第61話 たゆたう魂の行きつく先は
短め。ある意味ネタバレ回です。
『兄さん、俺も釣りをやってみたい!』
『お前には獣を狩る剣があるだろう?』
『いいだろ兄さん。俺も兄さんみたいにたくさん魚を釣ってみたいんだ!』
『仕方がない奴だなぁ。この釣り針は二つとない大事なものだ。失くさないでくれよ。』
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兄さんみたいに魚をたくさん釣れば、兄さんがほめてくれるって思ったんだ…
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『大事な釣り針だって言っただろう!たとえ何本釣り針を持ってきても、あの釣り針じゃないとオレは受け取らないからな!』
どんなに探しても見つからないんだ…ごめんよ兄さん…
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あぁなんて美しい人なんだ…海神の国には美しい人が多いのだろうか…いや、彼女が特別に美しいのだろう…なんて…美しい…魂…
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『ああ!海神様!!本当にありがとうございます。この釣り針をずっと探していたのです!赤鯛よ、すまなかった。でもずっと持っていてくれてありがとう。』
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『何故です兄さん!針は返したではないですか!何故それほどまでに俺が煩わしいのですか!?』
『うるさいうるさい!お前は何でも得ることが出来る。海神の寵愛も!豊かな大地も!オレだけが何故こんなにもみすぼらしいことになるのだ!お前さえ!お前さえ!』
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『決して見てはいけませぬよ…丘の人には…いえ、決して、決して見てはいけませぬよ…』
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『戻ってきてくれ!そなたを愛しているのだ!俺が愚かだった!戻ってきてくれ!』
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『あぁいとし子よ…そなたは俺の宝だ…妻も…兄も…俺は失ってしまったが、お前だけはいてくれる。この豊かな土地も、俺を慕う民草も…すべてお前に委ねよう…』
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『****殿…俺は諦めきれないのです…』
『しかし…海の国には行けませぬ…姉もあなたを愛しているでしょう…それでも無理なものは無理なのです…』
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孫は民草をまとめ、国を作るようだ…お前はお前の道を進め…貴き国生みの神らが作ったこの島はいずれ人で満ちるだろう。
俺も神のみを捨て人となり魂をマルガに流そう…いつかそなたに会える日が来るかもしれない。そして兄にも…。
無限の輪廻の中でいつか巡り会えることを祈る…プラーナの導きあらんことを…
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