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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第62話 いつかあなたと巡り会うために

主人公が喋らない回・・・会話メインです。

~~Side 玉乃井 美琴


「ああ!皆さん無事でしたか!!」


「秋田さん!ホオリくんが!ホオリくんが!

 ど、どこか、どこか安静にできるところは?お願い、お願いします!!」


「こ、これは…、と、とにかくこちらに寝かせましょう。柴田さん!こちらのベッドをお借りしてよろしいですね!」


「も、もちろんだ!だが一体何が…。」


「詳しい話は僕からしますけん。海斗君も来てごせよ。」


「わかっちょっどよ。命令すんな。」


「秋田…三神にプラーナを分けてあげて。アクマデバイスに貯めこんでいるのがあるでしょ。あれは神なら吸収できるはずよ。

 できれば全部じゃなくて少し残しておいて。どうにかしてホオリを回復させるのに使えないか考えてみるから。」


「わかりました、レベッカさん。状況の把握と共有が終わりましたら、私も高屋君のところに伺います。プラーナについては皆さんにも協力してもらいます。」


「ええ、頼んだわ。私はホオリとミコトについているわ。ミコトも思い詰めているから一人にしたら心配だし。それにコッチーもね。」


「レベッカさんも思い詰めないでください。高屋君と同じくらいあなたも我々人類には必要な方ですから。」


「フン!アンタは相変わらずいい男ねぇ。ま、心配しないで。神身一体が解けて、その時にホオリの肉体が消滅しなかったんだから、何とかなるわ。オオヤマツミがギリギリのところで何とかなるようにしてあったみたいね。脳まで筋肉かと思えば、伊達にイザナミとイザナギの子供なだけあるわ。まぁ…いえ…何でもない。じゃ!頼んだわよ!」


「レベッカ…」


「ミコト…あんた、そんな顔しないの。とりあえずホオリの状況を見て説明するからちゃんと聞きなさい。多分何とかなるわ。」


 レベッカとホオリくんが寝ているベッドに向かう。コッチーがずっとホオリくんの頭の横から離れようとしていない。


「まったく、神に身体を明け渡すなんてまぁとんでもないことしたわねぇ。」


「レベッカぁ…ホオリくん、目を覚ますよね?」


「ええ、何とかするわ。我らが女王、ティターニア様に誓ってね。しっかし、ミコト、アンタそんなにメソメソするタイプじゃないでしょ。一体どうしたってのよ。いつもみたいに筋肉ーとかいってアホみたいに元気にしてなさい。」


「そんな…わたしそんなじゃないよ!…でもそうかな、わたしは世界の崩壊でママが帰ってこなくなっちゃったから、身近な人がいなくなっちゃうのが怖いのかもしれない。」


「ホオリは特に、でしょ?」


「ええぇぇ、ど、どーゆー意味!?べ、別にそんな、ほら、いや、でも、ホオリくんは素敵だと思うけど…、あっ、ちょっと何言わせてるのもー!」


 コッチーがなんだか怒った様子で、フーッと声を上げた。


「え?コッチー?え?そんなに怒るところだった?違うって違うって!ホオリくんとはそんなんじゃ…」


「アーハッハッハ、まぁ良いじゃない。私たちの付き合いも長いんだか短いんだか、まぁ短いんだけど密度は濃いでしょ。命かけて戦てるからね。まぁ本気で命かけさせちゃったのは、ね…私たちの力がだいぶ足りなかったなーってことなんだけど。」


「ホント、全然敵わなかったね…。強くなったつもりだったんだけど…」


 ナーとコッチーもさみしそうに鳴いた。みんな悔しかったんだ。


「この先、あれほどの敵がいるかはわからないけど、下級神クラスは顕現しててもおかしくないわ。」


「そう言えば、モールの北側、もしかしたら埼玉くらいまで行ったらかもしれないんだけど、炎の巨人がいるって話もあるよ。」


「それってまさかムスペルヘイムの巨人たちじゃないでしょうね…。剣付きで王まで顕現していたら、この国滅んじゃうわよ…」


「え…そんなのがいるんだ…」


「ま、まぁ考えても仕方がないわね、それは。ホオリを叩き起こしたら私たちも本格的に修行した方が良いかも。

 で、コイツを起こす方法だけどね…」


「うんうん!そうそう!その話をしよう!」


「状態としては、肉体の強度に耐えられない量のプラーナを取り込んだ、というのが最初ね。普通だったら、神という枠がなくなったら肉体もろともマルガに還ってしまうわ。でもホオリの場合は、これまで吸収してきたプラーナの量が多かったことと、オオヤマツミが戦った時に自分の力の一部をホオリに預けていたことで一命をとりとめたってわけ。」


「オオヤマツミ様はこうなることが分かっていたのかな?」


「どうかしらね。完全にこうなるって予知していたっていうより、どうしても神の力を借りないといけない時が来るかもって考えていた可能性はあるわね。ホオリが目覚めて動けるようになったら会いに行きましょう。もともとその予定だったはずだし。」


「そうだね!私も会ってみたいし!」


「さて、どうやって目覚めさせるかしらねぇ。少しずつプラーナを体に流していって、乱れている流れをきれいにしてやるのは必要ね。」


 レベッカは話しながらホオリくんの胸の上に立つ。ホオリくん苦しくない?


「ふーん、うーん、プラーナ自体はかなり少ない状態なのね。やっぱり秋田に頼んでおいて正解かしら。

 さ、まずはプラーナの流れを戻しましょう。コッチーとミコトにも手伝ってもらうわ。」


 レベッカが胸の上、コッチーがしっぽの一方をレベッカの手に、もう一方をホオリくんの手の上に乗せる。私はホオリくんの手を握って、もう一方の手をレベッカに差し出す。


 わたし達4人で輪の形になった。


「行くわよ…」


 レベッカから優しいプラーナが流れてくる。ホントに優しいプラーナ。もう、レベッカったら、本当にホオリくんのことが好きなんだね。


 レベッカから流れてくるプラーナを私の中で循環させて想いと共にホオリくんに流す。コッチーも同じようにプラーナを流し始めた。


「二人が両側からホオリのプラーナをほぐしていくのよ。ゆっくりでいいわ。もしプラーナの流れが切れてしまっているところがあったら繋いであげて。絡まっているところは解きほぐして…」


 あぁ…ホオリくんのプラーナがボロボロになっている。触れれば触れるほど痛々しい…こんなになるまで頑張って…もうどうしてよ…早く戻ってきて…


 しばらくホオリくんのプラーナ流れを整えていたら、ふっと何かが見えた気がした。


『あれは…なに…わたし?…ホオリくん?…』


・・・・・・


『あなた様は…なぜそんなに悲しい顔をしているのですか?…』


・・・・・・


『まぁお父様、そんな…でもあなた様が望んでくださるなら…わたしくしも…』


・・・・・・


『フフフ…こんなに楽しい日々がずっと続けばいいのに…』


・・・・・・


『どうしてそんなに深いため息をつかれるのですか?ここでの生活が嫌になってしまったのですか?』


『そうではない、そうではないよ。君といられて俺は本当に幸せなんだ…だが、兄さんのことが気がかりで…俺が釣り針を失くしてしまったから釣りが出来なくて困ってやしないかと…』


・・・・・・


『わたくしも一緒に参ります。あなた様と離れるなんて…』


・・・・・・


『子を産むときは本来の神の姿に最も近くなります…人とは異なる姿ですから決して覗かないでくださいね…お約束してくださいませ…』


・・・・・・


『なぜ、なぜなのです!?決して覗かぬようあれほどお願いしたのに…この神の身は陸の方に見せてはいけないのに…あぁ愛しい人…わたくしは海の底に戻らなければなりません…』


『俺が悪かった!あれほど苦しげな声をあげるからそなたが心配になったのだ!生まれてくる子が無事なのか確かめたかったのだ!すまない!すまない!行かないでくれ!!』


『あぁあぁ…掟なのです…わたくしにはもうどうすることも…』


・・・・・・


『ごめんなさい…どうしても我が子が気になるのです。あなたにしかお願いできないの…』


・・・・・・


『なぜです…なぜそんなことを…人になってしまっては命に限りが生まれてしまいましょう…あぁでもあなた様がそうするなら、わたくしも…無限の輪廻の中でいつか巡り合えることを願います…プラーナの導きあらんことを…』


・・・・・・


「やっぱり足りないわね…」


「え!?」


 レベッカがつぶやいた声で一気に目の前が明るくなった…あれ?何かを見ていたような気がするけど…全然思い出せないや…


「あ、えっと、足りないって?」


「そう、プラーナが足りないわ…まぁ想像していた通りってことなんだけどね。」


 ナァーとコッチーが悲しそうに鳴いた。


「大丈夫、秋田にプラーナを分けてもらうように言ってあるから。話が終わったら来るって言ってたから私たちは少し休みましょ。お茶飲んでスイーツを食べたいわ。」


「えぇぇ、そんなテンション?まぁ良いけど…。あるかな?スイーツ。私も食べたくなってきちゃった!あ!でもカロリーが…」


 ニャーニャーとコッチーも食べたいアピールをしているようだった。


「じゃ、わたし聞いてくるね!お茶とお菓子!」

ヒロインがウォーミングアップを始めたかもしれません。

やはり、ラノベ読者の方って、黒髪ロング清楚系とかおしとやか系とかが好きなのでしょうか。活発筋肉系ヒロインの需要はいかに・・・


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