽しみにしていますよ…』


サクヤ様が緑の光になって消えていった。


 秋田さんが少し緊張しながら頭を下げている。あんな秋田さん初めて見たな。さすがの秋田さんも神様相手だと緊張するのかな?…でもハリティー様と話している時はそうでもなかったような…まぁいっか!


「ミコト、コッチー、私は少し寝るからホオリのこと頼んだわよ。遅くても明日には目を覚ますでしょうし、起きたらお腹すいているかもしれないから世話してやんなさいな。」


「あれ?珍しいね。さすがに疲れた?でも了解だよ!ホオリくんのことは任せて!」


「フフ、いい奥さんになるわね、ミコトは。」


 ちょ!奥さんって!わたしは別にホオリくんのお嫁さんになんて、考えたこと…


「ちなみにホオリのとは言ってないわよ。」


「!!!!!」

主人公不要説が流れそうで怖いです。

コノハナサクヤビメの容姿描写をしていなかったので少しだけ挟みました。細かい部分は皆様の豊富な妄想力で補いください_(_^_)_


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